現代貨幣理論(MMT)とは何か? 最近の現代貨幣理論(MMT)界隈は、少々混乱しているように見えます。勢力争いが発生している、と言ってよいでしょう。
新しい学問であるMMTで主導権を握るために、独自見解も乱発されています。例えば「MMTは非裁量的であることを重視する」などです。
一応答えを示しておきます。MMTは裁量的であれ非裁量的であれ、特に否定しませんし、どちらが良いとも示していません。
混乱する現代貨幣理論(MMT)を、MMTを知らない人が見ると百花繚乱、議論百出で「MMTってなんなのさ? よくわからない!」と文句のひとつも言いたくなるはず。
本稿では現代貨幣理論(MMT)の記事を紹介し、少しだけ解説を加えることで「MMTの全体像」をお伝えしたいと思います。
現代貨幣理論(MMT)の全体像とはどんなものか
上記はMMTの本質について触れたあとに、各論であるスペンディングファーストや租税貨幣論を簡単に解説しています。わかりやすく全体を俯瞰する記事としては、もっともやさしい部類であり、理解が進みますよ。
現代貨幣理論(MMT)の財政赤字に対するスタンスは、以下の記事がもっともわかりやすいでしょう。
MMT全体の詳細な理論を、ある程度理解したいなら以下の記事もおすすめです。
日本でもっとも、MMTを体系立てて説明している記事です。正直、これ以上に体系立てた記事を筆者は見たことがありません。
というか、なかったので書きました。
信用創造とはMMTのエッセンス
MMTの本質は、信用創造にあります。信用創造とは「貨幣がどのように生まれるか」という構造だからです。
その信用創造さえ理解できれば、MMTの7割は理解できたと言って過言ではありません。紹介した3本の記事はいずれも、わかりやすく信用創造が理解できます。
MMTへの批判とはどのようなものがあったのか
2019年の3月から9月まで、MMT批判が非常に盛んでした。2019年の10月に消費増税が達成されると、不思議なことにリンクしてMMT批判はなりを潜めました。
MMT批判の主な内容と、対する反論を掲載した記事でMMTへの理解を深めることができます。
現代貨幣理論(MMT)でこれからの経済を考える
上記の記事では、現代貨幣理論(MMT)本を紹介しています。いずれもMMTへの理解として、必読の本です。
現代貨幣理論(MMT)を知るにあたって
MMTとは「貨幣とは何か? どのように生まれるか?」を体系立てて説明した理論です。それ以上でもそれ以下でもありません。
例えば野球のルールを説明するときに、自分の応援するチームが出てくるでしょうか? 必要ありませんよね。
野球のルールがMMTで、応援するチームがイデオロギーや思想です。
である論がMMTで、べき論が政策です。
MMTは「現実的にこうなっている、という構造」を説明するだけです。そこから「どうするべきか?」は、MMT+何らかのイデオロギーや思想を結合させることで主張されます。
数字やデータそのものには、イデオロギーも思想もありません。ただ現実を示すのみです。MMTも同様です。
現在のMMT界隈が混乱しているのは、MMT+イデオロギーを主張しているにもかかわらず、それに無自覚な人たち――ないし意識的に無視している人たち――が多いからでしょう。
少しでもMMTを知らない人が、MMTを知るためのきっかけになれば幸いです。