現代貨幣理論(MMT)はどう財政赤字を容認し、何に有効性を発揮するか

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 現代貨幣理論(MMT)の有効性を論じる記事は、たくさんあります。一方で読者の中には「なぜ現代貨幣理論(MMT)が、財政赤字を容認できるのか? 主流派経済学はなぜ、容認しないの?」がぼんやりとしか分からない人もいるでしょう。

 上記の違いを解説することで、現代貨幣理論(MMT)と主流派経済学の違いが明らかになります。また日本の現在の状況に、現代貨幣理論(MMT)が非常に有効性が高いことも証明できます。

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現代貨幣理論(MMT)批判とその反論に見る、財政赤字と政治理論

 現代貨幣理論(MMT)批判のほぼ全ては「MMTではインフレが止められない」です。表現や言葉、文章は違えど「言っていることは一緒」の批判が大半です。

  1. 予算規模の増減・税の増減は時間がかかる
  2. よってインフレ対策の増税――あるいは緊縮財政――が間に合わず、インフレが止められない
  3. 現代貨幣理論(MMT)は、政治の現実を無視した机上の空論だ。したがって財政赤字は容認できない!

 これが主流派経済学の批判内容です。

インフレ抑制のメカニズムと段階

  1. 容認できるインフレ目標値を決定しておく(4~6%程度だろうか)
  2. 値に近づけば政府予算を「前年度と同規模」に据え置く→一般的にはこれでインフレ率は維持、ないし低下
  3. ビルトイン・スタビライザー(税による景気の調整弁)。好景気には税が自動的に重くなる→よってインフレ抑制効果が働く
  4. 予算の使途を、国土や技術への投資へ→投資した瞬間は需要。数年経って完成すれば供給能力が増加でインフレ抑制
  5. 上記1~4の有効性が足りない場合に緊縮財政政策(増税や予算規模縮小)

 段階5に至るまで、少なくとも2.~4.の3段階は経ます。主流派経済学の現代貨幣理論(MMT)批判は「前年度規模と同じ予算」という選択肢を排除し、なおかつビルトイン・スタビライザーを無視して論じられています。
 どちらが書生論であり、机上の空論か? はあまりに自明です。前年と同規模の予算が「政治的に難しい」はずがありません。

 よって現代貨幣理論(MMT)では、財政赤字は容認できるのです。

主流派経済学が財政赤字を容認できないのはなぜ?

 主流派経済学は、根底に「市場競争が善」というイデオロギーがあります。だから自由貿易も善であり、グローバル化が望ましいとするのです。
 逆に政府や政治が介入する市場は、自由競争を歪められていると解釈します。積極財政や財政赤字は容認できません。

 上記が主流派経済学の考え方です。「インフレが止まらなくなる! 現実の政治としては、増税は難しい!」などの理論は、あとから取ってつけたものです。だからツギハギだらけです。――実際に彼らの論法は、特定の選択肢や現実を無視することでしか成り立ちません。

現代貨幣理論(MMT)はどのような状況に有効性を発揮するか

 まずお断りしておきます。現代貨幣理論(MMT)は、貨幣についての現実を論じているに過ぎません。したがって「小国であれ、後進国であれ、理論は通用する」のです。
 ただし分析として通用しても良い結果、つまり有効性があるかどうか? は別問題です。それは現代貨幣理論(MMT)の問題ではない、と申し上げておきます。

 日本において、現代貨幣理論(MMT)の診断結果はこうです。

  1. 1000兆円の財政赤字は、容認できる
  2. デフレが続くのは、政府支出が足りないから

 現代貨幣理論(MMT)で有効性が確認できるのは、金融主権と財政主権を保持している国家です。

  1. EUのユーロ圏は、金融主権を保持していない
  2. 外債や外資の影響で、金融主権や財政主権が十全に使用できない

 上記のような状況では、別の有効性がある処方箋が必要でしょう。

【まとめ】現代貨幣理論(MMT)の財政赤字容認と有効性

 現代貨幣理論(MMT)が財政赤字を容認するのは「行き過ぎたインフレの抑止は可能」と認識しているからです。自称有識者や専門家は「ベネズエラではハイパーインフレが! だから現代貨幣理論(MMT)は危ない! 財政赤字は容認できない!」と、見当違いな批判をします。
※ベネズエラではインフレが加熱したにもかかわらず、インフレ加速政策を実行した。つまり現代貨幣理論(MMT)と真逆の政策を実行していた。むしろ現代貨幣理論(MMT)の有効性を、証明する結果となった。

 国債が自国通貨建てであれば、国債発行を制約するのはインフレのみです。また日本のように、デフレ気味なのにインフレを心配する国家に、現代貨幣理論(MMT)の理論は非常に有効性が高いでしょう。

 現代貨幣理論(MMT)について、詳しくは以下の記事でどうぞ。

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MMTオタクの連中の議論を見た私の結論としては、MMTでは、継続的長期的な財政出動をする事で供給力を高めて事前にインフレ率を抑制すると主張しているように感じます。

だから積極財政でデフレ脱却とか、言うと極左MMTオタクの連中が、MMTでは、そんな事は主張していない!とか、反応するのです。

ただ私がMMTオタクに言いたいのは、米豪はデフレじゃないからね。という事と、超積極財政のグリーンニューディールを、本家MMTも支持してるやろ!って話です。

結論としては、消費税廃止でデフレ脱却で、継続的かつ長期的な財政出動で、供給能力を高めた、藤井聡さんが唱える高圧経済の実現こそMMT的にも正しいと考えています。

要するにインフレ率が高くなったら緊縮財政にしろとの意見は、MMT的では無いと思いますね。

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