資本=負債!資本主義とは何か?中学生でもわかるよう簡単に解説

 あなたも世界中の人々も資本主義の中で生きています。ところが「資本主義とは何か?」と質問すると、ほとんどの人が答えられません。

 答えられない人の中には――おそらく経済学者やエコノミストも含みます。

 今回の記事では、明確かつ簡単な資本主義の定義を解説します。資本主義がなぜ誰にも答えられないのかという疑問にも回答。
 中学生でもわかるように、できるだけ簡単に解説していきます。

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勘違いされている資本主義

 資本主義を解説している記事を何本も読みました。

 解説はおよそ2種類に分かれます。1つは「自由な経済体制が資本主義!」。もう1つは「生産手段(資本)を持った資本家がいるのが資本主義!」というもの。

 どちらも勘違いですから忘れてください。

 例えばオランダは資本主義が芽生える産業革命以前、自由な経済体制でした。しかし、資本主義ではありませんでした。「自由な経済体制が資本主義!」は明らかに間違いです。

 「生産手段(資本)を持った資本家がいるのが資本主義!」は、共産主義を提唱したマルクスの解釈です。資本主義以前でも大商人や地主がいました。
 地主はまさに「生産手段を持った人」ですが資本家とは呼ばれません。
 マルクスの解釈も不十分なものでした。

 両方の説明ともに不十分だったり、勘違いだったりします。

資本主義とは?分解すると簡単に理解できる

 言葉を分解すると資本主義が簡単に理解できます。

資本とは

 資本とはお金です。英語では資本をCapital(キャピタル)と書きます。キャピタルは資金のことです。だから、資本=お金。
 では、お金とは何でしょうか。

 現代のお金は、巨大なシステムに支えられています。このシステムとお金の関係は後述しますが、ひとまず今は「お金=負債」と覚えてください。
 なぜお金=負債なのか?

 「誰かの負債は誰かの資産」という原則があります。要するに「誰も貸していないのに借金はできない」というだけの話です。
 貸したお金の代わりに、債権が貸した人には残ります。これが資産です。

 私たちにとってお金とは本質的にこの債権だ、とするのが最新の経済学である現代貨幣理論(MMT)の分析です。私たちにとって債権だとということは、発行主体にとってお金は負債です。
 よってお金=負債が成り立ちます。

 詳しくは以下の記事をどうぞ。

 資本=金でした。お金=負債でした。とすると資本=負債です。

主義とは

 主義は簡単です。主張や考え方、イデオロギーのことです。その考え方を実現した構造そのものも主義と呼ばれることがあります。
 例えば、民主主義がそうです。政治制度や投票制度も含めて「民主主義」です。

資本主義と負債の拡大

 資本主義はイギリスの産業革命と同時に芽生えました。

 イギリスの産業革命と同時に起こった現象がもう1つあります。負債の拡大です。負債の拡大は現代まで延々と続いています。
 1900年と現在の国債残高を比較するとアメリカで3000倍以上、日本も同じようなものです。
 国家の負債が拡大し始めたのは資本主義が始まってからです。

資本主義=負債を拡大して経済成長する経済イデオロギー

 資本=負債なら、資本主義は負債主義と言い換えられます。そして、資本主義が始まってから負債の拡大が起こりました。

 イギリスの産業革命以前、経済成長はほとんど見られませんでした。資本主義になってから経済成長が始まりました。

 つまり、資本主義とは「負債を拡大しながら経済成長し続ける経済形態(イデオロギー)」と定義できます。

中央銀行システムと資本主義

 産業革命はなぜイギリスだったのでしょうか。中国でもオランダでもドイツでもなく、イギリスで産業革命は起きました。

 答えは、イギリスがいち早く中央銀行制度を作ったからです。世界最初の中央銀行がイングランド銀行です。

 中央銀行制度は国家の負債拡大を際限なく可能にしました。自国通貨で発行した国債を中央銀行が引き受け、政府の支出を通じて市場に通貨を流します。
 政府は通貨発行権を持つので国債をいつでも返済できると担保できます。

 要するに、国家による通貨発行(負債拡大)の無限ループが中央銀行制度で完成しました。

 だからこそ、イギリスは国家事業ができました。巨額の資金を投じてインフラを整備し、そのインフラを通じて産業が発展しました。
 産業革命の到来です。

 一方、株式会社制度を持っていたオランダは、中央銀行制度が整備されていませんでした。中央銀行制度があったからこそ、イギリスで産業革命が起こったのです。

貨幣の本質を議論してこなかった経済学者たち

 資本=お金=負債であり、資本主義とは負債主義です。負債を拡大しながら経済成長するのが資本主義です。

 経済の専門家である経済学者たちは、資本主義を定義できませんでした。びっくりするかもしれませんが、主流派経済学では貨幣とは何かを定義できていません。
 200年近く、貨幣議論を封印してきました。

 その封印を破って貨幣を再定義したのが現代貨幣理論(MMT)です。現代貨幣理論(MMT)の定義に則れば資本主義=負債主義と解釈できます。

 なぜ経済学者たちが貨幣を定義しなかったのか? この議論は脇におきます。本筋から外れることがその理由です。

 経済学者たちが資本主義を定義できなかったのは、お金を定義できていなかったからです。

共産主義は貨幣を攻撃した

 資本主義の対義語は共産主義と言われます。この定義は厳密には間違っています。間違っているのですが――ソ連は真剣に資本主義を排除しようとしました。

 論文「社会主義における貨幣廃棄の諸問題」でも、ソ連が貨幣を排除しようとした経緯が見て取れます。

 なぜソ連は貨幣を排除しようとしたのでしょうか。それは、貨幣(お金)=負債=資本だからです。貨幣とはイコールで資本主義と考えられました。
 貨幣の代わりにソ連は労働時間紙幣を取り入れようと真剣に考えました。
 しかし、貨幣の排除は失敗します。ソ連の結末を見ても失敗は明らかでしょう。

 また、ソ連には「ゴスバンク」と呼ばれる中央銀行がありました。中央銀行制度=負債拡大の無限ループ制度は国力拡大に必要不可欠でした。

 中央銀行制度は資本主義の要であり、共産主義であるソ連もまた資本主義から抜け出せませんでした。

 では、東西冷戦は何だったのか? 冷戦は「自由経済主義vs統制経済主義(共産主義)」の戦いでした。どちらも資本主義です。

資本主義のバリエーション

 資本=お金=負債であり、資本主義とは負債主義でした。そして、負債拡大の要は中央銀行制度です。中央銀行制度がある国家形態=資本主義国家です。

 あのソ連ですら資本主義から抜け出せなかったのです。イギリスの産業革命以降、資本主義は世界を支配しました。

 資本主義にもいくつものバリエーションがあります。そのバリエーションを見ていきましょう。

新自由主義

 新自由主義とは経済自由主義の極地です。小さな政府を目指し、政府による市場の規制をなくすことを目的としています。

 現在のアメリカや日本は新自由主義的です。

 新自由主義の弊害は、格差の拡大や富が偏在することです。他にも、新自由主義は最終的に――現在のように――経済成長が低下するという弊害もあります。

修正資本主義

 修正資本主義は新自由主義の弊害を修正し、やや社会主義寄りの政策を目指します。修正資本主義は公益資本主義と呼ばれることもあります。

 市場と個人の利益より、公益や全体の利益を得るために新自由主義を修正しようというものです。

社会主義

 社会主義は修正資本主義をさらに強めたものです。経済自由主義や新自由主義の弊害に対抗するイデオロギーです。

 社会主義のバリエーションは非常に広く、定義が難しいです。また、社会主義は共産主義としばしば同一視されます。しかし、両者には明確な違いがあります。
 社会主義は私有財産を認め、共産主義は私有財産を認めないという違いです。

 なお、社会主義は民主主義でも実現できます。

共産主義

 共産主義は私有財産を認めず、生産したすべての富を平等に分配しようというイデオロギーです。私有財産を認めないため国家に権力が集中しすぎ、最終的には独裁に陥るとされています。

まとめ

 資本主義の記事を検索すると定義が間違っている記事ばかりでした。空気の成分を誰も気にしないように、資本主義の定義が忘れ去られていました

 資本=お金=負債であり、資本主義とは「負債を拡大しながら経済成長し続ける経済形態」です。その要は負債拡大の無限ループを可能とする中央銀行制度にあります。

 資本主義とは何かを知ることは、あなたが生きている世界を知ることです。
 以上、できるだけ簡単にわかりやすく解説しました。

 

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