反緊縮とは?広まった経緯や考え方、掲げる政治家も一緒に解説

 近年、反緊縮という言葉が広まっています。報道などでもときどき見ますし、Twitterのアカウントなどでも反緊縮を掲げる人がいます。

 反緊縮とはどのような意味で、どのような動きなのでしょうか。

 反緊縮の意味や内容、広まった経緯を解説している記事がひとつもありませんでしたので、わかりやすく解説しておきます。
 ポイントさえ押さえておけば、簡単に理解できますよ。

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反緊縮とは何か?

反緊縮が広まった経緯

 反緊縮という言葉や姿勢は、現代貨幣理論(MMT)が日本で広まるとほぼ同時に、広まりはじめました。現代貨幣理論(MMT)を知ることで、日本でも反緊縮運動が広まったと言えます。

 欧米などではすでに、2016年頃から反緊縮と呼べる運動が起きていました。日本で現代貨幣理論(MMT)と反緊縮が広まりはじめたのは2019年です。

 日本で最初に反緊縮という言葉を使い始めたのは、松尾匡や山本太郎と言われています。Twitterではリベラル派を中心に、反緊縮を掲げる人たちが続出しました。
 しかし反緊縮はそれにとどまらず、自民党の若手議員でも掲げる動きがあります。

 反緊縮運動の特徴のひとつは、政治思想の左右にとらわれず拡大していることです。

 一方で反緊縮という運動に対して、反・反緊縮というバカバカしい動きもありました。
 反緊縮は「緊縮財政への反対」ですから、反緊縮と反発するのは「緊縮財政への賛成」に他なりません。
 緊縮財政賛成派や緊縮派と名乗れなかったのは、緊縮財政に対するマイナスイメージが世間に根付きはじめたからかもしれませんね。

 なお立憲民主党内でも、旧来の緊縮財政派と反緊縮の両方が存在しているようです。

反緊縮の思想内容

 反緊縮の思想内容は、端的にいえば「緊縮財政への反対、反発」です。詳細に説明すると長くなるので、ざっくりとポイントだけ把握しておきましょう。

 まず日本の現状は、失われた20年と表現されています。失われた20年とは、1998年より続くデフレ、ないしデフレに近い状況を指します。
 この失われた20年の間、日本のGDPはほとんど成長していません。1997年をピークに平均所得は下がり続け、約50万円も下落しました。

 すなわち日本人は失われた20年で、貧困化してきたのです。

 反緊縮は貧困化の原因を、緊縮財政のせいだとします。そして、この指摘は事実です。
 多くの日本国民が貧困化していく中で、日本は新自由主義政策も取り入れてきました。新自由主義的政策は、格差を拡大させます。

 反緊縮は「日本人を貧困化させ続けた緊縮財政」への反発と同時に、「貧困や格差への反発」という人権思想的な側面もあります。

 緊縮財政への反発は現代貨幣理論(MMT)が裏付け、貧困や格差への反発はリベラリズムや人権思想が裏付けするという構造になっています。

反緊縮が反対する緊縮財政とは?

 反緊縮が反対する、緊縮財政とはそもそも何か? も把握しておいた方がよいでしょう。

 緊縮財政の議論はしばしば混乱します。「日本政府の予算は年々、増えているじゃないか! どこが緊縮財政だ! 100兆円以上も予算があるんだぞ!」という主張が、混乱の元です。

 緊縮財政かそうでないかは、予算の絶対額ではわかりません。予算の絶対額で見るなら、世界一小さな国であるバチカン市国は、緊縮財政の極致ですか? という話になってしまいます。

 緊縮財政かそうでないかは、経済の状況がデフレかインフレかで判断することが正しいです。デフレなら政府支出が過少です。適切なインフレ率なら、政府支出は適切。インフレが過剰なら、政府支出は過大です。

 どうして日本は緊縮財政路線を採ってきたのか? 主流派経済学や新古典派経済学が主張する、均衡財政主義を採用したからです。
 均衡財政主義はプライマリーバランスとも言われ、政府支出は税収と同じだけにするべきとの主張です。

 緊縮財政について詳しくは、上記を参照してください。
 なお日本に財政問題は存在しませんので、緊縮財政路線が明確に間違っていたことは明言しておきます。

反緊縮運動と積極財政運動の違いとは?

 反緊縮と積極財政の違いはなんでしょうか? まだ明確な定義がないので、人によって答えは異なるでしょう。

 例えば「反緊縮は主にリベラルや左派の一部が支持し、積極財政は保守や右派の一部が支持している」との説もあります。
 他にも「いやいや、積極財政と反緊縮は同じでしょ」とする見解もあります。

 筆者の見解を申し上げておきます。
 反緊縮と積極財政の考え方の違いは、インフラ整備をどうするか? にあると思います。
 積極財政運動の多くは、財政出動に伴うインフラ整備も主張に含めています。反緊縮ではインフラ整備は、積極的に主張されることはない印象です。

 積極財政が「国家全体の成長と強靱化」が目的とすれば、反緊縮は「貧困や格差の是正」が目的というイメージです。

 もっともこの見解も、まだ定義があやふやな中で筆者が「そう思っている」というだけのものにしか過ぎません。

 

反緊縮を掲げる政治家は誰?

 反緊縮を掲げる政治家の代表は、れいわ新選組の山本太郎氏でしょう。れいわ新選組は反緊縮、積極財政の初めての政党と言えます。

 自民党では西田昌司議員や安藤裕議員が、反緊縮や積極財政を主張しています。また旧民主党の松原仁議員も反緊縮を掲げる一人です。

 他にも立憲民主党や国民民主党でも、反緊縮を支持する議員はいるようです。

これから反緊縮は拡大する?

 昨今はコロナ禍で、補償をケチろうとする政府に対して「自粛と補償はセット」と、多くの運動が起こりました。

 緊縮財政に疑問を持つ政治家や有識者、政党は10年前と比べものにならないくらい増えています。

 日本でも反緊縮運動が拡大するかどうか? は、皆さんが反緊縮運動の当事者になるかどうか? 次第です。

 反緊縮の土台となっている、現代貨幣理論(MMT)については以下の記事でわかりやすく、かつポイントを押さえて解説していますよ。

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