6月から大阪もようやく、経済が再開し始めた感があります。しかしそれは「ある程度余裕のある人たち」の話で、3月から5月までの間に多大なダメージを負って、いまも困窮している人たちがいます。
コロナ禍で生活保護の申請が、激増している背景と理由を解説します。また実際に生活保護の相談をする窓口や団体など、紹介しています。
いつか何かあったときに、あなたも生活保護に頼るかもしれません。この記事を読んでおけば、そんな時に役立つ知識が得られますよ。
コロナ禍で生活保護申請が増える背景
コロナ禍で派遣切りや雇い止め、飲食店やナイトレジャーの休業など、様々な経済活動の停止がありました。
この影響を最も大きく受けたのは、非正規雇用のパートやアルバイト、そして低所得層です。
例えば飲食店やパチンコ屋、バーや風俗などのナイトレジャーなどは”自粛”で休業を強いられました。そこで働いていたアルバイトやパートなどの非正規雇用労働者も、仕事と所得を失いました。
派遣社員は3ヶ月に一度、契約が更新される雇用形態が一般的です。コロナ禍による契約更新停止、雇い止めや早期解雇なども起きています。派遣社員として寮に入っていた労働者が、解雇されて寮を追い出された例もありました。
このような状況の中、生活が困窮して生活保護申請が増えたのです。
実際にどれくらい生活保護申請が増えたか
時事通信によれば今年3月の生活保護申請は、2万1026件でした。2万件を超えるのは、昨年の7月ぶりだったそうです。厚労省は生活保護が増えた理由について、不明としています。
しかし何をどう考えても、コロナ禍による影響に間違いありません。
朝日新聞によれば13都道府県で、4月の生活保護申請が前年比で3割増えたことがわかりました。東京23区では39%増加し、中でも新宿区が73%増、渋谷区が100%増となっています。
他にも横浜市で46%増、大阪市37%増、京都市40%増など大都市圏で軒並み生活保護申請件数が激増しています。
日雇い派遣はダイレクトに収入がなくなるので、即生活保護になるのは考えられることです。しかし怖いのは「通常のアルバイトや派遣は、翌月払いが多い」ってことです。つまり影響は早くても1ヶ月後から現れる、と考えられます。
……いいですか? 3月のコロナ禍の影響は、まだ大きくありませんでした。それなのに4月の生活保護件数が、軒並み激増しています。
とすると本格的に自粛要請が始まった4月のコロナ禍の影響は、5月に現れることになります。
4月の数字よりささらに、生活保護申請数が増加するのではないか? と推測されます。
日本で生活保護は「恥ずかしいもの」という、間違った意識があります。ですからギリギリまで、生活保護申請をしない人がほとんどです。
生活保護のこのような背景を考えると、生活保護申請増加数の裏には、ギリギリで踏ん張って耐えている人たちがまだまだいることが予想されます。
恐ろしいのはコロナの第二波が、高い確率で発生するであろうことです。たった数ヶ月の自粛要請で、非正規雇用や低所得層はこのダメージです。
政府には可及的速やかに、雇用ないし補償や給付などの対策をしてほしいと思います。
どんどん生活保護を申請しましょう
生活保護は誰でも申請できます。申請自体はお金持ちであっても可能です。生活保護費の支給には審査が必要、というだけです。
生活保護の不正受給が過大に報道されて、不正受給撲滅のためという大義名分で水際作戦が採られるようになりました。これは生活保護の申請を、できる限り受け付けないというものです。
生活保護の申請は、国民の権利です。これを拒否するのは違法行為に当たります。
時間的、精神的、金銭的に多少の余裕があるうちに、生活保護が必要だと思ったら申請してしまいましょう。やばいと思ったら、すぐに申請するくらいでちょうどよいです。
なお生活保護を受けると、地域も国もあなたもじつはWin-Winです。
- 地域は生活保護を受けた人の消費で、需要が生まれて経済がよくなる
- 国は生活保護として支出した予算を、あなたが消費することでGDPが増加する
- あなたは最低限度の生活が保証される
やばいと思ったら、どんどん生活保護を申請しましょう。
生活保護の相談先
全国ネットで生活保護相談を受け付けてくれる、窓口やQ&Aを掲載しておきます。
大阪弁護士会 総合法律相談センター 生活保護のQ&A
大阪弁護士会のホームページでは、生活保護に関するQ&Aが掲載されています。例えば以下のような相談に対して、回答をしています。
Q 理由をつけて窓口で追い返されてばかりです。
A このような対応は、違法な「水際作戦」である可能性があります。「生活保護の申請をします。申請書を出してください」と言いましょう。
一部を略しています。実際にはもう少し丁寧に、相談内容に回答しています。
他にも「持ち家」「親族からの援助」「働く能力」など、一般的なイメージで「これがあったら生活保護を受けられないんでしょ?」というものへ、「いいえ? いけますけど何か?」との回答が多いです。
なお、気になって調べたら「住所不定でも生活保護は受けられる」そうです。
併せてぜひ一度、読んでおいてください。
また弁護士に、無料相談することも上記サイトから可能ですよ。
生活保護問題対策全国会議
上記は全国各地にネットワークを持つ、NPO団体の集合体のような団体です。例えば東京の「認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい 」は、コロナ禍で精力的に相談会を開催しています。
各地で相談できるので心強いですね。相談ももちろん無料です。
共産党に相談する
Twitterでは「共産党に相談するのもOK」とのことです。事実、共産党自身も積極的に相談に乗るスタンスです。
(9) #困ったときは共産党に相談しよう – Twitter検索 / Twitter
筆者の両親は共産党支持で、その両親から聞いた話ですが……実際に手助けしてくれることが多いようです。
ちなみに上記のタグ、共産党自身が思いっきり使ってますので公認でしょう。
ていうか、このタグを作ったのは共産党でした(笑)
最寄りの支部を調べて、相談してみてくださいね。
生活保護は僕らの権利 困ったら申請しましょう
貧困や困窮、そして「いままでは上手くやってこられたのに……」という転落。これらは本人だけでは、どうしようもない部分が多いです。
私事ですが去年、筆者は16年間続けた自営業を閉店しました。だから貧困や生活がやばいときの精神状態、心理状態はいやほど理解しています。
でもどうしようもないときは、本当にどうしようもないです。
そんなとき、最後に頼れるのが生活保護です。僕らの「当たり前の権利」です。やばくなったら、すぐに相談して即申請しましょう。