インフレ率とは?求め方・日本や各国のインフレ率なども解説

 経済を語るときにインフレ率は必ず出てくる指標です。インフレ率がどのように計算されるか知っていますか? 知らない人は多いと思います。

 インフレ率とはそもそも何なのか、求め方はどうするのかなど、わかりやすく解説します。

 加えて記事の最後には、アメリカや中国と日本のインフレ率を比較したグラフも用意しました。比較すると日本経済の問題点がはっきりと見えますよ。

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インフレ率とは

 インフレ率とは、去年と比べてどれだけインフレになったかを表す指標です。一般的には2~3%程度のインフレ率が望ましいとされています。

 このくらいなら知っている人も多いですよね。インフレ率をもう少し分解し、掘り下げて解説します。

インフレとは

 インフレとは物価が上がることです。物価が上がると相対的に貨幣価値は下がります。

 昨日は100円で2つのパンが買えました。今日は100円でパンが1つしか買えません。このケースでは昨日はパンが50円だったとも、100円の価値がパン2つ分だったとも言えます。
 そして今日はパンが100円になったとも、100円の価値がパン1つ分になったとも言えます。

 前者だと物価、後者だと貨幣価値での比較になります。

 インフレは需要と供給で決まります。需要>供給の状態になると物価が上がりインフレになります。逆の状態だとデフレでインフレ率がマイナスになります。

消費者物価指数とGDPデフレーターの違い

 インフレ率は消費者物価指数やGDPデフレーターで測ります。それぞれどのような指標か、簡単に説明します。

 消費者物価指数とは消費者が購入する財やサービスの物価を測る指標で、総務省が毎月発表しています。消費者物価指数は英語でConsumer Price Indexと言い、略してCPIと呼ばれます。

 変動の大きい生鮮食品をのぞいたCPIがコアCPI。コアCPIからさらに、外的要因に左右されやすいエネルギーをのぞいたものがコアコアCPIと呼ばれます。
 インフレ率を測るならコアコアCPIが適当とされています。

 一方、GDPデフレーターは国内で新しく生産された最終財やサービスの価格水準を表す指標です。

 GDPデフレーターと消費者物価指数の違いは、輸入を含むかどうかです。消費者物価指数が輸入を含むのに対して、GDPデフレーターは国内で生産された財やサービスに限定されています。

 したがって、厳密なインフレ率の計算にはGDPデフレーターが利用されます。

インフレ率の計算式と求め方

 インフレ率を求める公式は以下です。

インフレ率 = (今年のGDPデフレーター – 去年のGDPデフレーター) / 去年のGDPデフレーター × 100

 上記の式は「今年=第2年」「去年=第1年」でもOKです。

 去年を基準年として去年のGDデフレーターは100、今年は110としましょう。式に当てはめると以下になります。

(110-100)/100×100=10%のインフレ率

 GDPデフレーターの変動率=インフレ率です。

 なお、GDPデフレーターを名目GDPと実質GDPから求める式を掲載している記事もありますが、実際にはGDPデフレーターと名目GDPから実質GDPが求められます。逆ではないので注意しましょう。

日本のインフレ率の推移

 日本と各国のインフレ率については「各国のインフレ率」でまとめています。インフレ率を算出したのは日本、アメリカ、中国、ドイツ、イギリス、フランスの6カ国です。

 日本のインフレ率は1997年の消費増税以来、デフレに突入してマイナスに落ち込みました。2008年に世界同時好景気を受けてプラスになりましたが、直後のリーマンショックですぐにマイナスに落ち込みます。

 2014年にまたも消費増税でプラスになり、その後も海外景気に支えられデフレギリギリで踏みとどまっていました。2020年はコロナ禍もあり再デフレとなる見通しです。

高度成長期の日本のインフレ率

 日本の高度成長期は1954年から1973年までです。その間のインフレ率は4~8%でした。高度成長期のインフレ率は平均して4.5%程度です。

 意外と高度成長期のインフレ率は高くありません。中国の成長期であった2003年~2019年のインフレ率も平均2.6%と低めな数字です。

 急激な経済成長をしても、供給力が追いつけば急激なインフレにならない証拠です。中国は多額の国債発行も行っていますが、インフレは悪化していません。
 経済成長期のインフレ率はなかなか示唆に富んでいます。

アメリカや中国のインフレ率の推移

 上記はアメリカと中国、そして日本の1980年からのインフレ率をグラフ化したものです。「各国のインフレ率」ではさらにドイツ、イギリス、フランスもグラフ化しています。

 見比べると日本のインフレ率の低さがよくわかります

 1980年代から1990年代中盤まで中国のインフレ率が高いのは、市場経済への移行期だからです。それ以降、中国のインフレ率は急激な経済成長にもかかわらず安定しています。

 経済成長=インフレで語られますが、経済成長に伴う供給が追いつけば「経済成長率>インフレ率」となることを、日本の高度成長期や中国の経済成長は教えてくれます。

経済成長を伴う適切なインフレ率はどれくらい?

 通常、資本主義国家は経済成長します。20年前と比較して成長していない国家など日本くらいです。

 一般的な経済成長の場合、適切なインフレ率は2%程度でしょう。中国は急激な経済成長の間のインフレ率は、平均して2.6%程度でした。
 日本の高度成長期でも4.5%です。

 急激な経済成長でもインフレ率は、5~6%程度までに抑える方が無難でしょう。中国や日本の高度成長の例を引いても、最も高い時期でインフレ率は6~8%です。

まとめ

 日本では「国債発行をして政府支出を増やし、経済成長しよう!」と主張するとすぐに「ハイパーインフレになる!」というバカバカしい反論があります。

 しかし中国の経済成長や日本の高度成長期を参照すると、経済成長してもインフレ率は低めに抑えられると理解できます
 中国などは21世紀に入ってから国債を20倍弱に増やしていますが、一向にハイパーインフレとやらにはなりません。

 数値とデータとに基づく正しい経済知識で経済を考えるようにしましょう。

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