ベーシックインカム(Basic income)とはどういう意味?

 カタカナ語や横文字を、正確な意味を知らずになんとなくで使用してませんか? ベーシックインカムもそんなカタカナ語の1つかもしれません。

「え? ベーシックインカムってあれでしょ? みんなにお金を配るヤツ」

 その通りです。しかし「どの辺がベーシックなの?」と聞かれて答えられますか?

 ベーシックインカムの英語と日本語での言葉の意味、および財源によって変化する意味合いについて解説します。意味や定義を知っておけば議論や論考にも役立ちますよ。

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ベーシックインカム(Basic income)の意味

 ベーシックインカムは英語でBasic incomeと表記します。basicは「基本的な」、incomeは「所得」という意味があります。

 直訳すればベーシックインカムは「基本的な所得」です

 日本語でベーシックインカムは「最低所得保障」と翻訳されることが多いです。

ユニバーサルベーシックインカム

 ユニバーサルベーシックインカムという言葉もあります。英語では「Universal basic income」。

 Universalは「全般的」という意味です。

 日本語に直せば「全般的な基本的所得(保障)」がユニバーサルベーシックインカムの意味になります。もう少しわかりやすく翻訳するならば「一律給付の最低所得保障」がユニバーサルベーシックインカムです。

 なお「一律給付ではない最低所得保障」はすでに日本に存在します。そう、生活保護です。

 ベーシックインカム導入を決めたスペインや、ブラジルのマリカの制度も生活保護と似たようなもの。

 日本で盛んに議論されているベーシックインカムは、厳密に言うと「ユニバーサルベーシックインカム」です。

 ユニバーサルベーシックインカムを導入した国や地域は、今のところ存在しません

 ベーシックインカム全般については、以下の記事で詳しく解説しています。

財源によって変わるベーシックインカム意味合い

 ベーシックインカムは社会保障制度の一種ですが、経済効果を云々する議論も多いようです。そこでベーシックインカムの経済的な意味合いについて簡単に解説します。

 ベーシックインカムは「社会保障費や増税を財源とするモデル」と「赤字国債を財源とするモデル」の2種類があります。それぞれ特徴や経済効果が異なります。

社会保障費や増税を財源とするモデル

 社会保障費や増税を財源とする場合、政府のトータル収支に変化はありません。需要は増えも減りもしないのです。

 したがって経済効果もゼロです。

 社会保障費や増税を財源とするモデルは社会保障制度改革の意味合いが強く、経済政策としての意味はないです。

赤字国債を財源とするモデル

 社会保障費や増税を財源とする議論が、ベーシックインカムでは一般的です。一部、赤字国債を財源とする議論もありますがメジャーではありません。

 赤字国債を財源とする場合、政府支出は大きくプラスになります。したがって経済効果も大きなものになります。

 経済政策的な意味合いが強いのがこのモデルです。

 赤字国債を財源とするモデルはデフレ対策として議論されることも。個人的には「デフレ対策がベーシックインカムである必要はない」と考えています。

どちらを議論するかで経済的な意味が変わる

 社会保障費や増税と財源とするのか、赤字国債を財源とするのかによって経済効果やベーシックインカムの意味合いが変わってきます。

 混同して議論すると混乱します。しっかりと区別して議論しましょう。

今ベーシックインカムを議論する意味

 現在、ベーシックインカムは世界中で盛んに議論されています。なぜ今、ベーシックインカムなのか? 3つの理由がありました。

コロナ禍

 1つめはコロナ禍です。コロナ禍によって経済が停止し、人々は生活に大きくダメージを受けています。しかし、感染拡大防止のため仕事にも行けません。

 そこで政府が最低所得保障するベーシックインカムに注目が集まっています。

 世界的なベーシックインカム議論については、以下の記事にまとめました。

格差拡大と貧困

 日本国内では格差拡大と貧困に対して、ベーシックインカムが有効ではないかという議論もあります。

 例えばワーキングプアはベーシックインカムが支給されれば、余裕を持って生活することが可能です。
 今まで労働していた時間をクリエイティブな活動にあてる人が増えて、経済も活発化するのではないかという議論も。

 個人的にはベーシックインカムより、生活保護の拡充や労働分配率の向上が必要だと思います

AIによるシンギュラリティ

 AIによってシンギュラリティ(技術的特異点)を迎え、仕事がなくなるという議論があります。仕事がなくなるので失業者が増える、したがってベーシックインカムで人々の生活を支えるという議論です。

 AIの発達がまことしやかに語られます。なんでも2045年にはシンギュラリティで失業者が増加するのだそうです。

 しかしこのビジョンは実現しない可能性が高い。理由は以下の記事で解説しています。

まとめ

  1. ベーシックインカムの意味は「基本的な所得の保障」政策
  2. 何を財源にするかでベーシックインカムの意味合いが変わってくる
  3. 現在、ベーシックインカム議論が盛り上がっているのは「コロナ禍、貧困、AI」の3つが理由

 ベーシックインカムの議論自体は大いにするべきでしょう。しかしベーシックインカムにこだわるあまり、視野狭窄に陥る人も多いようです。

 あくまでベーシックインカムは政策の1つであり、そこまでハマる意味はないと思います。

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