バビロン大富豪の教え黄金の法則まとめ&政経ブロガーのマジ分析

 漫画版バビロン大富豪の教えを先日、読了しました。「お金が増える法則! しかもバビロンから伝わる古の法則です!」なんて言われたら、気になるに決まっています。

 ちなみにバビロンはメソポタミア文明の古代王国で、紀元前18世紀~6世紀まで存在したそうです。
 紀元前の古代王国から伝わるお金が増える法則! と思うと、そりゃもうありがたみも増すわけです。

 そのありがたーいバビロン大富豪の教えを、政経ブロガーである筆者がマジ分析してみました。黄金の法則の要約も、もちろんまとめてあります。

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「バビロン大富豪の教え」の基礎情報

 バビロン大富豪の教えの原作者はジョージ・サミュエル・クレイソンというアメリカ人です。20世紀の著作家であり、起業家でもありました。

 「The Richest Man In Babyron(バビロンいちの大金持ち)」は1926年に刊行されました。1920年から1924年に、アメリカの銀行や保険会社が配布したパンフレットの内容をまとめて、物語にしたものが「The Richest Man In Babyron(バビロンいちの大金持ち)」です。

 古典的な個人金融アドバイスとして評価され、90年後の2010年代に再販され200万部のベストセラーになりました。

 日本のAmazonでは漫画版バビロン大富豪の教えを『金融の起源と言われている古代バビロニアから伝わる「人類不変の知恵」です』と紹介しています。

 しかしぶっちゃけ言いますが、1920年代の金融機関のパンフレットが元ネタ。バビロンから遺跡が発掘されて法則が書かれていた、というような事実はありません。

 基礎情報は、以下から参照しています。

バビロン大富豪の教え1 黄金に愛される7つの道具

 バビロン大富豪の教えに出てくる、黄金に愛される7つの道具という項目は、英語で「Seven Cures For a Lean Purse」となっています。直訳すると「お財布の無駄をなくすための、7つの癒やし、治し方」です。

 日本語ではまるで「お金がよってきて増える法則」のように書かれていますが、本当は「無駄を減らして健全な状態にする方法」という意味合いが強いようです。

収入の1/10を貯金せよ

 たった1/10でも貯金すれば、1年で月給以上の金額が貯金できます。少額でもいいから貯金し続けましょう、という非常に常識的な教えです。

欲望に優先順位をつけよ

 年収が1000万円の人もいれば、300万円の人もいます。みんな収入に応じて、欲望をコントロールしていますよね? 借金を重ねてないなら、ですが。

 なら貯蓄以外の9/10の収入で生活できるように、欲望に優先順位をつけましょうという教え。たった1/10の欲望を我慢する、切り捨てるだけならできそうな気がします。

貯えた金に働かせよ

 「お金を働かせる」はどの資産運用の本にも書いてあります。近代資本主義は基本的に、インフレが常態です。よって預金以外の金融資産にして、運用するのがセオリーです。

 リスクが少ない&安定しているという理由で、漫画版バビロン大富豪の教えでは世界インデックスファンドをおすすめしています。

危険や天敵から金を堅守せよ

 お金が増えても、よくわからないところに突っ込まないようにしましょう。お金を運用したり、投資したりする場合はその道の専門家の意見を聞きましょう、という教えです。

 要するにギャンブルをするな! ですね。

より良きところに住め

 ただ安い、広いだけの住居ではダメだとする教えです。通勤に毎日1時間半もかかっていたら、月に22日勤務として……なんと年間で通勤に400時間も使っている計算です。

 いろいろな要素を検討して、住居環境をよりよくすることは大切です。

今日から未来の生活に備えよ

 簡単に言えば、老後に備えよです。そのために少しずつでも、お金を積み立てましょうという教え。

自分こそを最大の資本にせよ

 行動に移して、アウトプットすることで結果が出ますから行動しましょう、とする教え。なお行動して失敗しても「こうしたら失敗する」とノウハウが貯まります

 漫画版バビロン大富豪の教えでは書いていませんが、行動とアウトプットこそが成長に必要です。「自分が最大の資本」とは、このような意味もあると思います。

バビロン大富豪の教え2 「お金」と「幸せ」を生み出す5つの黄金法則

  1. 家族と自分の将来のために、収入1/10以上を蓄える者の元には黄金は自らを膨らませながら、喜んでやってくるだろう
  2. 黄金に稼げる勤め先を見つけてやり、持ち主が群れを膨大に増やす羊飼いのように賢明ならば、黄金は懸命に働くことだろう
  3. 黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳をかたむける持ち主からは、黄金が離れることはないだろう
  4. 自分が理解していない商い、あるいは、黄金の防衛に秀でた者が否定する商いに投資してしまう持ち主からは黄金は離れていくだろう
  5. 非現実的な利益を出そうとしたり、謀略家の甘い誘惑の言葉にのったり、己の未熟な経験を盲信したりする者からは黄金は逃げることになるだろう

 英語では「The Five Laws of Gold(金の5つの法則)」と著されています。こちらの法則が原理原則で、先ほどの黄金に愛される7つの道具は方法論、実践論と考えられます。

 「お金」と「幸せ」を生み出す5つの黄金法則は原理原則なので、さまざまな場面で応用が利くというメリットがあります。

バビロン大富豪の教えの感想と分析

 まず感想を述べます。漫画なのでさらさらと、ストーリーを楽しみながら読める点は素晴らしいです。今まで資産運用に興味がなく、知識のない人は原理原則を漫画版バビロン大富豪の教えで学べるでしょう。

 特にまだ資産を築いていない若い人にこそ、おすすめしたい本です。

 ここからは分析になります。著者のジョージ・サミュエル・クレイソン自身は起業家でもありました。2つの会社を経営していましたが、1929年の大恐慌によって倒産。生年から計算すると、55歳のときでした。

 しかしその後、81歳まで生きて生涯を終えます。残念ながらクレイソンの晩年がどのようなものだったのか、調べられませんでした。しかしバビロン大富豪の教えなど、クレイソンの著作は生前も売れていたようです。

 さて、バビロン大富豪の教えをどのように分析するか? 「自己啓発本のひとつに過ぎない」というのが、筆者の分析です。
 アメリカにおける「自己啓発本」の系譜という論文でも、バビロン大富豪の教えを書いたジョージ・サミュエル・クレイソンは自己啓発著作家の一人として位置づけられています。

 この本の内容は近代資本主義社会における、ごくごく一般的な資産運用の鉄則についてです。近代ならどの時代でも通底する、お金の増やし方・守り方の常識的な内容です。

 なぜバビロン大富豪の教えはベストセラーになったのか? 再販されたのは2010年代であり、2008年のリーマンショック後です。長期停滞やニューノーマルと言われる、異常事態に世界は陥りました。
 資産運用の鉄則を書いた漫画版バビロン大富豪の教えがベストセラーになったのは、このような時代背景が大きく影響しています。
 2008年以前なら、見向きもされなかったでしょう。

 加えてバビロンという古代王国、古代都市にはロマンの響きが感じられます。メソポタミア文明の時代から、人間はお金を使ってきました。
 ですから「バビロンの大富豪が残した教え」というイメージは、強く我々の感性に訴えかけます

 ……例え内容が、1920年代の金融機関のパンフレットだったとしても。

 結論を言えば、タイトルの付け方や物語のテーマの勝利です。
 筆者自身の見解で言うなら、本書の内容より売り方にこそ「大富豪の教え」があるんじゃないか? と思えてなりません。

まとめ

 漫画版バビロン大富豪の教えはさらさら読める、物語を楽しめる、そして役に立つの三拍子がそろった本です。

 2008年を境に、世界は激変しました。ニューノーマルと不安定性の時代が、幕を開けたのです。そして現在の世界は、コロナ禍によってさらに激動しています。

 世界的に不確実性が増大しています。そんな時代だからこそ、漫画版バビロン大富豪の教えが描く超基本的な鉄則が重要です。危険なときほど、基本に返る必要があります。

 ぜひ漫画版バビロン大富豪の教えを読んで、基本を学ぶor思い出してくださいね。

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