なぜネトウヨは頑なに、極端な主張を繰り返すのか? 人間に興味があれば、ネトウヨという現象にも興味を持たざるを得ません。
ネトウヨの行動や実際に起きた事件などを元に、ネトウヨの心理を分析します。最後には「脱ネトウヨした人の体験談」を読み解いて、ネトウヨになる切っ掛けなども探っていきましょう。
ネトウヨの定義と起こっている現象
ネトウヨの定義については、以下2つの記事に詳しく書いてあります。
要約すれば「ネトウヨやパヨクとは、対話不能な人々」と定義しています。
ネトウヨの活動範囲はSNSやYou Tube、掲示板など多岐にわたります。ネトウヨに共通するのは「嫌韓・嫌中」であること。そして「自分たちは反日勢力と戦っている愛国者」という”設定”です。
ネトウヨが起こした騒動やデマや事件
ネトウヨが起こした事件やデマ、騒動は大小様々なものがあります。ここでは、代表的な3つの事件や騒動を取り上げます。
弁護士大量懲戒請求事件
弁護士大量懲戒請求事件は2017年6月に、余命三年時事日記というネトウヨデマブログに端を発します。「弁護士が朝鮮学校の補助金を擁護した!」として発生しました。
150人の弁護士に、大量の懲戒請求が届けられたとのことです。しかし全く関係のない弁護士が多数含まれており、逆に弁護士側からネトウヨが訴訟されることになります。
詳しい経緯とのその後は、以下の記事にまとめています。
在日コリアン強制退去デマ
在日コリアン強制送還デマという騒動もありました。2015年の夏前にまことしやかに「在日コリアンは新たな在留資格制度導入で、韓国に強制送還される」と囁かれました。この発端も、余命三年時事日記といわれています。
実は筆者の周りでも、このデマを信じたネトウヨブロガーがけっこういました。しかしこの「新たな外国人在留資格制度」は、民主党政権時代に成立してます。
もうこれだけで「民主党ってネトウヨ的には、反日のはずじゃん。矛盾してんじゃん」と「普通なら考えるはず」です。
詳しい経緯は、以下の記事にまとめています。
ネトウヨ春のバン祭り
ネトウヨ春のバン祭りは、You Tubeでネトウヨ動画が「ヘイトを含んでいる」として、なんJ民が通報した炎上騒ぎです。この通報者には、特にイデオロギーの方よりなどは見られなかったとのこと。
日頃からの「ネトウヨうざい」という鬱憤が、一気に燃え広がった事件と言えます。
ネトウヨが持つ5つの心理的特徴
- 他国蔑視で日本の優位を感じようとする
- 反日という敵を設定する善悪二元論とカタルシス
- 大きな主体と自己の一体化と陶酔感
- 愛国のためなら論理すら無視して許される
- 少数派を気取る「普通の日本人」という設定の矛盾
ネトウヨには上記のような、5つの心理的特徴があります。
他国蔑視で日本の優位を感じようとする
ネトウヨはとかく、他国を蔑視することが多い。中国や韓国に関しては、特にそういえるでしょう。これは「蔑視したり悪い所をことさらあげつらうことで、日本の素晴らしさを認識しようとしている」という行動です。
他国を批判しても、日本が素晴らしくなることはありません。通常はそう考えるはずですが、ネトウヨの心理では異なります。「他国を蔑視し、批判できる”ほど”自分たちは素晴らしい国に住んでいるに違いない!」という理屈です。
反日という敵を設定する善悪二元論とカタルシス
かのヒトラーもユダヤ人という敵を設定しました。小泉純一郎元総理は、抵抗勢力を敵としました。政治では明確な敵を設定すると、いくつかの効果を得られます。
- 敵と戦うという演出で、政治家自身を勇敢に見せられる
- 敵か味方かという二元論で構図を単純化出来る
- 都合の悪いことを敵のせいにして、結束力を高められる
ネトウヨが反日勢力を敵として設定しているのも、同様の心理的効果を得たいからに他なりません。また「敵と戦う勇敢な自分」は、ネトウヨにとってカタルシスをもたらします。
大きな主体と自己の一体化と陶酔感
日本人がノーベル賞を取れば、誰しも「おお! すごいな!」と誇らしく思う気持ちも出てきます。しかし一般的には、そこで終わります。
この誇らしさが行き過ぎると、自己と大きな主体との区別が曖昧になります。例えば安倍政権支持をネトウヨが頑なに続けるのは、安倍政権と自己を一体化しているからです。
外交で安倍総理が歓待されると、まるで自分が世界各国の首脳から認められたような心理になるわけです。
実際のネトウヨの反応は、ネトウヨ大百科 : ネトウヨはなぜ安倍外交を褒め称えるのかにてご参照ください。
愛国のためなら論理すら無視して許される
ネトウヨの主張は、およそ論理的ではありません。安倍政権はグローバル化推進しており、どう考えても愛国でも保守でもありません。したがって愛国者を名乗るネトウヨは、論理的には安倍政権を支持できるはずがないのです。
なぜ支持できるか? 愛国という大義の前には、論理無視など「小さなこと」であり、許されることだという心理が働いているからでしょう。
その結果が売国というのも、なかなか皮肉なものです。
「特別なのに」「普通の日本人」という設定の矛盾
ネトウヨの慣用句、常套句は「普通の日本人」と「目覚めよ日本人」です。
- ネトウヨ心理的には、自分たちは目覚めた本来の日本人だ
- 多くの日本人はまだ目覚めていない
- 多くの日本人の目覚めたらネトウヨになる。よってネトウヨは普通の日本人のはずだ
上記の論法が「ネトウヨはネットにウヨウヨいる普通の日本人」の理屈になります。「目覚めていないのが普通」であり「目覚めたのは少数」ならば、論理的には矛盾します。
なぜネトウヨは「自分たちは目覚めている! 特別だ!」としつつ、「自分たちは普通の日本人だ!」と多数派を気取りたいのか?
特別であることに耐えられるほどの自己がなく、普通であり埋没に納得できるほど大人でもないからです。
ネトウヨの精神と心理は、かなりナイーブであると思われます。
ネトウヨになる切っ掛けと脱ネトウヨ出来る年齢
「ネット右翼」の主役は中高年男性? エスカレートするその心理 (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)によれば、SNSのネトウヨ的発信は10代と40代が目立つとのことです。
そして40代以上のネトウヨは、ほぼ脱ネトウヨが確認できないとのこと。脱ネトウヨするのは10代から20代で、社会に出始めた頃が多いようです。
ネトウヨ大百科 : 元ネトウヨの告白を参照してみますと、ネトウヨになる切っ掛けの多くはネット上での玉石混交の主張を目にしたことだそうです。特にネトウヨサイトやまとめがきっかけの人が、多いようです。
脱ネトウヨするきっかけは、大きく3種類ほどに分けられそうです。
- 勉強や環境の変化によって脱ネトウヨした
- 自分のアイディンティティが確立できたために、脱ネトウヨした
- ネトウヨの主張の矛盾に気がついた
人間は歳を取るごとに、自分の性格や考え方を変えるのが難しくなってきます。脱ネトウヨは早い時期にしておかないと、なかなか抜け出せなくなるかもしれませんね。
ネトウヨの心理とは承認欲求かもしれない
ネトウヨ大百科 : 元ネトウヨの告白を分析していますと、「ああ、これは承認欲求やなぁ」という事例が目立ちます。特にSNSなどでは、人間は承認欲求を満たしたくて行動することが多くなります。
TwitterやFacebookで、いいねがたくさんもらえると嬉しいのも同じ心理です。
- 反日勢力という敵と戦っているという、非日常的な設定
- ネトウヨ内で愛国発言すればするほど、承認欲求が満たされる構造
- 大きな日本という主体と自己を同化させ、「日本すごい」が「自分すごい」と感じる快感
上記のような心理が、ネトウヨが感じている「ネトウヨであることのメリット」なのかもしれないですね。
今回の記事内容については特に異論はありません。というより、ネトウヨ分析そのものには以前ほど関心がありません(日本の国民大衆全体の民度が相も変わらず最低なので、その一部に過ぎないネトウヨのごときクズの中のクズの言動などどうでもよくなった)。
今回というより以前から気になっているのは、ヤンさんのブログ記事のテーマには、なぜかネトウヨ分析の記事が多いことです。その理由は何ですか?単純にネトウヨというアホ人種の生態に関する個人的関心が強いためか?それとも、ネトウヨ関連の記事はアクセス数が多く、(昨日の記事にあったように)アクセス数アップのための有効な手法だからなのか?
社会現象としても興味深いのですけれども、アクセスアップの目的ももちろん兼ねています。
社会現象としての興味深さは、日本の悪い部分がネトウヨという現象に、詰まっているのではないかというところです。
電子書籍のテーマとしても扱おうかと考えているので、どうしてもブログで扱う機会が多くなります。
お邪魔いたしますです。
>大きな主体と自己の一体化と陶酔感
この項に共感するです。
自己に投影し一体化した言動。相手にもかなって思ったです。こういったネットだと所詮は名無しさんです。その名無しさんに敵対する人を投影してるです。
かの方は、ハンドルネームが有るにしても名無しさんと大差ない普通の人を相手に論破すれば、敵対する人物そのものを論破したかの様に勝ち名乗りを上げます。当人にとっては戦績なのでしょうけど、誇れるものでも何でもないです。
はたして対話不能に陥っただけなのか、おいらが主張する方だったのかは判らないです。
毒親のような存在は希有だと思ってるです。ネトウヨが注目されてるのは、おいらと同じよーに身近な人物で困ってる人が多いのかも知れないってなるのかな。
論破を嬉しがる人、いますよね。と言いつつ、私も昔は議論厨だったので感覚は分かります(汗)
初見です
私の友人にネトウヨに罹ってしまった人がいるのですが、私のスマホを見るなり、「それどこ製?」と聞いてきたので、試しに韓国製(本当はXperia)と言ってみたところ、それを聞くなり「やっぱりそうだと思った。デザインがダサいし安っぽい」と言ったので、本当は日本製と言ってみたところ、「あでも確かに画面きれいだね」と手のひら返しで褒め始めました。
あまりにも面白かったので、実をいうと本当は中国製だというと、さすがに騙されないのか、「嘘つくな」と言われたのですが、日本のメーカーのスマホのほとんどが中国製の部品を使っているというと、友人は黙ってしまいました。
結局、ネトウヨというのは、二元論でしか考えられない頭がバカな人たちであるというだけであり、それ以上でもそれ以下でもないのではと思います。
彼らの頭の中では、日本=素晴らしい 日本製品=良品という二元論でしか考えられておらず、CPUが韓国製だとか、組み立てだけ日本であって部品を作っているのは中国というところまで考える想像力がないのです。
このような考え方をしてしまう人は、どちらにしろ陰謀論や宗教にハマるのが落ちであり、愛国という宗教にハマってしまった取り上げるのも馬鹿馬鹿しいただ頭の悪い人であるというだけであり、いじめっ子というより陰謀論者のほうが近いのではと思います。
愛国だろうが人権だろうが環境問題だろうが、バカな人が正義感を持つとろくなことにならないというのは確実なのだと思います。