「使えない就職氷河期世代」と言う政府や企業こそ無能な理由

 Googleで「就職氷河期世代 使えない」が、かなり検索されています。確かに氷河期世代はスキルアップやキャリアアップのチャンスが少なかったので、他の世代に比べて劣る部分もあるでしょう。

 しかし本人たちにはどうしようもありません。なぜなら正規雇用の機会を少なかったからです。

 むしろ就職氷河期世代を使い捨て、問題を放置し続けた政府や企業こそ使えないのではないか? と議論を展開していきます。

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1993~2005年の就職氷河期とは

 就職氷河期世代はバブル期の過剰雇用やバブル崩壊、産業構造の転換が重なって発生しました。
 就職氷河期世代は一般的に1993年~2005年だと定義されます。

 実際の有効求人倍率を見てみましょう。

年代有効求人倍率
1993年0.76
1994年0.64
1995年0.63
1996年0.70
1997年0.72
1998年0.53
1999年0.48
2000年0.59
2001年0.59
2002年0.54
2003年0.64
2004年0.83
2005年0.95

 コロナ禍で有効求人倍率が下がっている現在でも、8月の有効求人倍率は1.04倍と1以上でした。比較すると就職氷河期の厳しさがわかります。

 就職氷河期世代とは就職氷河期に社会人になり、正規雇用からキャリアを始められなかった人たちです。
 筆者も就職氷河期世代の1人です。

就職氷河期世代の特徴

 就職氷河期世代には、他の世代と異なる特徴や傾向があります。まずは就職氷河期世代の傾向を把握しましょう。

年齢は40~50代

 就職氷河期世代の多くは40~50代です。若くても30代後半でしょう。

 20代の頃は正規雇用からキャリアを始められず、非正規雇用で過ごした人が多いです。若いときはなんとかなりますが、今では40代を迎えて非正規雇用の人も。

 正規雇用を求める氷河期世代は、政府の試算で100万人です。もっと多いとする試算もあります。

正規雇用が少ない

 就職氷河期世代の一番の特徴は正規雇用が少ない点です。

 就職氷河期で有効求人倍率が低く、正社員からキャリアをスタートできなかった人が多くいます。非正規雇用は年収が低く生活が不安定で、スキルアップの機会も少なくなります。

 加えて年齢を重ねるごとに、どんどん正規雇用を得るチャンスも少なくなります。

真面目なタイプが多い

 就職氷河期世代は真面目な性格が多いと言われます。非正規雇用から正規雇用を目指すしかないので、採用されるため真面目に振る舞います。

 雇用環境に恵まれなかったことから、万が一の場合に備える傾向にあります。ド派手なタイプが多いとされるバブル世代とはかなり性格が異なります。

 また就職氷河期世代は、ドライで感情に起伏がないと評されることも
 困難な状況で我慢することが身についてしまっているためでしょう。

自信を持てない

 就職氷河期世代は成功体験が少なく自信を持てません。社会人生活が失敗体験から始まっていますから、自信を持てという方が難しいかも。

 非正規雇用では責任のある仕事には就けず、キャリアアップもできません。加えて当然ながらスキルアップのチャンスにもなかなか恵まれません。

 社会人としての価値に自信が持てなくても、仕方のない話です。

低年収

 就職氷河期世代は他の世代に比べて低年収です。非正規雇用は正規雇用に比べて年収が低く、生活は不安定になりがちです。また雇用も安定していません。

 非正規雇用には昇進や昇給のチャンスは少なく、年収が上がる機会も少ないです。低年収なのも宜なるかな。

独身や晩婚が多い

 雇用が不安定で生活が安定せず、年収が低く、昇進やキャリアアップの機会も少ないので独身や晩婚が多くなります。

 結婚には出産や住宅購入、養育費などさまざまな出費が必要です。そういった出費に積極的になれないのが就職氷河期世代です。

就職氷河期世代は使えない人材?

 「就職氷河期世代は使えない」と感じる人が少なからずいるようです。しかしある意味でそれは当たり前で、しかも就職氷河期世代の責任ではありません

 就職氷河期世代は非正規雇用に就かざるを得ず、キャリアアップのチャンスが少なめでした。加えて低年収と不安定な生活でスキルアップにいそしむ余裕もありません。
 非正規雇用で責任ある仕事を任されることもなく、仕事場でのスキルアップの機会も少ないでしょう。

 ようやく就職氷河期が終わり正規雇用に就けたら、次は2008年のリーマンショックで首を切られた人もいます。
 常に景気の調整弁とされてきたのが就職氷河期世代です。

 しかし政府は就職氷河期世代を放置してきました。なんと20年以上も!

 スキルが足りなくとも、それは就職氷河期世代の責任ではありません。問題を放置し続けた政府と、景気の調整弁として氷河期世代を使い捨て続けた企業にこそ責任があります

 もし就職氷河期世代が使えない! と感じるなら、政府や企業こそ責められるべきでしょう。

就職氷河期世代の管理職事情

 就職氷河期世代の管理職が増加しており、やや辛口の評価もあるようです。なんでも「就職氷河期世代の管理職は使えない」のだとか。

 しかしこれには理由があります。

 バブル世代が引退すると管理職の席が大量に空きました。
 そこに全体数の少ない氷河期世代が座ります。氷河期世代の7~8割が管理職になる企業もあるそうです。

 そうなると当然、管理職に不適格な氷河期世代も管理職に就きます。これって就職氷河期世代のせいでしょうか?

 ちょっと考えればわかる問題を放置し続け、ろくにマネージメントもできていない企業の責任の方が大きいのではないですか。
 予見できる問題に対処していない上層部の無能さを、就職氷河期世代の責任に転嫁するのはやめてほしいものです。

まとめ

 政府と企業は就職氷河期世代を使い捨て続けてきました。2019年末に初めて、就職氷河期世代支援プログラムが始まりました。
 しかしこの就職氷河期世代支援プログラムの内容は、あまりたいしたものではありません。

 詳しくは以下の記事をどうぞ。

 企業は就職氷河期世代を使い勝手のいいコマと使い捨て、政府は問題を見て見ぬふりをして放置し続けました

 就職氷河期世代が使えない? 文句は政府や企業にこそ言うべきです。政府や企業の無能をこそ責めるべきではないでしょうか。

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2 Comments
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黄昏のタロ
4 月 前

お邪魔致しますです。

 教育係の存在と、内向きの生産性=コストカットもって視点もあるです。『即戦力』ってのが、それを裏付けてるのだろうと考えてるです。

 日本型雇用は、入社してから人材を育成する考え方にもなるかなと思います。コストカットで即戦力になる人材を求め教育に割く時間と人員を削ってしまったです。

 記事とリンクするのが教育係です。社内教育することで教育係が成長します。つまり、社内教育で育成される成長と、社内教育をする側の成長の、両方を奪ったのではないでしょうか。

 派遣に対しても、ビデオ研修で自分で学べとしている企業もあるそうです。入り口でこんな感じですから、上役の管理職の『人材』としての能力やスキルは、それなりだと思うです。