文章が読みにくくて損をしている。そんな人がたくさんいます。
せっかく内容のあるプレゼンでも、文章力がないために損をしています。
文章力は社会人にとって必須であり有用です。仕事でもプライベートでも、社会人にとって文章は身近なものです。
文章力を鍛えることは得しかありません。
現役のWebライターが、文章力を鍛える方法を解説します。自転車と一緒でできるようになると、一生もののスキルになりますよ。
文章力とは
そもそも文章力とは何かを知らないと、鍛えたりトレーニングしたりできません。知っているようで知らない文章力の定義を、理解することから始めましょう。
何のために文章を書くのか?
文章は目的があって書かれます。目的のない文章は存在しません。
- 伝えたい・知らせたい
- 訴求したい
- 共感してほしい
文章を書く目的は上記の3つです。「情報の伝達」「商品などの訴求」「経験などへの共感」が文章の目的です。
ここでは「とにかく何かを相手に伝えることが文章の目的」と考えてください。
相手に伝わることが文章力
文章の目的が相手に伝えることなら、相手に伝わる文章の書き方をできる力が文章力です。
せっかく面白い企画を立てても、プレゼンを聞いてもらえなければ実現しません。相手に頭の中身を100%伝えるのが文章力の役割です。
文章力の基本、ないし文章力がない人の特徴
文章力がない人の特徴を知ることで、文章力の基本がわかります。何ができないとつまずくのかを知れば、つまずく前に気づけますよ。
正しい日本語や句読点
文章で回りくどい表現は厳禁です。正しい日本語で簡潔に書くことが、伝わりやすい文章のコツです。
一文はできるだけ短く区切るように意識しましょう。一文が長くなると、難易度が跳ね上がるからです。
また適切に句読点を使用しましょう。読点を打つ場所は、音読して区切る場所です。読点が多すぎる文章は意味が通じにくくなりますから、注意しましょう。
文章力のない人は「表現が回りくどい」「一文が長い」「句読点が適切ではない」が顕著です。
接続詞は多用しない
接続詞を多用すると文章がわかりづらくなります。「また」「しかし」「けれども」などが特に多用されます。
意識しすぎて少なくなりすぎ、不自然になる場合も。バランス良く使用してくださいね。
結論を出してから書く
結論ファーストで文章を書きましょう。
PREP法と呼ばれる方法があります。伝えるための技術で、元々はプレゼンの手法です。この方法は文章でも活用できます。
- 結論やポイント
- 理由
- 具体的な事例
- 結論やポイント
上記の順序で文章を構成します。
結論のない話を聞くのはしんどいですよね。逆に結論から入れば相手を引き込めます。文章も端的にまとまりやすくなります。
文章力のない人は、ダラダラと理由を述べることから始めます。読んでいる人にとって苦痛でしかありません。
結論を先に書くことで伝わりやすくなりますよ。
根拠を示す
文章で訴えることの根拠や理由、原因を明確にしましょう。特に訴求する文章では必要です。
「どうしてこの商品があなたに必要なのか」を訴求するときに、その理由が不明瞭なら訴求力も弱くなります。
文章力のない人は根拠が薄弱なことが多いです。
漢字は3割に留める
読みやすい文章は「漢字3割、ひらがな7割」と言われています。
漢字の多すぎる文章は読みにくく、圧迫感があります。例えば難しい論文をあなたはスラスラと読めますか? きっと苦痛に感じるでしょう。
文章力を文章が難しいことだと勘違いしている人は、漢字の割合が多いです。読む人にとっては苦痛で読みづらいだけです。
「漢字3割、ひらがな7割」を意識するだけで、一段と読みやすい文章になります。
改行は小まめに
改行のない文章は読みづらいです。特にインターネットの文章で改行はとても重要です。
ときどき文字がひとかたまりになった、改行のない文章を見かけます。それで平気な人もいますが、平気じゃない人も何割かいます。
多くの人に伝えたいなら、平気じゃない人に合わせましょう。
紙媒体の改行が少ないのは、書くスペースに限りがあるからです。インターネットではスペースに限りがありません。
にもかかわらず、紙媒体に倣って改行をしない人がいます。読みにくいだけなのでやめましょう。
改行は数行に1回を意識してくださいね。適切に改行すると、ぐっと読みやすくなります。
箇条書きを活用する
箇条書きは文章の強い味方です。端的にはっきりと相手に伝えることができます。
箇条書きや表は大いに活用しましょう。加えてフロートチャートやグラフなどを使うと、よりビジュアル的にも伝わりやすくなります。
同じ語尾を繰り返さない
同じ語尾を繰り返すと幼稚に見えます。
今日はご飯を食べに行きました。喫茶店に入ってランチを食べました。とても美味しいハンバーグが入ってました。
上記の文章は何だか違和感がありますよね。同じ語尾が3連続しているからです。
今日はご飯を食べに行きました。喫茶店のランチです。とても美味しいハンバーグが入ってました。
「喫茶店~」の部分を変えただけで、ぐっと違和感が少なくなります。
あまりこだわるとハマるので、軽く意識する程度でOKですよ。
文章力の鍛え方
習うより慣れろとはよく言ったもの。文章力を鍛えるためには実践あるのみです。
文章力の鍛え方をいくつか紹介します。
ブログなどで毎日アウトプット
最初に思いつくのはブログです。ブログで文章を書くことは、とても良いトレーニングです。
文章力は文章の書き方の他に、構成の作り方にも影響されます。構成の作り方を学べるのもブログのメリットです。
構成は小説のプロットと一緒です。文章を書く前に組み立てておくと、文章に一貫性が出ます。
本を読む
本を読むことは、多くの文章に触れることです。できるだけ多くの文章に触れることで、アウトプットするための文章力も高まります。
ただ漫然と本を読むのではなく、読みやすい文章に出会ったらその理由を分析してください。読みにくい文章も同様です。
そうして分析すると、どう書けばいいのかわかってきます。
優れた文章を書き写す
優れた文章を書き写すことは、多くの気づきを与えてくれるでしょう。「なるほど、ここはこう表現するのか」と体得できます。
書き手の目線になることで文章構造が理解でき、表現方法も増えます。
プロの作家も推奨している方法の1つです。迂遠に感じますがやって損はありません。
テンプレートで型を覚える
文章にはテンプレートが存在します。これらのテンプレートを活用することで、文章の型を覚えられます。
代表的なテンプレートは「SDS法」「PREP法」「起承転結」「DESC法」などです。
テンプレートを覚えることは、将棋の定跡を覚えることに似ています。ある程度の文章力がある人なら上達の近道です。
Webライティング業務を請け負ってみる
筆者がおすすめしたい文章力の鍛え方は、Webライティング業務を請け負うことです。
Webライティングは初心者レベルからプロレベルまで、さまざまな業務があります。どの業務でもプロが成果物をチェックしてくれます。
アドバイスや修正依頼も珍しくありません。
こなしていくことで確実に、文章力は鍛えられます。
サグ―ワークス
手軽にWebライティング業務を請け負えるのがサグーワークスです。Webライティング専門のクラウドソーシングで、校正もプロがしてくれます。
ゲーム感覚で仕事を受注して時間内に書き終えるだけですから、気負う必要もありません。
クラウドワークス
日本最大のクラウドソーシング、クラウドワークスもおすすめです。Webライティングの業務は1文字0.1円~2円と幅広く、初心者でも業務を受けやすいでしょう。
サグ―ワークスとは異なりクライアントはさまざまです。いくつかのクライアントから受注してみて、自分に合っている業務を継続すると良いでしょう。
クラウディア
クラウディアはサグーワークスやクラウドワークスのように、競争率が激しくありません。クラウドソーシングにしては珍しく、時間給で支払われる業務も多いです。
安定して業務をとりつつ文章力を上げたい人向けです。
文章力トレーニングアプリは不要
文章力トレーニングアプリと称するアプリは不要です。いくつか試しましたが、文章力が鍛えられるとは思えません。
文章力を鍛えたいなら、アプリより推敲支援ツールの活用が有効です。書いた文章の誤りや修正点を、プログラムが指摘してくれます。
ブログなどアウトプットと併せて活用すると効果倍増です。
推敲支援ツールは有料と無料があります。基本的に有料のものが優秀ですが、費用をかけたくないなら無料から試してみましょう。
有料でおすすめしたい推敲支援ツールが「文賢」です。月々1980円かかりますが、学習コストとして考えれば高くはありません。1日あたり約60円です。
無料で高性能な推敲支援ツールは「Tomarigi」です。
青山学院大学が開発した推敲支援ツールで、無料にしてはとても高性能。
語順の解析や調整、読みやすさの評価まで可能です。
IMEと推敲支援ツールのセットならATOKがもっともおすすめです。有料で月額500円ですが、クラウドでの推敲支援ツールも利用できます。
文章力を上げるための本
文章力を上げるためにおすすめしたい本は3冊。
文章力を鍛えたい人に、最初におすすめする本が「20歳の自分に受けさせたい文章講義」です。読み物としても面白いので、読みながら文章力を向上させることができます。
内容は基本的なことが多いです。それだけに必ず抑えておきたい書籍です。
レビューも書いてますので参考にどうぞ。
文章力を論理的に鍛え上げるなら「沈黙のWebライティング」は外せない書籍です。
「沈黙のWebライティング」は物語形式でサクサク読めますが、内容は非常に濃いです。Webライティングに必要なすべてを詰め込んでいる、と言って過言ではありません。
特にブログの文章力アップや、Webライターを目指しているならおすすめです。
「“ふくしま式200字メソッド”で「書く力」は驚くほど伸びる!」はネット上で非常に評価の高い書籍です。
有名ブロガーが紹介していたり、口コミでも高評価が多かったり。
書くために必要な型について説明されて本です。 具体的な書き方が書いてあるため、真似しやすくすぐに実践にうつせます。 さあ、授業で反映させなければ!
口コミ
型から入ることは初級者にとって、もっとも大事なことです。将棋の定跡のようなものですね。もし読まれたらコメント欄で感想をくださいね。
まとめ
文章力を鍛えるのに必要なことは適切なインプットと、アウトプットをする機会です。
インプットだけで人間は成長しません。
アウトプットするときにこそ成長するそうです。
最後に筆者の個人的な経験からアドバイスします。
文章力とは「とにかく書きまくれば上手くなる」というものではありません。人に見られる文章を意識して、実際に人に見られて上手くなっていきます。
文章は伝えることが目的です。したがって、伝える相手がいなければ文章は完結しません。読ませる相手がいるからこそ文章力は鍛えられます。
これまで独学で文章力を鍛える方法を解説してきました。しかし「独学では不安」「誰かに教えてもらいたい」という人もいるでしょう。そういった人はセミナーや講習を受けるのも1つの手です。
人に習って文章力を鍛えるのも、文章力アップの方法の1つです。独学より教えてもらう方が上達も早いですよ。