三橋貴明×現代貨幣理論(MMT)のなれ初めは?本や動画も紹介

 今や現代貨幣理論(MMT)はスタンダードになり、多くの有識者が触れます。藤井聡氏、中野剛志氏、三橋貴明氏などの積極財政派のみならず、消極財政(緊縮財政)派も批判的に言及します。

 そんな現代貨幣理論(MMT)に、三橋貴明氏が触れたのはいつなのか? 三橋貴明×現代貨幣理論(MMT)をテーマに、深掘りして解説します。

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三橋貴明が現代貨幣理論(MMT)に触れた時期

 三橋貴明氏と言えば、現代貨幣理論(MMT)の論客の一人です。ステファニー・ケルトン教授の訪日を実現させるなど、精力的に活動しています。

「よほど早くから、現代貨幣理論(MMT)を知っていたに違いない! 地道な活動が、結実したんだろう」

 こんな印象を抱きます。しかし三橋貴明氏が現代貨幣理論(MMT)に触れたのは、非常に遅い時期でした。

2019年3月14日の記事でMMTに触れる

 三橋貴明氏が現代貨幣理論(MMT)にブログで触れたのは、2019年の3月14日の記事が初めてです。
参照 現代金融理論(MMT) | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」

 MMTer(MMT支持者や論者)にとって衝撃的だったので、今でも覚えています。加えて、思わず記事にもしています。

 ステファニー・ケルトン教授の訪日は、2019年7月です。いかに三橋貴明氏が、精力的に現代貨幣理論(MMT)に取り組んだかが理解できます。

完全に理解するまで言わないスタンス

 筆者は現代貨幣理論(MMT)に、2016年に初めて触れました。それに比べると、三橋貴明氏のブログでの言及は非常に遅く思えます。

 しかし三橋貴明氏は常々「完全に理解するまで、言及しません」と発言しています。現代貨幣理論(MMT)を完全に理解したのが、2019年と考えれば遅くはありません。

そもそも現代貨幣理論(MMT)が日本で紹介された時期は?

 現代貨幣理論(MMT)を日本で初めて紹介した書籍は、中野剛志氏の「富国と強兵」です。2016年12月に出版されました。

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 経済の専門サイトである「経済学101」では、もっと早くから触れていたようです。
参照 経済学101 — 経済学的思考を一般に広めることを目的とした非営利団体です

 筆者の参照によれば、2013年には「MMT」という言葉が登場しています。

三橋貴明と現代貨幣理論(MMT)の理論的親和性

 三橋貴明氏は現代貨幣理論(MMT)を学んだから、現在の主張をしているのではありません。現在の主張をしていたら、ほとんど同じことを現代貨幣理論(MMT)が言っていたという順序です。

 現代貨幣理論(MMT)は貨幣論側から、三橋貴明氏は会計学側から主に分析をしていました。

 三橋貴明氏や積極財政派にとって、現代貨幣理論(MMT)は渡りに船でした。現代貨幣理論(MMT)によって理論的な補強や、権威が得られます。

 少なくとも積極財政派の議論が、科学的である根拠となります。

三橋貴明のMMT本-知識0からわかるMMT入門

 三橋貴明氏が現代貨幣理論(MMT)に触れたのは、2019年の3月。とするとまだ、現代貨幣理論(MMT)の書籍は出していないのでしょうか? 出してはいるのですが、注意が必要な点も。

Amazonでは割高なので注意

 知識ゼロからわかるMMT入門[現代貨幣理論]が、三橋貴明氏の現代貨幣理論(MMT)の公式販売サイトです。

 現在は980円のところを、キャンペーンで550円に値下げされています。安く手に入れるチャンスですよ。

 なおAmazonでも、以下のように販売されています。ただしこれ、転売です。値段も高いので、購入するなら公式販売サイトからにしましょう。

目次を紹介

  • 【まえがき】MMTが明らかにする「不都合な真実」
  • 【第1章】貨幣の真相
    • 「現代貨幣理論」MMTの登場
    • アダムの罪
    • おカネとは債務と債権の記録である
    • アムステルダム銀行の発見
    • 銀行の誕生
    • イングランド銀行の画期的な仕組み
    • 信用創造=貨幣創出
  • 【第2章】黒船MMTがやってきた
    • 日銀当座預金と国債発行の真実
    • MMTという黒船
    • 統合政府とスペンディング・ファースト
    • プライマリーバランス黒字化目標の狂気
  • 【第3章】MMTが日本経済に与える影響
    • MMTとインフレ率
    • 財務省の”反論”資料
    • 統合政府のバランスシートとOMF
    • 日本に本物の財政破綻危機が「あった」時代
    • 日本は世界で最も財政余力が大きい

三橋貴明×MMTで視聴しておくべき5つの動画

 以下の動画は三橋貴明×現代貨幣理論(MMT)で、必ず視聴しておきたい動画です。

三橋貴明×現代貨幣理論(MMT)まとめ

  1. 三橋貴明氏が現代貨幣理論(MMT)にブログで触れたのは、2019年3月14日が初めて
  2. 日本で現代貨幣理論(MMT)を初めて紹介した書籍は、中野剛志氏の著書「富国と強兵」
  3. 三橋貴明氏の元々の主張が、現代貨幣理論(MMT)で補強、権威付けされた
  4. 三橋貴明氏もMMT本を出しているが、Amazonでは買わないように!
  5. これからも三橋貴明氏の活躍に期待!

 現代貨幣理論(MMT)は現在、肯定派と批判派に分かれて議論されています。肯定派の中でも、見解が異なることも。

 本格的に学ぶなら第一人者であり、権威であるL・ランダル・レイの著書がもっともおすすめですよ。

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Muse
3 年 前

>しかし三橋貴明氏は常々「完全に理解するまで、言及しません」と発言しています。現代貨幣理論(MMT)を完全に理解したのが、2019年と考えれば遅くはありません。

確かに仰る通りです。もし、中途半端な理解のままで言説を述べたら、なにかと難癖をつけて足を引っ張ろうとする輩ども(特に○○司のような、出鱈目な言説を振りまく似非保守言論人やその信奉者達)の格好の餌食になってしまうので、立派なスタンスだといえます。

ただ、三橋さんは、公開された客観的な経済指標に基づく経済論を展開する一方で、ばりばりの主観的な価値観に基づく言説も信念を持って語っています。典型的な例が皇統論。自分も同じ意見ですが、女性宮家創設の動きや女系天皇容認論に対して強い警戒心を抱き、男系男子皇統の維持や、そのための受け皿として、皇籍離脱した旧伏見宮11宮家の復帰を強く主張しています(皇統論についてはほとんど論じない表現者グループの言論人とは対照的)。

こうしてみると、ご本人は〇〇派とカテゴライズされるのを嫌っているようですが、自分から言わせれば、何よりも日本国家の歴史・伝統・文化を尊重する(良い意味での)保守派&ナショナリズムの言論人です。ただ、逆に男系皇統死守を主張する言論人であっても、グローバル化政策のオンパレードで日本国家と社会を破壊してきた安倍政権を礼賛する似非保守の乞食言論人どももワンサカいますが。

Reply to  高橋 聡
3 年 前

ただまあ、理解してから発言するのではなく、先に「巷で話題の○○について、現在勉強中なので発言は控えさせていただいております。もう少し待っててね」くらいのことを、あらかじめ言っておいてほしいと毎回思います。コロナ禍についても、三橋氏のスタンスがよく分かりません。分かってから発言するのはいいとして、「分からないとは言いたくない」という姿勢には少し不満を覚えてしまいます。

ヤンさんお勧めのアニメ「バナナフィッシュ」の視聴を先日終えました。大昔に読んだ漫画原作の方と印象は変わらないままでしたが、携帯端末とか今風に改変されていましたね。美女や美少女が出てこない、警察呼べよ、アッシュ・リンクスは人殺しすぎ(普通に終身刑か死刑)とか不満もいくつかあり、以前にご紹介いただいた「幼女戦記」の方が私の好みに合っていたように思います。

①ヴァイオレット・エヴァーガーデン
②Fate/Zero
③僕だけがいない街
④シュタインズ・ゲート
⑤冴えない彼女の育てかた
⑥本好きの下剋上
⑦りゅうおうのおしごと!
⑧ハイスコアガール
⑨俺の妹がこんなに可愛いわけがない
⑩オーバーロード

何か忘れている気もしますが、面白い深夜アニメを10作品挙げろと言われれば、私なら上記の感じになります。ジャンルがバラバラですが(笑)。

Muse
3 年 前

>知識ゼロからわかるMMT入門[現代貨幣理論]が、三橋貴明氏の現代貨幣理論(MMT)の公式販売サイトです。

550円で安いので、経営科学出版で注文しようとしたら、なんと支払い方法がクレジットカードのみ!当方の場合、クレジットカードの審査が100%通らないため注文できません。Amazonからの注文だと\2,480円もかかる。

なお、MMT関係の書籍としては、下記のものを購入・読破済みです。

・目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】(中野剛志 著)
・全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】(中野剛志 著)
・MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論(島倉原 著)
・MMT現代貨幣理論入門(L・ランダル・レイ 著)
・MMTによる令和「新」経済論: 現代貨幣理論の真実(藤井聡 著)

さて、知識ゼロからわかるMMT入門[現代貨幣理論]には上記の書籍にはない何か目新しい部分はありますか?もし、ないのであれば、あえて購入する必要もないかなと。