コロナで給付金10万円!消費税ゼロと経済効果を比較してみた

 コロナウイルスによる経済へのダメージは、避けられない情勢になっています。諸外国ではすでに、コロナウイルス対策費や経済対策として、大規模な支出を決定した国もあります。

 日本でもようやく、コロナウイルスへの経済対策が検討され始めました。国民1人あたりに、10万円の給付金を配る案も出ています。

 ちまたでは「給付金より消費税ゼロ!」「国民一律に配るより、必要な場所に重点的に!」など様々な議論があります。全部まとめて、比較して検証し解説します。

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コロナウイルスで10万円の現金給付金が検討

 国民1人10万円現金給付案を検討 TBS NEWSによれば、自民党内でコロナウイルスへの経済対策費30兆円が、検討されています。その中に、国民1人あたり給付金10万円の案もあるようです。

 コロナウイルスの経済ダメージへの対策予算ですから、以下のポイントを押さえることが必要です。

  1. コロナウイルスとの戦いが長期にわたること。少なくとも1年を想定
  2. 受けたダメージの再生は、すぐにはできないということ
  3. 感染拡大防止のための自粛要請と、消費拡大は両立しないこと

給付金10万円の予算額と経済効果

 給付金10万円が実現すると、予算額は約12兆円になります。消費性向が0.5、乗数効果が2として計算すると、経済効果は12兆円です。GDPの押し上げ効果は2%弱ほどでしょう。

 給付金だけでなく、残り18兆円の予算についての経済効果も試算してみましょう。報道では自民党で検討されている緊急予算は、所得移転などが多いようです。よって残り18兆円の経済効果も、18兆円ほどになります。
 GDPの押し上げ効果は、5~6%ほどでしょう。

コロナウイルスで想定しておくべき経済ダメージ

 一方でコロナウイルスの経済ダメージは、どれくらいでしょうか? 中国が1-3月期のGDPで、初めてのマイナス成長を記録する可能性が高いそうです。
 つまり年率で、6.5%程度あった成長率がゼロ以下になるのです。
 このことからコロナウイルスのダメージは、最低でも6.5%程度を想定しておくべきです。

 自民党の30兆円の緊急補正予算も、やや物足りないといえます。

国民1人あたり給付金10万円の期待できる効果

  1. 給付金で多少は、気持ちに余裕ができる?
  2. 個人消費のダメージが軽減される
  3. 安倍政権の人気上昇

 上記3のことが、給付金で期待される効果でしょう。10万円の給付金といいますが、コロナウイルスとの戦いは1年ほど想定されます。
 とすれば一月で8000円強の給付です。……少なくね?

自粛要請と給付金のダブルバインド

 コロナウイルスでは感染拡大防止のために、様々なイベントが自粛要請で中止されました。イベントや外出、消費行動の抑制や自粛はすなわち、経済活動の縮小です。

 はっきり申し上げると「経済活動を縮小しないで、感染拡大防止を達成する」のは、ほとんど不可能です。経済活動とは人の営みそのものです。コロナ拡大防止で「人の営みを制限する」のですから両立し得ないわけです。

 自粛要請と給付金は、アンビバレント――二律背反――なのです。自粛要請で「経済活動をするな」としておき、給付金で「消費をしろ」と促す。
 このような矛盾する2つの命令を受けると、国民はダブルバインドという状態になり混乱します。

 コロナウイルスで経済対策が難しいのは、上記のアンビバレントな部分です。

消費税ゼロと給付金10万円の効果の比較

 消費税減税も、議論に俎上に載っているようです。残念ながら麻生財務大臣などは、消費税減税に積極的ではないようですが……。

 現在、消費税の税収は22兆円弱/年となっています。一方で給付金10万円は、予算額で12兆円。効果としては消費税減税で、消費税ゼロの効果のほうが大きいです。

 しかも給付金は1回限りですが、消費税減税は持続します。経済対策の効果としては、消費税減税の方がベターでしょう。

給付金10万円か、ピンポイントで必要な部分に予算を配分するか?

 「給付金10万円ではなく、必要なところに重点的に予算を配分しろ!」という意見もあります。ダメージを受けている航空業界や観光業界などに、重点的に予算を配分するというものです。

 このような「AをやめてB」という付け替えは、議論としてバカバカしいです。なぜならコロナで経済ショックが起ころうとしており、需要が大幅に減少しているのです。予算を付け替えても、需要は増えません。
 つまり「AもBも予算をつける」ということが必要なのです。

 したがって「給付金を配りつつ、必要としている業界に予算をつける。なおかつ消費税を減税する」でもいいわけです。
 ちなみに「給付金+必要箇所に予算+消費税ゼロ」で50兆円強の予算になります。これでようやくコロナによる経済ダメージを、十全にカバーできる予算額だと思われます。

コロナウイルスの経済ダメージと給付金まとめ

 コロナウイルスによる経済のダメージは、数%ではすまない可能性が高いです。世界中の経済が停滞しますから、それだけでリーマンショック級です。

 リーマンショックのときは、アメリカも中国も財政出動しました。しかしコロナウイルス封じ込めはイコールで、経済活動の縮小です。したがって「コロナウイルスを封じ込めた後に、財政出動」というプロセスになるはずです。
 つまりリーマンショックより、ひどい状態になる可能性が高い。

 さらに日本経済は2019年の消費増税で、すでに経済ダメージを受けています。合算すると2020年のGDPがマイナス10%でも、驚くに値しません。
 仮に2020年のGDPがマイナス10%とすると、カバーするためには55兆円ほどの財政出動が必要です。

 日本政府は「経済がどの程度ダメージを受けるのか?」という試算を、数パターンという形で結構ですから示すべきではないでしょうか。

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