働き方改革!残業規制で仕事は増加、残業代還元なしで人件費は削減

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 「働き方改革が実施され、人件費削減だけ行われました!」というと驚くでしょうか? それとも「さもありなん」と頷くでしょうか。

 結論だけ先にいいましょう。危惧されていたとおり「残業は規制されて減少。仕事量はそのまま。時間内にこなしても報われない」になりました。残業代としてかかっていた人件費は、還元されなかったからです。

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働き方改革とはそもそも何か?

 働き方改革は2018年に成立しました。この法律は以下の3つが、建前上は柱です。

  1. 長時間労働の是正
  2. 正規・非正規の不合理な処遇差の解消
  3. 多様な働き方の実現

 上記3つを実現するために、厚労省では以下の7つを現実の取り組みとしています。

  1. 非正規雇用の待遇差改善
  2. 長時間労働の是正
  3. 柔軟な働き方ができる環境づくり
  4. ダイバーシティの推進
  5. 賃金引き上げと労働生産性向上
  6. 再就職支援と人材育成
  7. ハラスメント防止対策

 一見すると働き方改革はメリットばかりのように見えます。

働き方改革の成立前から指摘されていた「当たり前の問題点」

  1. 残業規制をしても、仕事量が減るわけではない
  2. 労働生産性の向上は、掛け声だけではなんともならない。投資が必要
  3. 賃金引き上げには売上と利益が必要

 残業規制をするには、限られた時間でいままでの仕事を終わらせなければなりません。したがって労働生産性の向上が求められます。
 労働生産性の向上には、設備投資か賃上げが必要です。なぜ最低賃金を引き上げると、労働生産性が上がるのか? は以下の記事参照。

 投資や賃上げをするには、売上が必要です。要するに民間では三すくみで身動きがとれないわけです。残業規制を実施した結果がどうなるか? 労働者やサラリーマンに「残業なしに、いままでの仕事量をこなせ」と押し付けられるだけの結果になります。

残業規制&残業代還元なしで人件費削減のワナ

 残業規制の実施+仕事量は一緒というコンボは、時間あたりの仕事量の増加に繋がります。しかも残業が規制されているので、今までもらえていた残業代はもらえません。

 就業時間内で頑張って、残業して終わらせていた仕事量を終わらせたとします。何かしらの報奨で、企業は報いてくれるのでしょうか?
 【悲報】働き方改革で減った残業代が、5割以上の大企業でまったく社員に還元されていなかった!(横山信弘)によれば、5割以上(記事中では86%と定義)の大企業が削減された残業代を還元していないようです。

 わかりやすく言いましょう。「残業規制を利用した、人件費削減」が行われています。数字にするとこうです。

仕事量(12時間分)/就業時間(8時間)=1.5倍の労働生産性(労働者への無理な要求)=残業代の削減(4時間分)

 労働者が出した成果に報いないのでは、労働意欲は落ちるばかりでしょう。労働生産性の向上どころか、逆の結果になりかねません。

サービス残業が持ち帰り残業になった

 今まではサービス残業として、社内で目に見えていました。しかし残業規制により「持ち帰り残業」が増加しているようです。
 残業のステルス化が進んでいます。サービス残業はまだ、職場での残業でした。持ち帰り残業はなお、たちが悪いのではないでしょうか?

 残業規制で残業代が減り、若い世代のモチベーションダウンも懸念されています。中には「残業代を当てにしていたのに」と、生活すら危ぶまれる人もいるそうです。

 若い世代や非管理職のモチベーション低下は、管理職への負担を急激に増やします。管理職は労働基準法が、労働時間等で適用されないからです。
 そして現代は、7割が課長になれない時代です。課長への出世は、狭き門なのです。

 とすると「管理職なんかになりたくない」という社員が増えるのも、やむを得ません。
 残業規制と残業代の還元なし問題は、残業のステルス化で「臭いものに蓋」をしているだけといえます。

「正しい働き方改革」はまず政府から!

 公務員は地方・国家に関わらず、残業代が出ないことがあるそうです。その年度の予算がすでに決められており、予算額を超過すると残業代が出せないのです。
 また公務員は基本給が低いため、残業代でいかに稼ぐか? という考えの人も多いようです。

 公務員では地方で30%、国家で25%が非正規雇用です。

 これらの現状を考えると、国家や地方自治体が率先して「非正規雇用と正規雇用の格差是正」「長時間労働の是正」「賃金のアップ」などをするべきでしょう。
 逆に地方や国家がブラックなのに、民間がホワイトになるはずがありません。

 行政が隗より始めよと、手本を示すべきです。

まとめ 本当の生産性向上とは

 営利団体や企業とは、本能として利益を求めます。したがって企業にとっての「良い人材」とは、利益の出せる人材です。
 利益の出せる人材には、2種類あります。

  1. 普通の人が100しか出せないところを、120出す人
  2. 普通の人が100の成果で100の賃金のところを、100の成果で80の賃金で働く人

 残業規制されればこれ幸いと、残業代を還元せずににいままでの仕事をさせる企業が大半です。なぜこのような状態になるのか? 国家全体として「需要がなく、したがって生産性が低いから」です。

 生産性とは、最終的には金額で計られます。値段が上がれば、生産性も上がります。値段は何で決まるのか? 需要と供給でしょう。需要が多く、供給が少なければ値段は上がります。
 需要がなければ、どのように働き、どのような商品を生み出しても生産性は低いままです。

 なぜ需要が少ないのか? 日本という国家自体が、緊縮財政をしているからです。

 本当の働き方改革とは、積極財政よりはじめなければなりません。

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黄昏のタロ

お邪魔いたしますです。

 同一労働同一賃金も、派遣の元請けの取り分が増えるだけじゃないの?って思い始めてるです。リストラをする企業が増えてるのは、労働に対する賃金の見直しなのかなとも。

ギン

現状を的確に指摘している記事だなと感じました。
削減分を還元されない労働者から会社側に働きかけるとしたら、どのような行動を取ればいいでしょうか。

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