ネットではデマが多い。これは事実です。デマに対するカウンターや、良質な記事ももちろん存在します。
弁護士大量懲戒請求事件も大きなデマでしたが、私が肌身で感じたのは2015年7月9日期限の、在日コリアン強制送還デマです。
在日コリアン強制送還デマの詳細と、事件の経緯を振り返ってみたいと思います。
デマの対象となった、新たな在留管理制度の導入
デマの対象となったのは、新たな在留管理制度です。
特別永住者、つまり在日コリアンの在留資格を、「外国人登録証明書」から「特別永住者証明書」へ切り替えを行う。この部分がデマの対象となりました。
この法案は簡単にいえば、在留管理制度の簡素化です。複雑に入り組んでいたものを、シンプルにする目的だったかと思います。
ですので同時に、外国人登録制度も廃止されています。
新たな在留管理制度の改正。これは民主党政権の2009年に改正されました。
特別永住者については2012年7月9日から施行。切り替え期限が2015年7月8日まででした。
2012年7月9日も、まだ民主党政権です。
ネトウヨが広めた、在日コリアン強制送還デマの内容
在日コリアン強制送還デマの内容は、こうです。
新たな在留管理制度によって、2015年7月9日に在日コリアンは在留資格を失い、不法滞在となる。したがって7月9日以降に、在日コリアンを入管に通報すれば即国外退去になる。
その理由は韓国兵役法に、在日コリアンは違反している。したがってパスポートが発行されない。よって特別永住者証明書に切り替えができない。だから不法滞在になる。
おおよそ、上記のような感じです。
通報する人のリストまで出回りました。入管のサーバーは、大量の通報によってダウンしたようです。
当然単なるデマですから、通報しても意味なんかありません。
しかし多くのネトウヨがデマを信じ、通報したようです。
少し事実関係を説明しますと、在日コリアン2世は韓国兵役法の対象外です。理由書を添えれば、パスポートがなくても特別永住者証明書へ切替可能でした。
余命三年時事日記が火元らしく、ネトウヨブログはお祭り状態
いくつかのネトウヨブログを当時、ウォッチしてました。
まるで、お祭り騒ぎのような空気でした。
ネトウヨが大好きな「余命3年時事日記」は、自覚的にデマを流すデマブログ – パプキム天国によれば、Googleの期間指定検索を利用して調べたようです。
火元ないし先鋒は、余命三年時事日記だったようです。ネトウヨブログのカリスマです。
ブログランキングに参加しているネトウヨブログも、このデマを拡散していました。
一時的に行政である、入管のサーバーがダウンするのですから、通報は「数千件レベル以上/1H」だったのではないでしょうか?
当ブログのレンタルサーバーのしょぼいプランでも、700PV/1H程度では、びくともしないはずです。多分……(笑)
※月100万PV(1400PV/1H)で、理論値的にはいっぱいいっぱいなはず。多分……(笑)
推測ですが数万件以上の「通報」が、ネトウヨからあったのでは? と考えています。
新たな在留管理制度は、民主党政権で可決されてる件
余談ですがネトウヨによれば、民主党政権は「反日で、最悪の政権だった」とのことです。
……新たな在留管理制度は、民主党政権の産物です。
なぜそれが「在日朝鮮人を強制送還できる法律だ!」というデマになるのでしょう。
多分、当時は「愛国自民党が仕込んだ罠」とでも、変換していたのではないでしょうか。
私が知るネトウヨブログでは、◯◯さんが言っていた! 間違いない! と煽っていました。
新たな在留管理制度は、Wikipediaにも掲載されています。なぜ調べないのか。
古谷経衡さんによれば、「ネトウヨのデマは、誰かがこう言っていた」から発生するのだそうです。発生元はブログ、有識者、雑誌と様々だそうです。
デマに踊らされない、ネット社会での情報の取捨選択の仕方
現在はネット社会です。情報は氾濫しています。
デマに踊らされず、情報を取捨選択するために、以下のことを守ってみてはいかがでしょう?
- 事実関係を、確認する
- 報道やブログ、Twitterなどの「主張」は参考程度に
- 情報の真偽が判明しないときは、反対側の意見も見て判断する
事実の確認は、非常に重要です。
例えば2015年7月の、ネトウヨの立場になって考えてみます。
私ならまず、新たな在留管理制度のWikipediaを確認します。また、韓国の兵役法の確認も必要でしょう。
新たな在留管理制度が民主党政権で成立した。この一事だけで「あれ? デマじゃね?」となるはずです。
実際に通報をしなかった、マイルドネトウヨを含めても在日コリアン強制送還デマは、数万人以上が信じていたのではないでしょうか。
下手をすれば、数十万人が信じていた可能性もあります。
デマは大変、恐ろしいものです。
もしかしたら次は、自分が「デマの対象」になるかも知れません。
お邪魔いたしますです。
> 古谷経衡さんによれば、「ネトウヨのデマは、誰かがこう言っていた」から発生するのだそうです。発生元はブログ、有識者、雑誌と様々だそうです。
毒親はこれです。正にこれです。デマとか何気ない発言を信じるくせに、騙されないです。とても不思議です。毒親がネットを始めたら間違いなく粗悪なネトウヨになると確信しています。
10%は居るのではと言われる発達障害。ボーダーも含めると20%近いのではっても言われてるです。2-6-2の法則とかの『経験則』と合致するのではないかと考えています。
> 新たな在留管理制度が民主党政権で成立した。この一事だけで「あれ? デマじゃね?」となるはずです。
毒親は発達障害の「LD」に分類されそうです。まず、この確認をしない。さらには確認したところでデマに結び付かなかったりします。
「国税は税金さえ払えば延滞金は何とかなる」→¥1,000以下ならって条件がありますよね。延滞金をほったらかしやがって26万円も払わされたです。
>2.報道やブログ、Twitterなどの「主張」は参考程度に
こういう風に柔軟に受け取る事が出来ないみたいです。真偽の二択のみ。「偽」を選べば事実でも信じない。「真」ならデマでも信じちゃう。参考は存在しない。
しれっと愚痴をこぼしてるよーな。
これからどうなっていくのか判らないですが、呼び掛けなどの努力が届かない人が実在してるです。そういった人々とどう向き合って行くことになるんでしょうか。自己責任なんでしょうね。
ご家族だと、なかなか難しい問題ですね。
私は毎日記事を書いていますが、例えばそれで安倍政権支持者が、不支持に変わるか? と聞かれると「多分NOでしょう」と思ってます。
「正しいから広まる」なんて、歴史を見ても幻想です。
※仮に私の言説が真だとしたら、ですが(汗)
中野剛志さんの「日本の没落」という、シュペングラー(西洋の没落)の研究本があります。これによればシュペングラーは、こう書いたそうです。
――日本の没落 P278――
われわれは、この時代に生まれたのであり、そしてわれわれに定められているこの終局への道を勇敢に歩まなければならない。これ以外に道はない。希望がなくても、救いがなくても、絶望的な持ち場で頑張り通すのが義務なのだ。ポンペイの城門の前でその遺骸が発見された、あのローマ兵士のように頑張り通すことこそが。――彼が死んだのはヴェスビオ火山の噴火のときに、人びとが彼の見張りを交代させてやるのを忘れていたためであった。これが偉大さであり、これが血すじの良さというものである。この誠実な最後は、人間から取り上げることのできない、ただひとつのものである。
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この文章は「結果(他人に影響を及ぼす)」ではなく「自分がどうあるか? どう生きて、どう死ぬか」を問いかけているように思います。
印象に残っていたので、引用してみました。
>この文章は「結果(他人に影響を及ぼす)」ではなく「自分がどうあるか? どう生きて、どう死ぬか」を問いかけているように思います。
それが、保守(態度・生き様)ですか。
結局、物事と言うのは、突き詰めていっちゃえば最後はこうなっちゃうんでしょうね。なにごとも・・。
そしてなんだかんだで結局は、それこそがもっとも、他者に影響を与えるんでしょうね・・・。
あとは、天のみぞ知る。でしょうかね。
吉田松陰も、まさか自分の存命中には、まさか、自分の立ち上げた小さな私塾が幕府を倒すキーになるとは、夢にも思わなかったでしょうし・・。
吉田松陰も、できれば存命中にそういうことを知りたかったでしょうけどね・・。
保守かどうか? はともかく、人間としての態度のように感じます。
……保守って、(誠実な、血すじの良い)人間なのかも知れないですね。言ってて、気が付きました(笑)
吉田松陰は、色々と評価が分かれる人ですよね。
しかし稀有な思想家であった。これは間違いのないところだと思います。
吉田松陰ってどうやって、「狂の精神」までたどり着いたのか……私にはまだ、理解ができません。
吉田松陰の言葉を、またも引用します。婦人のように見えると言われて……
「婦人。そうですか。私はそのような自分であることを望み、そのように自分を教育しているのです。人生において大事をなさんとする者は、和気がなければなりませぬ。温然たること、婦人、好女のごとし」
↑College Life ~今を生きろ~ 吉田松陰から学ぶ「狂」の精神『世に棲む日々』(1)
http://matto.blog2.fc2.com/blog-entry-782.html
私はこれさっき、知りました(笑)調べてて(笑)
吉田松陰、すごい。
吉田松陰をたどっていくと……すげーんです。明日の記事、じつは吉田松陰だったり……(汗)
はじめまして。
いつも拝読しています。
とても読みやすくネトウヨの批判を理論的に書いてある秀逸なブログだと思っています。
ただひとつだけ指摘させていただきます。
ウィキペディアは不特定多数が編集し情報精度は低いのでソースとしては不適切です。
在日特権などのデマの記事もありますし、悪意が無くても間違った情報を記入する人もいます。
はじめまして。秀逸とおっしゃっていただくと、嬉しいやら恐縮するやら(笑)
ご忠告、ありがとうございます。
私も「全部信頼しているわけではない」ので、ご安心ください。
……流石に法律関係などは、大丈夫だと思うのですよ(笑)