まとめ-れいわ新選組とは?支持率・公約・重度障害者議員etc

れいわ新撰組の公約-永田町恐怖新聞(山本太郎)より

 2019年7月の参院選で、台風の目となったれいわ新選組と、山本太郎さん。様々な情報が出ていいますが、まとめている記事を見かけません

 政治経済をブログで書いて8年の私も、れいわ新選組には注目しています。重要度が高いと思われる情報を、全てまとめてしまいます。

 最後には「今後のれいわ新選組が、どうなっていくのか?」について、所見を述べます。

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れいわ新選組の略歴とはどんなもの?

 れいわ新選組は、2019年4月1日に旗揚げされました。旗揚げ当時は、山本太郎さん1人でしたが、かなり大きめに報道で扱われたと記憶してます。
 政治活動の仕方が、独特だったという理由もあるでしょう。国民からの寄付で、政治資金を募る手法は新しいものでした。

 SNSや動画などで、れいわ新選組は話題になります。私も、何度かブログで取り上げています。なぜそんなに話題になったのか? は、後述する公約が理由です。
 国民の生活目線の公約と姿勢がSNSやネットで受け入れられたのです。

 7月21日の参院選で、重度障害者である船後靖彦議員、木村英子議員の2名が当選します。
 明治から数えても初めての、障害者の国会議員の誕生はまたも大きな話題になります。

 国会のバリアフリー化、国費による両議院への介助費用の当面の補助、ALSなどの重度障害者の支援分身ロボットOriHime(オリヒメ)の要望など。
 参院選の与党の勝利が、霞むような話題が多く議論されました。

 山本太郎代表は9月18日から、全国ツアーです。北海道から始めるようですが、道内だけで10日間をかけるようです。
 街頭演説だけでなく、有権者との意見交換会もあるようです。
 我が大阪に来てくれるのは、いつになるやら……。

山本太郎代表、船後靖彦議員、木村英子議員の略歴と変遷

短い方
長い方のダイジェスト。本当に長いのは2時間以上の演説と受け答えになります。

 政治家以前の山本太郎さんは、俳優です。高校生でテレビデビューし、バラエティに出演するも、タレントとしては目が出なかったようです。
 俳優として、独特の演技と雰囲気で地位を確立していきます。

 政治家としての山本太郎さんは、2011年から始まります。東日本大震災の原発事故が、政治活動の始まりでした。
 2012年の衆院選で反原発、反TPPを掲げて無所属で出馬するも、次点で落選。
 2013年の参院選で、東京から無所属で出馬し初当選。

 その後は小沢一郎議員の生活の党に身を寄せ、政治を勉強していたようです。
 2019年4月1日に、れいわ新選組を旗揚げし、現在に至ります。

 2012年当時は反原発のみの印象でしたが、現在では政策 | れいわ新選組を見ると、反原発の優先順位が下がっていることに気が付きます。
 山本太郎代表の演説動画(長いもの)も見ましたが、相当に経済も政治も勉強されています。

船後靖彦議員の略歴とは

船後靖彦議員と山本太郎のツーショット

 船後靖彦議員は41歳まで、貿易会社の会社員でした。41歳でALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。この病気は宇宙学で有名な、ホーキング博士が患ったものと同じです。

 講演活動や大学での非常勤講師を努めたり、看護・介護サービス事業会社「株式会社アース」を立ち上げて社長業をしたり、重度障害者でありながら積極的に活動されています。
 1957年生まれで、2019年で62歳だそうです。

 2019年の参院選で、れいわ新選組から立候補し初当選を果たします。

木村英子議員の略歴とは

木村英子議員と山本太郎のツーショット

 木村英子議員は1965年、生後8ヶ月で、転落によって重度の身体障害を患います。高校を卒業した後に養護施設や家族による介護を断り、19歳で自立生活をはじめます。

 1994年、29歳のときに東京多摩市にて「自立ステーションつばさ」を設立し、障害者支援や障害者運動に携わるようになりました。

 2019年の参院選で、れいわ新選組から立候補し、船後靖彦議員とともに初当選を果たします。

参院選での得票数と現在の支持率

 8月中旬の、共同通信による世論調査では、れいわ新選組の支持率は4.3%です。この支持率は、長い歴史を持つ共産党と並ぶ支持率であり、野党では同順2位の支持率です。
※1位は立憲民主党。

 参院選での総得票数は比例で4.55%と、国民民主党の6.9%と比較できるほどです。また、政党名での投票は2.4%だったようです。

 報道によれば、若者の支持が多いとのこと。
 これからのれいわ新選組の活動が、非常に楽しみです。後述しますが、支持が広がる可能性は「非常に高い」と、私は考えています。

れいわ新選組の公約と特徴とは

 最初に結論を言いますと、非常に国民の生活目線の公約が多い印象です。また、原発関連の公約は、優先順位を下げているようです。
 山本太郎代表はリベラルと目されがちですが、公約の中には保守的なものもあります。
 重要だと思われるものだけ、抜き出します。

  • 消費税廃止
  • 最低賃金1500円
  • 公務員を増やす
  • 一次産業(農林水産業)を保護する戸別所得補償
  • 国土強靭化で防災・減災-コンクリートも人も
  • 真の独立国家を目指す-日米地位協定の改定
  • とんでも法案の見直し・廃止-TPPや水道事業民営化、種子法改悪

 他にも奨学金をチャラにする、安い家賃で住めるように補助するなどが掲げられています。
 詳しくは政策 | れいわ新選組を、ご覧ください。

れいわ新選組の特徴その1 現代貨幣理論(MMT)の採用

 れいわ新選組の政策の特徴は、緊縮財政主義ではないことです。なぜか? 日本で初めて、現代貨幣理論(MMT)を採用した政党だからです。
 れいわ新選組のブレーンといわれる松尾匡さんは、L・ランダル・レイの著作「MMT現代貨幣理論入門」を中野剛志さんとともに解説してます。
 私もこの著作を現在、読んでいる最中です。

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 現在デフレの日本では、積極財政が求められています。れいわ新選組が掲げるように、消費税の廃止や公務員の増員、最低賃金1500円などです。
 また災害大国の日本では、国土強靭化と防災・減災も重要です。

 なお最低賃金について、1500円は決して高くありません。正規労働者(正社員)の平均賃金は1600円です。

 海外では「賃金の引き上げが、生産性を上げる」ということが、統計的にも実証的にも証明されています。
 公務員についても、日本は「人口あたりの公務員が、非常に少ない国」です。増やして、なんの問題もありません。

 れいわ新選組は日本で初めての、積極財政を掲げる政党と言えます。

れいわ新選組の特徴その2 反グローバリズム政党だ

 グローバリズムが格差を拡大させるのは、トマ・ピケティの「21世紀の資本」からも明白です。国民の生活を大事にしようとすると、反グローバリズムになるのは必然です。

 TPPや水道事業民営化、カジノ法案、種子法改正などは、グローバリズム政策です。例えば水道事業民営化は、外国資本へ水を売り渡したと言えます。

 また日本の農林水産業は年々、衰退しています。なぜか? 欧米などに比べて、日本の農業の保護が「非常に薄いから」です。
 自国の農林水産業を保護して、食料自給率を高めるのは先進国では常識です。

れいわ新選組の特徴その3 保守的な国家観が見える

 真の独立国家を目指すという政策は、非常に保守思想に則った政策といえます。そのために日米地位協定を改定する、とのことです。

 日米地位協定とは、どのようなものでしょう? 端的にいえば「アメリカが在日米軍基地を建設したいと言ったら、日本は合理的理由がないと断れない」というものです。
 日本には許可、拒否をする権限がないのです。

 もっと踏み込めば、アメリカの政治学者の一部は日本を「保護領・属国」とストレートに言います。属国と思っていないのは、日本だけです。

 緊縮財政やグローバリズムから抜け出すにも、アメリカとの折衝が必要なんて冗談じゃありません。そのための「真の独立国家を目指す」なのでしょう。

れいわ新選組の選挙と寄付、そしてポピュリズム批判

 上述したように、れいわ新選組の政治姿勢は「日本のことは、日本国民で決めさせろ」「国民目線の政治をしろ」です。
 この姿勢は、政治活動にも現れています。

 れいわ新選組の政治活動で、最も驚くべきは「参院選の費用を、国民の寄付で賄った」ということでしょう。
 参院選の当日時点で、寄付金は4億円を超えたようです。
 庶民目線での政治姿勢と山本太郎代表の人柄が、多くの共感を呼んだのだと思います。

 街頭演説も、特徴的でした。まるで意見交換会や集会のように、聴衆からの質問にも丁寧に答えていました。
 今まで街頭演説といえば、一方的に候補者がしゃべるだけだったので、非常に新しいのではないでしょうか?

 れいわ新選組はしばしば、ポピュリズムではないか? と批判されます。日本でポピュリズムは「衆愚政治」という意味合いが込められています。
 しかしポピュリズムとは、直訳すれば「人民主義」であり「民主主義の根幹」です。

 日本では「緊縮財政で国民を痛めつける政治」でないと、ポピュリズムと言われるようです。「国民や庶民の生活目線なんて、ポピュリズムだ!」というわけ。

れいわ新選組の参院選とテレビ

 参院選前、テレビは一向にれいわ新選組を取り上げませんでした。これに対して支持者からは「なぜテレビで、れいわ新選組を取り上げないんだ!」という不満が聞かれました。

 じつはこれ、テレビの枠の問題だそうです。政党要件を満たしていない政党を、どこか1つでも取り上げると、他も公平に扱わないといけないそうです。
 ですのでテレビでは政党要件のあるなしが、放送するかどうか? の基準だそうです。

 次回の衆院選は、遅くても2021年です。安倍政権はレームダック化を嫌って、来年にでも解散総選挙をするかも知れません。

 れいわ新選組は現在、政党要件を満たしていますので、次はテレビで放送されるはずです。
 次の衆院選が、れいわ新選組の党勢拡大のチャンスになるでしょう。

れいわ新選組の支持は拡大していくか

 最後に「れいわ新選組は、今後の支持を広げていけるかどうか?」の所見を述べたいと思います。
 結論から言えば、支持拡大の可能性は大きいと考えています。

 いくつかの理由があります。

  1. 日本の格差社会化が、かなりの酷さになっている
  2. 既成政党では、積極財政の主張は難しい
  3. 欧州では、反グローバリズム政党が党勢拡大をしている

 日本のアンダークラス(ネットで下級国民と自虐する層)は、就業者の6人に1人に達しています。
※主婦パートを入れれば、4人に1人。
 アンダークラスの平均年収は、186万円。

 新中間階級と呼ばれる層と比べると、時給換算で2倍以上の開きがあります。格差社会は年々、日本において拡大しているのです。

 欧州では現在、反グローバリズム政党が党勢を拡大しています。なぜか? 2008年のリーマン・ショック以降、移民の拡大や失業率が大問題になったからです。
 日本もまた、移民拡大にかじを切りました。格差も広がっています。
 少なくとも今後10年で、欧州と同じ状況を迎える可能性が高い。

 そして既成政党では、上記の問題には対応できないでしょう。過去に主張してきた政策を、そう簡単には転換・ピボットが難しいからです。

 れいわ新選組が出てくるまで、グローバリズムと消費税に反対していたのは共産党だけでした。
 しかしその共産党も、積極財政は肯定してきませんでした。

 個人的に、れいわ新選組には非常に期待しています。
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プロフェッサーカオス
4 年 前

太郎の主義を簡潔に表すなら生活第一主義

日本経済。庶民の現段階の生活状況、この2点から見ても生活第一主義が政治的案件の第一位の優先順位に来る

仮に、このような状況ではなくても、庶民の生活の優先順位は高く、生活に焦点を当てるのは真っ当な政治案件

そもそも政治なんざ、庶民の生活と防衛ぐらいが常に二大案件であり続けるもんだ
まあ時代が移り変わり、今は危険の国も減ったから、防衛も今や案件になりにくいが。一方当の日本は危険な国が常に隣国の国だからアレだが

富国強兵の立場に立ったとしても、経済の基本は消費であるため、というか経済という言葉自体に巡り巡った富

という意味があるため、仮に悪い意味でのポリュリズムだろうな人気取りだろうが、真っ当な主張ということになる
生活を豊かにする 事と 消費させる事は厳密な意味は異なるが、着地点は同じだ

また真っ当な政治的主張で人気取りをするのと
ハシゲやアベのような悪い意味でのポピュリストとは、人気取りの意味が異なる

まともな主張で人気が出るのはむしろいい傾向
マトモな国民が多い事にもなる

怪しい愛国心を利用するポピリュズムとは正当性が異なる

事の本質が何も見えていない意味のないレッテル貼り、悪意のレッテル貼りでしかない
まあネトウヨのようなゴミにレッテルを貼るのは何のためらいもないが・・・実際、大量生産型ネトウヨが多いのは事実だしw

太郎の主張は最もまともである、国際レベルでも通用するもの。ホンモノの民主主義における政治家と言える
根底に愛や慈悲もある。バラエティタレントとして売出し中の頃は、チンピラキャラだったんだけどなw
太郎自身も過去のチンピラキャラをたまに自虐ネタで使うがw