アンダークラスとは?日本の格差社会と貧困は階級社会の到来か

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 アンダークラスという言葉を、報道でも見かけるようになりました。ネットでは下級国民や下流国民と、表現されます。
 逆に富裕な層を、ネット上では上級国民と呼びます。

 アンダークラスの定義と割合、そして実態を解説します。実態を見ていくと、日本の格差社会――私はもはや階級社会とすら呼べると思いますが――は、相当ひどいことになっています。

 しかし政治では、特に労働者の貧困が取り上げられることは少ない。また世論でも、アンダークラスからの氾濫の声はない。なぜか? これも最後に、仮説を立ててみます。

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日本で現れた下級国民、アンダークラスとは

 アンダークラスの定義とは、「パート主婦や有期契約の専門職や管理職を除いた非正規雇用労働者」です。
 就業者数の15%を占め、平均年収は186万円です。後述しますが、平均労働時間は正規社員とあまり変わりません。

 相対貧困率という定義があります。国民の平均年収の半分以下の年収が、貧困層であるという定義です。
 この割合はおおよそ15~16%となり、アンダークラスと重なっていることが理解できます。

 相対貧困率は1997年で14%弱ほど、2017年で16%強です。「なんだ、たったの2%しか上がってないじゃないか」と思われるかも知れません。
 しかし1997年の平均年収は470万円弱、現在は420万円ほどです。
 相対貧困率の定義は、平均年収の半分以下となっていますから「貧困層に数えられる数値そのものが、下がってしまっている」のです。

 1997年の貧困層と、現在の貧困層では単純計算で、25万円ほどもの年収の開きがあることになります。
 1997年レベルで現在を見ると、日本の貧困層は「もっと増えている」と解釈できるでしょう。

階級ごとに見た平均労働時間と年収の格差

 「アンダークラス」増加という危機 格差拡大は社会に何をもたらすか – 特集 – 情報労連リポートを参照します。アンダークラスと、最もボリュームの多い正規労働者・新中間階級の労働時間と年収を比べてみましょう。

新中間階級正規労働者アンダークラス
就業者に占める割合20.6%35.1%14.9%
平均年収499万円370万円186万円
毎週の労働時間43.4時間44.5時間36.3時間
月収換算41.6万円30.8万円15.5万円
時給約2200円約1600円約980円

※アンダークラスに主婦パート12.6%を加えると、27.5%ほどが非正規雇用となっている。上記は主婦パートを抜いた数字
※新中間階級は管理職・専門職・上級事務職
※その他の旧中間階級(自営業)が約13%、資本家階級が約4%

 アンダークラスの生活の苦しさが、理解できるのではないでしょうか。実際の生活を、アンダークラスの平均所得でシミュレーションしてみましょう。
※社会保険、失業保険は除外
一人暮らしの食費平均は?毎月の生活費を減らすコツ・賃貸物件選びを伝授|ニフティ不動産も参照

  1. 所得税率5%で、約8000円→残額14.8万円
  2. 家賃6万円→残額8.8万円
  3. 光熱費・水道費7000→残額8.1万円
  4. 携帯料金(平均値から算出)7000円→残額7.4万円
  5. 食費3万円→残額4.4万円
  6. 雑費1.4万円→残額3万円

 ギリギリですね。交通費などを入れると、もはやカツカツです。
 2016年の首都圏での調査によれば、正規労働者の約3倍のアンダークラスが、うつ病等の診断や治療を受けているそうです。

OECD41カ国中、ワースト8位の格差社会

 日本がはまり込んだ深刻な「貧富格差」の現実によれば、日本はOECD41カ国中、ワースト8位の格差社会とのことです。
 同じくOECDの指摘によれば、格差社会は経済成長を阻害するとのこと。

 格差社会が経済成長を阻害する要因は、2つあります。

  1. 格差の固定化と世代化
  2. 貧困層と富裕層の、消費性向の違い

 格差の固定化は、貧困層が婚姻し、出産しても教育格差が出ることで発生します。また貧困層から抜け出すことは、なかなか容易ではありません。

 そして貧困層は所得が低いため、消費性向が高くなります。富裕層は、消費性向が低くなります。
 しかし格差の問題とは、富裕層への富の集中でもあります。
 したがって全体としてみると、富の集中した富裕層がお金を落とさない。よって需要は活発化しないので、経済成長も阻害されるというわけ。

 また日本がOECDで、格差がワースト8位なのは「所得の再分配機能が働いていない」という理由もあるでしょう。

OECDの国際比較を見ても、日本は税による所得再分配がほとんど行われていません。社会保険制度の再分配機能も必ずしも大きくありません。

「アンダークラス」増加という危機 格差拡大は社会に何をもたらすか – 特集 – 情報労連リポート

こんな国家に誰がした!アンダークラスが声を上げられないわけ

 平均月収が手取りで、15万円未満。生活はギリギリ。ではなぜ、アンダークラスは声を上げられないのでしょう。
 いくつか理由が考えられます。

  1. 自己責任論の蔓延と、間違った個人主義
  2. 現実逃避し続けた政府と国民
  3. 日々の暮らしにかつかつで、余裕がない

 本来の個人主義は「個人の権利と自由を尊重する」ことです。自分の権利も、他人の権利も尊重するのが個人主義です。利己主義とは、全くの別物です。
 日本にはびこっている「個人主義」は、利己主義です。

 ゆえに「自己責任を振りかざして、弱者を放置する」となります。「貧乏なのは自己責任!」というわけです。

 さらに日本は、格差問題が出てきてから現実逃避し続けました。格差・貧困に背を向けた結果、日本は「階級社会」に突入していた(橋本 健二) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)によれば、1980年代から格差は拡大し始めました。
 1990年代には、一部の社会学者などが指摘し始めます。本格的に指摘されたのは、2000年代初頭でしょう。
 しかし政府も国民も財界も、数十年も問題を無視し続けました。

 こうして現在に至ります。すでにアンダークラスの生活は、非常に厳しい。6人に1人が、貧困にあえいでいます。
 日々の暮らしに余裕がない中で、声があげられるでしょうか?

 アンダークラスは、それでも声を上げねばなりません。
「こんな国家に、誰がした!」

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Muse

>アンダークラスは、それでも声を上げねばなりません。
「こんな国家に、誰がした!」

ただ各人が現場で一人で声を上げたところで無力だし、労働組合も非正規雇用者にとっては役立たずのしろものだし、やはり、こういったアンダークラスの人々の声を糾合して国政に反映させる政治勢力がどうしても必要です。

目下のところ、れいわ新選組がその最有力候補ですが、前回の参院選から2か月弱。あれから国民世論の支持率はどの程度上がっているのでしょうか?あの政党は、党首である山本太郎さんのカリスマ的指導力に依存している面が強く、一般国民からの「果たして政権担当能力などあるのか?」等々の疑問も払拭し切れないところがあると思います。

そうなると、安倍政権打倒&自民党下野を目指して、次期衆院選(特に小選挙区)で勝利を収めるためには、どうしても立民&国民や共産党との政治共闘が不可欠です。そのためにはやはり、れいわに対する国民世論の支持拡大(全国各地での政治集会での盛り上がりや、Twitter、YouTube等のSNSでの支持拡散)が不可欠。

そうだとすれば、アンダークラスの人々が声を上げる場としたら、上記のようなSNSや政治集会ぐらいしかないのではないか?と思ったりします。

黄昏のタロ

お邪魔しますです。

> 格差の固定化は、貧困層が婚姻し、出産しても教育格差が出ることで発生します。また貧困層から抜け出すことは、なかなか容易ではありません。

 貧困を体感しながら貧困の原因を考えてるです。

 おいらは特殊な体験をしてるです。
例の毒親は離婚の後に実家の財産を相続したです。数億円の土地です。税金や経営を勘違いしまくってほぼゼロにしやがったです。発達障害の問題行動ですね。頑固に診察を受けなかった毒親は発達障害支援法の恩恵を受けられませんでした。加齢で出てきたのか、もともとなのか判らないって診察になりました。もともとなのは明白何ですけどね。
 そこそこの富裕層の生活で、軽自動車が買えそうな国保や普通車が買えるほどの固定資産税を取られる経験もしたです。税金滞納で差し押さえとか裁判とか毒親の引き籠もりとか様々な経験をしたです。今はもちろん貧困。

 おいらは毒親の発達障害とその問題行動を目の当たりにした唯一の目撃者です。おいらが発達障害と気付かなければ、すこーし変わった人が失敗で財産失って元の貧乏に戻っただけになるのでしょう。剥き出しの自己責任ですね。

> 2016年の首都圏での調査によれば、正規労働者の約3倍のアンダークラスが、うつ病等の診断や治療を受けているそうです。

 おいらもいつそーなるかって感じですね。特殊な体験は悩んで当たり前なのだと開き直ってるです。毒親のお陰で、耐性の強いサバイバーとして育ったのも持ちこたえられる要因ですね。

 社会と貧困。
 その向こう側の貧困の原因。毒親のよーな人が特殊なのか、割と多いのか。答えが判っても手遅れで、おいらが搾取された給料は返ってこないです。

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