オルテガのいう大衆人とは?ネトウヨや誹謗中傷ブログは大衆人だ

大衆

 コメント欄で2ちゃんねる の攻撃から身を守るためのブログ 反2ちゃんねる活動者としての主張【5】という記事を、ご紹介いただきました。
 実感がこもっており、大変面白く拝読しました。

 本稿ではオルテガのいう「大衆人(Mass Man)」の概念を解説し、ネット上に蔓延るネトウヨや誹謗中傷コメント・ブログ、炎上などについても、構造を明らかにしていきます。

 結論を先に書きますと「自身の無謬性」「欠落と虚無」こそが、炎上やネトウヨ、誹謗中傷コメントやブログの共通点となります。
 そしてこれは、まさにオルテガの論じた大衆人の性質でもあるのです。

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大衆人というオルテガの概念

 オルテガは大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)で、大衆を論じました。大衆人(Mass Man)とは何か?

 あなたは大衆人か、それとも小数賢者か?という記事が非常に詳細です。引用します。

大衆人とは
  • 自分にはなんら特別なことを課すことなく、生きるということが既にある自己をたえず保持することで、自己完成の努力をせずに風のままに浮かぶブイのように暮らす人々
  • 権利だけがあると考え、欲求のみを持っている
  • 頑として他人のものとなることを拒否する譲渡不能な自身の精神、取り消すことのできない自我の欠如
  • 自分より優れた審判を一切認めない閉鎖性
  • 自分を疑うことをしない
  • 自分を分別に富む人間と考えている
  • 自分が他人と同じであることに苦痛を感じず、喜びを感じる

 端的に表現すれば「自身を無謬のものだと、信じ込んでいる人々」です。

 「無謬である」とすれば、自己研鑽や自己完成などの努力は必要がなくなり、「楽」ができるのです。一方で自己研鑽で得られる充足や自我は、得られない。
 したがって「自我の欠如」になり、虚無感が存在し続けるのです。

 大衆人は自分と同じレベルの人たちに安住し、更には上のレベルの人達を引きずり込もうとします。
 大衆人と反対の人間は、少数者・貴族とオルテガは呼びます。

 オルテガのいう「貴族」とは、歴史的な貴族の意味ではありません。何かを成した人、という意味です。
 少数者と大衆人の違いは「数」などではありません。主張が少数ということでもありません。
 端的にいえば、自己研鑽を怠らないものが少数者・貴族だといえます。

炎上や誹謗中傷、ネトウヨの奥底にあるもの

 対論 「炎上」日本のメカニズム (文春新書)は、藤井聡京大教授・佐藤健二さんの共著です。非常に分かりやすく、炎上という現象を分析なさっております。

 上記によれば炎上とは、自身の虚無を無視したいがために「絶対正義の立場」から、人を叩く行為が燃え広がったものとされます。
 しかし炎上で得られる刹那の充足感は、炎上の終了とともに消えます。自身の虚無は、何1つ解決しないのです。
 したがって、また次の叩ける対象を見繕うことになります。

 ネトウヨも、私は同じ構図であると思います。
 自身の虚無を誤魔化すために、愛国心を掲げつつ「反日勢力と戦う、叩く」のです。
 誹謗中傷も、同様でしょう。

 炎上やネトウヨ、誹謗中傷に共通する根底はなにか? オルテガの論じた大衆人です。つまり「自分は無謬である、誤らない」という思い込みです。

アメブロで見た1つのブログ主の例

 とあるブログで、私はかなり誹謗中傷にさらされていました。しかし先日見たところ、アメーバ運営がいくつかの記事を、そのブログから削除したようです。

 ちなみに、私は特に何もしてません。流石に「ざまあみろ、いい気味だ」と思い、嘲笑のコメントは書き込みましたが(笑)
 私もまだまだ、修行不足です(汗)

 興味深いことに、そのブログ主は「なぜ記事が削除されたか?」を理解してませんでした。記事で「運営様、何が悪かったのですか?」とすら聞いている始末です。
 彼にとっては、自分の書いたことは正当であり、私は誹謗中傷されるべき存在と写っていたのです。
 彼にとって自身は「無謬のはず」だったのです。

赤信号、みんなで渡れば怖くないという「考えない人たち」

 大衆人の条件である「自己完成の努力をせずに風のままに浮かぶブイのように暮らす人々」は、原子論的個人ともいえます。
 サハラ砂漠の砂のように、風が吹けばあっちへサラサラ、というイメージです。

 ネトウヨや炎上、誹謗中傷や叩きでは「みんなが叩いているから」「みんなが言っているから」という面が大いに見られます。
 誹謗中傷などにしても、それをブログやコメントに書くことで、いくらかの共感とお仲間が得られるわけです。

 そこには、論理的正当性も理論も、思想もありません。
 試しに「ネトウヨの中で、エドマンド・バークや福田恆存を読んだことのある人」と聞いてみれば、回答はゼロでしょう。
 ネトウヨは自らを保守、愛国者といいますが、保守思想の本は読んだことがないはずです。

 つまり……ネトウヨのいう保守や愛国は、思想や理論に裏付けられません。単なる「みんながそう言ってるから」というポーズでありアイコンなのです。

 これは「安倍政権のほうがマシ」という人にも共通する点です。どうマシなのか? の論理的説明がないからです。
 彼らの理論は「良いことは、安倍政権のおかげ」「悪いことは、安倍政権じゃなくてもそうなっていた」です。

 ネット空間では、安易に共感を得られます。理論や思想、論拠がなくてもです。
 ネットとは、思考停止を生み出しやすい環境なのかも知れません。

 炎上や誹謗中傷、ネトウヨなどはオルテガのいう「無謬と信じ込む大衆人」だったのです。

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Muse
4 年 前

>とあるブログで、私はかなり誹謗中傷にさらされていました。

例の「9・11は米国政府による自作自演だ」を主張しているブログですね。そもそもHNに自分で”くん”付けするのも変ですが、それはともかく、よくあんな有害無益な情報しか垂れ流さない品性下劣なブログを見る気になりますね。「類は友を呼ぶ」で、ブログ主がああだから、コメント群もそれに輪をかけた下劣なフレーズのオンパレード。あたかも腐臭を撒き散らす肥溜めのごとし!ずっと以前に覗いたことがありますが、そのあまりに猛烈な”腐臭”ぶりに吐き気と眩暈を感じるほどだったので、近頃は全然見ていません。

>流石に「ざまあみろ、いい気味だ」と思い、嘲笑のコメントは書き込みましたが(笑)

さっき久々に見たら、相当悔しがっているようでしたが。まあ、そんなに悔しかったら、無料ブログなんか使わずに「自分で独自ドメインを取得し、レンタルサーバーと契約して、WordPressでSEOに強いWebサイトを作って公開してみろ!」と言いたいところ(笑)

>炎上や誹謗中傷、ネトウヨなどはオルテガのいう「無謬と信じ込む大衆人」だったのです。

問題は、いわゆるネトウヨだけでなく、程度の差こそあれ、日本の多くの有権者がこれにあてはまっているところ。別記事のコメントにも書きましたが、(バイアスがかかっているかもしれないとはいえ)NHK世論調査で自民・公明支持者が合わせて4割もいるというデータがそれを示しています。

阿吽
4 年 前

>彼にとっては、自分の書いたことは正当であり、私は誹謗中傷されるべき存在と写っていたのです。

ネット右翼の韓国叩きの理論と、もろかぶりしますね。(韓国は誹謗中傷されるべき存在だ。その存在に対して悪口を言っているのに非難されるとは何事だ)

ちなみにさらにおもしろいのは、韓国人の日本叩きの理論も上記と似たようなものだと言うことです。(悪逆な日帝の子孫の日本人は反省のない悪逆な民族だ。それを非難しているのに文句を言ってくるとは何事だ)

ちなみに、フェミニストされていた方がフェミニスト辞めた理由、という記事を見ましたら、これも上記と似たような印象を受けました。

   とある女性が突然「フェミニストをやめた」話が納得させられる・・・。こんな思考回路になってたのか
   http://jin115.com/archives/52260417.html

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(過激な)フェミニストも韓国叩きをするネット右翼も、日本叩きをする韓国人も・・・、おのれの不満、不安、不幸を発散するための方法として、なにかを攻撃しているんでしょうね。(なかにはもとからサイコパスみたいなのもいるかもしれませんが、まあ、サイコパスな人はさすがに少数派でしょう)

自分の『不』のはけ口でネットをやってるのかどうか、よく考えた方が良いんでしょうね。(で、不のはけ口でネットをやってるのなら、上記の記事の女性みたいにしばらくネットから離れた方がいいでしょうね)

阿吽
4 年 前

オルテガさんの言う大衆人の定義というのは・・、何かをターゲットにして集団でイジメをして楽しむ人間のサガみたいなものですね。

共通の敵を見出し、そいつを集団の敵と認知していたぶり楽しむ・・、人間の嫌な性分を具現化したような存在でしょうか。

集団リンチって楽しいでしょうからね。(山岳ベース事件とか)

安全なところで安全に、反抗をしてこないカモを虐めて楽しむという娯楽・・。

しかして、虐めてるがわもいつ自分にそれが向くかわからない、そんな不安から、少しおかしいと思っても同調圧力に逆らって異論を唱えることもできない・・。(あそこのブログでは、過去に見た範囲だと、誰かにちょっとやりすぎだろと言う勇気のある人はいないようでしたからね。(まあ、それ以降は、見るきもないので見ませんでしたが、おそらくはこれからも、きっと見ないとは思いますが))

身内に、おまえそれ言いすぎって言う度胸のあるやつがいないんですよ。

そんなのが正義の味方きどってるんですから、クッソ笑えますね。

あんな下品が山本太郎応援してちゃあ、山本太郎議員もクッソ迷惑でしょうね。

山本太郎さんのことを真に思うなら、ブログを辞めた方が良いでしょうね、彼等は・・。(だいぶ下品になってしまっていますし・・)

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まあ、しかし、人間らしい心理っちゃあ心理です。

人間の弱さの具現化の象徴が、あれのブログとも言えますし、ネット右翼とも言えますし、反日を叫ぶ韓国人とも言えますし、先にも書いた、過激なフェミニストでもあるんでしょう。

気の毒ではありますけどね、現状、私ではどうしようもありませんが。ですので気の毒ですが・・。

結局、思いやりのない力は、最終的にはああいうふうに堕してしまうのではないでしょうか。

経世済民っていうのは、思い遣りの心だとも思っていますし。

今はなにもしてやれなくても、経世済民的政策がしっかり実現されれば、ああいう不幸な人達も救えるかもしれないし・・(絶対に救えるかはわからないけど)

なんのための経世済民かと言えば・・、ああいう物心両面において貧しくなってしまった同胞を救うための、そのための慈悲心でないと、いけないのではないかと、思うのですよね。

阿吽
Reply to  高橋 聡
4 年 前

>私的な解釈としては「彼らは単に、しんどいなかで自我と知性を保守するという行為ができなかっただけ」かも知れませんね。

ふうむ・・、って思っちゃいますね・・・。

なぜなら自分が一番ネット右翼に傾倒していた時期って、自分が一番大変だった時期に重なるんじゃないかと、そういう恐怖があるのですよね・・。

いや、たまたまかもしれないし、でも、そうじゃないかもしれない。

でも私生活が心身ともにくっそ充実していれば、そんなに韓国気にする余裕があったかなとも・・。

なにかをはけぐちにしたがっていたんじゃないか、自分はそんなやつだったんじゃないか・・という恐怖があります。(まあ、現在も、韓国は日本の先進国(新自由主義、もしくは国全体でネトウヨ的、つまりは大衆的になってしまったその日本の先行モデル)として注目はしていますが)

ついでに言うと、上記のころの私は心身ともに疲弊していたという自覚はありませんでした。(あとから振り返ったら、そうだったんじゃないかなということです)

ですのであの人達も、あんなにウンコをまき散らすってことは、そんだけやばい状況なのかなあ・・っていうふうには思うのです。(・・自分のネット右翼全盛時代でも、あそこまで酷くはなかったとは、思いたいですが・・・)

まあ、ウンコを撒き散らかしてるので近づきたくはないんですが・・、しかし、そんな山姥、もしくは魑魅魍魎みたいな姿を世にさらしながら醜く生きるあの様は、正視に耐えませんし、人の醜くさを感じさせて・・、まあ、あわれには感じるのですね・・。(まあ、かと言って、私に彼等が救えるかと言えば、なかなかもってそんなことは難しいわけですが・・。申し訳ないですが・・。)

かといって、経世済民が実現さえさえすれば、あの中の全員は無理かもしれませんけど、何人かは、それでももしかしますと救えるかもしれないのです。

経世済民っていうのは、そういうものであってほしいなと、そういうふうには思うのです。

自分のネット右翼時代を思い起こせば、彼等は完全には他人ではないのです。(まあ、あそこまでひどくはなかったとは、思いたいですが・・・)

経世済民というのは、優しい思想であってほしいのです。そんなふうには、思うのですよね。

トナカイ
Reply to  高橋 聡
4 年 前

れいわ新撰組関係の動画のコメント欄で、汚い言葉で他人を罵って在日パヨク認定する人と、便乗する賛同者の構図見てゲンナリ。
せめて政策の話にも少しは触れないと。
ウヨサヨ共に蔓延する、在日やパヨク認定(ネトウヨ認定も)のような、便利な罵倒言葉での誹謗中傷合戦。

そんなやり取りが怖い、あるいは不快で政治の話から逃げる温厚なユーザーたち。

ネットの政治は左右の縄張り争いのような対立ばかりで政策の話し合いができない弊害は大きいですね。

ネットには2ちゃんねる系のなんでも対立させて煽り叩きする文化の危険性に気づいていない人未だに多いけど、下手したら内戦とかの火種にもなりかねないですよね。

なんか言論が弱肉強食のレスバトルロワイアル化して、相互理解から段々遠ざかっていく。

ネット始めた1999年頃の、ネットの敬語文化にもう一度戻ってきて欲しいですよね。
あの時は平和でした。

匿名レスバトル大好きで日本語を大切にしようとも思わない人が、自称右の愛国者、汚い言葉で喧嘩する人が自称左の平和主義者というのは、どちらも本質を見失ってる気がします。

まあ、自分も文章力自体は怪しいですが。