先日投稿した愛国心とは?ネトウヨとは異なる愛国心の本当の意味と味噌汁的愛国心が好評なようで、普段にないコメントの伸びを見せております。
関連して本日は、「自民党って保守政党といわれるけど、保守じゃないよね?」「安倍政権って保守政権じゃないよね?」というお話を書きたいと思います。
言葉が乱雑化し、基準(クライテリオン)が蒸発した昨今では、保守という言葉が非常に広く曖昧に使用されています。
保守という言葉の意味を、もう一度問い直すのが本稿の目的となります。
保守の意味を確認する
私は保守というわけではありませんが、保守思想は高く評価する1人です。保守思想の祖とも呼ばれるエドマンド・バークの新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りきは、佐藤健志さんの訳書ですが、非常に示唆に富んでおります。
保守思想を是とする保守主義は、3つの要点から成り立っていると思われます。
- プラグマティズム
- 社会有機体論
- 漸進主義
1つ付け加えるなら、「理性は万能ではない」ということが、伝統や文化、共同体を大事にする保守思想です。(プラグマティズムに入る)
したがって、しばしば保守主義とは情動主義的ともいわれます。
保守主義、保守思想とは変革、改革を警戒する思想やイデオロギーともいえます。
改革を叫ぶものが保守のはずがない
本題に入ります。安倍政権はまさに改革政権といって、差し支えないでしょう。入管法規制緩和では移民を拡大し、種子法の改正では農業を外資に売り渡すが如くです。
水道事業民営化、消費税増税による小さな政府路線も、まさにグローバリズム・改革主義といえます。
その安倍政権を支えるのは、与党の自民党です。
一般的に自民党や安倍政権は「保守」といわれますが、保守思想に照らし合わせるならば「そんなバカな! 彼らのどこが保守的なんだ?」としかいいようがありません。
グローバリズムは共同体の破壊を生み出します。文化、伝統、地域、慣習などをことごとく破壊していくのが、グローバリズム(地球主義)です。グローバリズムには改革がつきものなのです。
したがって保守思想とグローバリズムは、決して相容れることはありません。
仮に相容れるとすれば、例えば宇宙人が攻めてきて、地球政府が誕生したような状況くらいでしょうか(笑)
親米とグローバリズムと愛国のパラドックス
右派からは「日米同盟こそが、最も大切だ!」という言が多いのが現状です。ちなみに日米安全保障条約は、軍事同盟とは厳密には言えません。
※軍事同盟とは双務的性格であるため。
強いて表現するのならば、属国保護条約です。
なるほど、確かに中国が台頭する現状において、日米安保を破棄することは危険かもしれません。
しかしそれ以上に危険なのは、親米というオブラートに包んだ「属国であること」ではないでしょうか? 「平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路」が詳しいのですが、アメリカに安全保障を頼るということは、いわば現地妻のようなものです。
アメリカに気に入られるために、アメリカに気を使いつつ、グローバリズム路線を堅持することになるのです。誰からも愛される日本=アメリカに気に入られる日本、でなければいけない! よって、経済をアメリカに売り渡しつつ、媚びへつらわねばならない! とはイコールで、グローバリズム路線の堅持となるのです。
したがって親米保守という言葉は、非常に矛盾をきたしているといわざるを得ません。
強い口調でいえば、親米保守とは「愛国故に売国」となるしかないのです。
戦後保守の正体
いくつかの例外はありますが、おおよそ戦後の保守とは「アメリカに媚びへつらう保守」でしかありません。
いわゆる自称保守系有識者やビジネス保守、そしてネトウヨも例外ではありません。
彼らから「日本は自主独立して、日米安保は破棄するべきだ!」という言が聞こえてこないのが、その証左です。
福沢諭吉は「一身独立して、一国独立す」と言い残しました。現在の日本は属国です。
取りも直さず、それは一身が独立していないのではないか? というわけです。
私は一身独立しての意味を「他人に判断を委ねて、楽をしないこと」と解釈しています。自身で判断するには、学問が必要になってくるというわけでしょう。
したがって福沢諭吉は学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)を書いたに違いありません。
とすれば独立していない、属国である現状は、日本の知的劣化と主体性の無さを表します。主体がないとは、「イデオロギーすら他国や他人に委ねる状態」といえます。
戦後の保守や左翼は同様に、主体性がなく、他人頼りだったと解釈しうるでしょう。
安倍政権や自民党は保守か?
主体性がなく、アメリカにへつらう政権や党が「保守」であるはずがないのは明白となりました。
例えば少し以前の、トランプへの媚米外交と接待は端的に現状を表しているといえましょう。
笑ってしまうことにどうやらあの媚米接待は、誘惑外交だったそうです(笑) まさに「平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路」に出てくる、現地妻ではないですか。
最後に、日本で一番保守的といえる方々は誰か? と私が聞かれたら、迷いなく「専業主婦のお母さんたち」と答えます。彼女たちほど、保守な人たちはなかなかいません。
保守思想とは「得られるであろう利得より、失う悲しみを重視する」のです。
>主体性がなく、アメリカにへつらう政権や党が「保守」であるはずがないのは明白となりました。
仰る通り、いまや自明の理ですね。
>最後に、日本で一番保守的といえる方々は誰か? と私が聞かれたら、迷いなく「専業主婦のお母さんたち」と答えます。彼女たちほど、保守な人たちはなかなかいません。
それは、専業主婦たちの「日常生活感覚」が保守的であるという意味でしょうか?それでは、彼らの政治信条(とりわけ支持政党や支持する政策)はいかがなものでしょうか?もちろん、一口に専業主婦といっても、政治信条など千差万別だとは思いますが、ただ主婦の経済感覚(と自分が思っている感覚)なら、食料品をはじめとする生活必需品や電気・ガス・水道料金の値上がり、とりわけ消費増税には極めて敏感なはず。あるいは、サラリーマンの実質賃金が中々上がらないことにも業を煮やしているはず。
そうだとすれば、消費増税や歳出削減等の緊縮財政を続ける自民党政権にはノーを突き付け、共産党か山本太郎の政党(少なくとも、安倍政権反対の立憲民主党あたり)に投票してくれそうなもんですが、必ずしもそうでもない感じが。。。
それから、一般に投票率が高いと言われる高齢者層の投票動向も極めて重要です。大雑把に言って、団塊の世代を中心とする高齢者たちの多くは、高度成長期の(まだまともな国民政党として機能していた頃の)自民党政権の記憶を引きずっていて、そのために思考停止に陥り、現在の(昔とは似ても似つかぬ反日売国グローバリズム政党と化した)自民党を大した理由もなく支持していて、相変わらず自民党に投票し続けているような気がするのですが。。。
もし彼ら(つまり専業主婦や高齢者)の多くが、インターネットで当ブログのようなサイトやTwitter情報に接してくれれば、選挙で政権与党を惨敗させ、下野させることも可能なのですが。いずれにしても、来月の参院選で自民党が惨敗(50以下の議席)してくれれば有難いのですが、またしても自民党が勝利し、安倍政権が延命するようであれば、日本の没落はさらに加速していくことになるでしょう。
まあ、安倍政権なんかは・・、保守政権と言うよりかは・・、それこそこれこそ本物の、大衆迎合政権・・、という感じでもありますかね。(もしくは、緊縮財政全体主義国家・・・?)
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>強い口調でいえば、親米保守とは「愛国故に売国」となるしかないのです。
『売国機関』という漫画がありましたね。(ヤンさんならご存知ですかね?)
なかなかユニークな漫画です。(原作は幼女戦記の人です)
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私は正直・・、アメリカの属国だろうがなんだろうが、そんなことは些細なことなのではないかとも、思います。
ただ・・・、現実感だけは、これはきちんと持つべきだと、思いますね。
これさえあれば、ある程度はうまくやれる・・・とは思うんですが・・(どうですかね?)
まあただ、現実感さえあれば・・、今のような保護国状態だと『うまくない』・・・という結論には、どの道いたるのかもしれませんが・・・。(どうですかね?)
まあ、プラグマティズムに動くのなら・・、結局は、やることはおおよそ決まっているとも言えるのかもしれませんが・・。
幕末の志士だって、国益の為なら初期の大義面分の1つの攘夷だって、現実感を持って明治期はほとんど棚上げしましたから・・。
そういうリアルな、本当の現実感覚的なものが、今も必要なのでしょう。
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>保守思想とは「得られるであろう利得より、失う悲しみを重視する」のです。
なかなかもって、含蓄のある言葉だと思います。