前回の消費増税、8割は国債返還に回していた-社会保障には使われない増税


悲報、前回の消費増税8割は国債返還

 日本という国は不思議なもので、やる前にはあれこれとスローガンを掲げたり議論をしたりするのですが、一度決定されてやり始めると検証を一切しなくなる、というような性質があるように思えます。消費増税もその1つでしょう。実際に政府も「こう使われました! これに使いました!」という公表を積極的にはしませんし、国民もほとんど気にかけていないのではないでしょうか?

 じつは前回の消費増税が何に使われたのか? という検証をした記事が存在しましたので、本日はそれをもとにいろいろと論じていきたいと思います。

 前回の消費増税分は8割が借金の返済ー「増税分は全額社会保障に使います」のウソとこれからの増税議論ー(藤田孝典) – 個人 – Yahoo!ニュースによりますと、こうです。

財政社会学者の井手英策慶應義塾大学教授は「例えば、消費税の増税分が何に使われたのか、みなさんは知っていますか。増税分の使い道のうち8割は借金の穴埋めに回されました。残りは医療、年金、介護、子育てという社会保障に広く、薄く使われています。」(東京新聞2016年7月8日)とインタビューで述べている。

消費増税は国民から搾り取るだけの増税

 上述した引用部分が事実だとすると、2014年の消費増税は再分配なき増税と解釈可能です。増税したとしても、それを再分配すればGDPにおけるマイナス影響はないか、もしくは再分配の仕方によればプラス効果すらあり得るかも知れません。しかし、8割を国債返還に回すのであれば、国民の可処分所得が減少するだけですから、何をどう考えてもマイナス効果しかないことは明白でしょう。

 以前にも述べましたが、消費税にはいくつかのデフレ加速効果が存在します。

  1. 個人消費の抑制と、消費懲罰的税制という側面
  2. 逆累進性が強いという性質を持つので、低所得層ほど負担が重くなる
  3. 消費税によって企業の投資なども減少する

 では消費税を国債返還に8割り当ててまで、国債は返還しなければならないのでしょうか? これは明確にNOと断言可能です。そもそも法定流通貨幣――以降、通貨と表記――と円建て国債――内債のこと。以降国債と表記――に債務性は存在しません。

 ここで簡単に債務と負債の違いを検討しておきます。債務とは法律的に返済義務のある負債を指します。一方で負債とはあくまで、バランスシート上の片側に計上される”数字”を表す単なる名詞です。つまり返済義務のない負債は、債務性がないと言えます。この返済義務のない負債、つまり債務性のない負債には、例えば実質的に国債や通貨などがこれに当たります。

 ……まあそもそも論ですが、資本主義においては誰かが負債を拡大して経済成長していくわけですから、国債発行額が増えていくのは正常な資本主義なのです。逆に国債発行額を減らそうとするのは、資本主義国家のやるべきことではないと言えます。

 つまり上述した議論を踏まえますと、安倍政権は債務性のない国債を返還するために、日本国民に増税を課して苦しめている、デフレ脱却を遠のかせていると言えます。要約すれば安倍政権は、国民生活の敵であるとすら表現可能でしょう。

2019年消費増税は、本当に社会保障に使われるのか?

 2014年の消費増税は2割しか、社会保障などの分野に使用されませんでした。ちなみに――パチンコ屋はおおよそ9割、競馬などの公営ギャンブルで7割、宝くじで5割の還元率がありますから、安倍政権の還元率はこのどれよりも、ひどく低いわけです。笑っちゃいますね。

 この前例がある安倍政権が、2019年の消費増税で本当に増税分を社会保障に使うのか? と問われれば、疑問を抱かざるを得ないのが正直なところ。どうせまたほとんどは、国債の返還という必要のない作業に当てるのだろうと、予測します。当然ながら日本経済は、ただでさえ基幹統計不正問題でお化粧していた、実態は相当悪めということが発覚しています。この状況で消費増税なんぞ、正気の沙汰ではありません。

 しかしそこはそれ、基幹統計不正問題で「政府の統計は信用できない!」が8割にもかかわらず、何故か安倍政権の支持率が上がっているのですから、日本国民全体が正気ではないのかも知れません。したがって粛々と正気の沙汰ではない消費増税が、世論に押されて進められるとしても私は驚きません。

 ちなみに……世論調査の結果を見てみますと大変興味深いのです。【産経・FNN合同世論調査】消費増税 男性は賛成、女性は反対が上回るによれば、生活実感が高いであろう女性の方が、反対が多いというのは大変興味深い現象です。きっと男のほうが、賢しいバカが多いのかも知れません。

統計も信用できず、検証もしない狂気の国家日本

 私、先ほどGoogleで「消費増税 検証」とググってみましたら、ブログや藤井聡さんの記事がざっと1ページめに出てまして、見事にメディアや新聞の記事が1つもありません。個人ブログやネットメディアが出てくるだけです。ちなみに……「消費税増税 検証」とググったら出てきたのは赤旗のみでした。

 社会の公器を名乗る新聞が、なんと消費増税について検証もしてこなかったようです。赤旗の記事を載せておきましょう。検証 三つのタブーと「しんぶん赤旗」という記事ですが消費増税部分で気になる箇所がありましたので、引用します。

 なぜ財源といえば消費税なのか。なぜ法人税増税や富裕層への金融課税見直しを問題にする議論は起きないのか。

 その背景の一つに、大手メディアが現在の消費税増税路線を決めた「税と社会保障の一体改革」を後押ししてきた実績があります。民主党政権時代の2012年、大手メディアは消費税増税法案の衆院通過までの1カ月間、「朝日」14本、「読売」16本の社説を掲げるなど、異常な増税翼賛報道をやりました。当時、朝日新聞編集委員は「権力監視が仕事であるメディアが『増税を容認する』ことへの疑問はあるだろう。しかし…国の再生に向けて、政治に『結果』を求めることが必要になってきた」と開き直りました。

 しかし、大手メディアが財界と一体で求めてきた「『結果』を求める政治」こそが、民意を徹頭徹尾無視して数の力で押し切る安倍強権政治につながったのです。

 「財界タブー」にとらわれることのない「赤旗」の役割は、こうした大手メディアとの対比でも鮮明です。

 赤旗の分析によりますと、大手新聞やメディアは消費増税にそもそも積極的であったようです。このことから考えられることは、以下の述べるうちのどちらかであろうと思われます。

  1. 賛成したが失敗している(と認識している)ので、検証をしたくない。
  2. そもそも、企業や正当には総括を求めるが、自分たちが検証や総括をすることは思いつかない

 1.であった場合、道義的、道徳的に視聴者や国民を裏切っていると解釈可能です。2.であった場合はどうしようもない低能揃いということになりましょう。しかしここまで検証がないということは、どうも1.である可能性が非常に高いように、私には思えます。マスメディアのことはよくわかりませんが、消費税増税の検証というのが一種のタブー化しているのではないか? というように私は判断します。

 それにしたって……ここまで検証という動きがない日本は、相当におかしいように思えます。今はあれでしょうか? 大本営発表が蔓延っている戦中だったのでしょうか? と思わずつぶやきたくなります。

 さて、基幹統計不正問題で統計も信用できない。そして大手マスメディアなどでは、消費増税の検証すらしようとしない。つまりは大手メディアに経済問題を語る資格もないし、それ以前にこの状況では国民は判断のしようがないでしょう。政府だって2014年の消費増税の総括をまだしておりませんから、本当なら判断材料は存在しないはずです。したがって2019年10月に消費増税を決行するなどということが、いかに正気の沙汰ではないか? がご理解いただけようというものです。

 まるでコンパスも持たずに大海原を航海するがごとしであり、正気の沙汰ではないどころか、狂気の沙汰とすら表現しうる状況です。

 一度狂気に陥れば、相当のショックがない限りは正気に戻らないのは必定。いやいや、狂いっぱなしかも知れません。20年以上狂い続けているのですから、そもそもすぐに正気に戻ると期待するほうがおかしいのです。どうぞ皆様、正気の声をあげ続けるようお願いします。

おまけ 現在の景気は外需次第

 厚化粧を施してごまかしてきた日本経済、その実態は基幹統計不正問題で「相当に悪いのでは?」という見方が出てきております。


【田村秀男のお金は知っている】無理筋でも「消費増税」を勧める日経新聞…より 

 その厚化粧経済統計でも、個人消費は低迷しておりまして、個人消費はGDPの6割を占めるわけですから、内需によってGDPが増加しているとは考えづらいわけです。田村秀男さんの記事によりますと、現在の日本のGDP増加を支えているのは外需であり、つまり日本経済は世界経済次第というわけ。なんとも情けない話ではないですか。

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