ネトウヨがエセ愛国と揶揄される理由-愛国心はネトウヨの最後の拠り所

 タイトルで煽りまくるスタイルです。高橋聡です。

 Googleで「エセ愛国(者)」と入力しますと、サジェストの候補にすかさず「ネトウヨ」と出てきます。Googleでもネトウヨは、エセ愛国者として認定されているとか、いないとか。

 冗談はさておき、多くの人が「ネトウヨ エセ愛国者」として検索するからこそ、サジェストに表示されるわけです。本当にネトウヨはエセ愛国なのか。エセ愛国とはそもそも何か?

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そもそも愛国心の意味と定義とは

 愛国心の定義とは「自分の国家に愛着や忠誠心を抱く心情」だそうです。この定義はわかりやすいようで、少々解釈が厄介かもしれません。

  1. 国家とは何を指して国家なのか。政府か、日本という国体か、歴史の縦軸を含む日本か
  2. 忠誠心とは何か? 盲目的に信じることとどう違うのか?

 国家とは一般的に、最大の共同体と分類されます。したがって「歴史も含む、日本という共同体」を国家と捉えるのが自然でしょう。

 また忠誠心は「献身と服従の精神」だそうです。

 したがって愛国心とは

  1. 日本という慣れ親しんだ共同体に対する、愛着の感情
  2. 日本という共同体への献身の精神

 となります。忠誠心の「献身と服従」は、献身が優位になるでしょう。服従優先のイエスマンが、忠誠心に厚いかどうか? を考えれば、答えはNOです。

ネトウヨがエセ愛国者といわれる理由

 なぜネトウヨが多くの人から、エセ愛国者と思われるか?

  1. やたらと日本すごい! と言うから。すごくないと、愛着が持てないの?
  2. デマを撒き散らして、献身どころか風説の流布で害を与えているから
  3. 日本という共同体ではなく、安倍政権に献身と服従を捧げようとしているから

 ここでイギリスの代表的な小説家の1人、ジュリアン・バーンズの名言をご紹介します。

最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で、悪辣で、馬鹿みたいなことをしている時に、それを言ってやることだ

 「忠臣とは主君が誤ったときに、諫言するもの」というように、東西問わず忠義や忠誠には正しさも必要です。
 なぜネトウヨがエセ愛国者といわれるか? ネトウヨに「義」が見いだせないからではないでしょうか。

「愛国心はならず者の最後の拠り所」という名言

 愛国心はならず者の最後の拠り所とは、イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンの言葉です。サミュエル・ジョンソンは愛国心を否定したわけではなく、エセ愛国というべき愛国主義を強烈に批判しました。

 サミュエル・ジョンソンは自称愛国者に対して、おおよそ批判的だったのです。きっとサミュエル・ジョンソンがネトウヨを見れば、大いに批判することでしょう。

 ネトウヨは様々なデマ――以下の記事で詳細参照――を撒き散らしますが、ネトウヨが反省したりした様子は全くありません。なぜか? 彼らは自分たちの活動を「愛国心ゆえ」と考えており、したがって「”多少の過ち”は許されるべき」と思っているからではないでしょうか。

 言ってしまえば「愛国無罪」です。「愛国心はネトウヨの最後の拠り所」とも言えます。

愛国とグローバリズムのねじれとエセ愛国

 筆者には「真の愛国者がどのような人物か?」は、わかりません。しかし少なくとも「真の愛国者は、こうではないはず」といういくつかのことは分かります。

  1. 愛国者がグローバリズムやグローバル化を喜ぶはずがない
  2. 愛国者がアメリカの属国である状態に賛成するはずがない
  3. したがって愛国者は、安倍政権を支持するはずがない

 安倍政権はどのように解釈しても、グローバル化推進政権です。2度の入管法規制緩和や、水道事業民営化。TPPや種子法改正、農協改革etc……。

 また安倍政権は、戦後レジームを強化し続けています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

 愛”国”者が、地球主義であるグローバリズムに否定的になる。これは自明です。また属国である状態が、喜ばしいはずもありません。これまた自明の理です。
 よってグローバル化推進で、対米従属を加速させている政府に賛成ができるはずがないわけです。安倍政権を支持しながら愛国を叫ぶのは、エセ愛国と評されて仕方のない話です。

 愛国を叫びながらグローバル化を黙認し、対米従属を喜ぶ様は「狂っとる」と筆者は感じます。

 エセ保守やエセ愛国がはびこる日本が、そのうち「エセ日本」にならなければ幸いですが……。

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