最近はあまり原発議論は聞かれなくなり、一段落している様子です。
一段落した今だからこそ、原発議論、電力議論のポイントを解説します。
あくまで「現在、明白になっていることのみ」を解説します。
例えば現在は、再生可能エネルギーの有効性は証明されていません。
もちろん将来は、違うかも知れません。
ですので「現在」を軸に、ポイントを解説します。
原発議論のポイントとは?
今回は電力議論なので、原発事故は含めません。
- エネルギー安全保障
- ベースロード電源とエネルギーミックス
- 再生可能エネルギーは火力発電所を増やす?
- 気候変動に対するCO2削減と火力
- 再生可能エネルギーの将来への期待
特にエネルギー安全保障とベースロード電源は、原発議論・電力議論では必須のポイントです。
エネルギー安全保障
安全保障とは、国家主権が保障できるか? という言葉です。
例えば他国に食料を全部握られたら、その国の要求に従わざるを得ません。食料安全保障の議論です。
同じくエネルギーも、できる限り自国のコントロール下に置きたいものです。
これがエネルギー安全保障の議論になります。
日本の石油や石炭は、ほぼ輸入です。国産電力はバイオマス、水力、地熱、風力、原子力の合計で18.4%です。2017年のデータでは、81.6%が石油や石炭に頼っています。
2010年は、31.5%が国産電力でした。石油、石炭などへの依存は68.5%です。
国産電力が、2010年比で60%以下に落ち込んでいます。
その分、日本のエネルギー安全保障も低下したと言えます。
ベースロード電源とエネルギーミックス
ベースロード電源とは、安定して同じ電力量を発電できるものが選ばれます。
地熱、水力、原子力、石炭などは「発電量の調節」が不得意です。
しかし一定量をずっと発電し続けることができます。これがベースロード電源に選ばれます。
ベースロード電源、ミドル電源、ピーク電源とありますが、風力や太陽光発電はどこに入るのでしょう?
再生可能エネルギーは、発電量の調節が難しいものが多いです。太陽光は、曇っていれば発電ができません。
つまり「原子力というベースロード電源を止めて、再生可能エネルギーで代替する」というのは、基本的に困難です。
太陽光発電はピーク電源にもなれないので、私は勝手に「フリーダム電源」と名付けています。
例えとして適切かどうか……。料理で言えば「塩を使うのをやめて、ワインで味を調整しよう」と言っているようなものです。
どのような配分で、それぞれの発電を組み合わせるのがベストか? つまりエネルギーミックスも、考えなければいけません。
再生可能エネルギー増加で火力発電所が増える?
上記は太陽光発電と、ミドル電源の調整図式です。
仮に再生可能エネルギーを増加させると、セットでミドル電源やピーク電源のガス火力や石油火力が必要になります。
つまり石油や天然ガスの発電所を、増やさないと対応できなくなります。
「ドイツは4割が再エネだ」と言われますし、事実です。ドイツの再エネのメインは、風力です。安定した風が、見込める気候だからだそうです。
イギリスでも、洋上風力発電は期待されています。
日本でも今年4月、洋上風力発電推進法が可決されました。
しかし設置に適した遠浅の海が少ないために、技術的課題が多いようです。
個人的には、台風も心配です。
気候変動に対するCO2削減と火力
一般的に気候変動や、地球温暖化の原因はCO2とされています。CO2の削減は、国際課題です。
脱原発+再生可能エネルギーは、期待されています。上述したように、脱原発+再生可能エネルギー=火力発電所増加で、石油や石炭使用量も増加ではシャレになりません。
一方で私は、将来においての再生可能エネルギーに、可能性はあると思います。
再生可能エネルギーは国産エネルギーですから、エネルギー安全保障にもなります。
本気で国産エネルギーを目指すなら、政府がもっと研究費や費用を出すべきではないでしょうか?
再生可能エネルギーの将来は期待できるか?
現時点では、再生可能エネルギーはあまり使い物になりません。では将来はどうでしょう?
私はあまり自然科学は、得意ではありません。間違ってたら、指摘してください。
エネルギー保存の法則というものがあります。
エネルギーの総量は、変わらないというあれです。
地球にあるエネルギー源ってなに? 大まかには3つだと思われます。
- 堆積した化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)
- 太陽光(水力、バイオマス、太陽光、風力など)
- 質量(核分裂、地熱)
再生可能エネルギーは、ほぼ太陽光をエネルギー源にしています。
太陽光のエネルギーを、一番吸収しているのは? 大気と水です。
日本の平地の少ない国土条件では、水力か洋上風力がメインになりそうです。
一時期話題になった「石油を作る藻(オーランチオキトリウム)」は、光合成しません。ブドウ糖を食べるそうです。
ブドウ糖を作るエネルギー > オーランチオキトリウムの作るオイル
となり、実用化はどうもなさそうな?
再生可能エネルギーは「夢のようなエネルギー」のイメージですが、過度の期待は禁物です。
最後に小話 石油ってなくならないらしい……
油田には可採年数というものがあります。
これは「現在の油田で、何年石油が採れるか」です。
1970年のオイルショックのときに、全世界の油田の合計可採年数は30年でした。それを勘違いして「石油はあと30年で枯渇する論」が出てきました。
当然油田は、新しく見つかります。2000年には可採年数が40年に伸びて、「石油はあと40年で枯渇する論」になりました。
ギャグみたいな話です。
地球の石油の総量は? 確実なことは、誰にも言えないそうです。
そしてシェールガス革命が起きました。地中のシェール層から、石油やガスを採掘する方法です。
世界中のシェール層を採掘したとすると、ほぼ無尽蔵と言われています。
案外200年後も、地球では石油文明のままかも知れません。
よろしければ、上記の記事もどうぞ。
「プロフェッショナル 仕事の流儀」で久しぶりの料理人回でした。大阪のメチャ美味しいフレンチ「Hajime」のシェフが紹介されていましたが、ヤンさん視聴されました?
NHK総合1・大阪(NHK総合・大阪)
2019/10/08(火) 00:20:00 ~ 2019/10/08(火) 01:10:00
プロフェッショナル 仕事の流儀▽至高の“点”ここに極まれり~料理人・米田肇[解][字][再]
上記で再放送やりますね。エントリーと無関係で済みません。。。
ふぉぉぉ……っっ! 料理人回ですか。見たいです。
私テレビは本当、見なくて……。いや、テレビはあります(笑) 習慣がなくて(笑)
お邪魔しますです。
> そしてシェールガス革命が起きました。地中のシェール層から、石油やガスを採掘する方法です。
世界中のシェール層を採掘したとすると、ほぼ無尽蔵と言われています。
コストとの戦いだそうです。
普通の油田から採れるよりはコストが掛かるので原油が高止まりしてくれないと採算がとれなくて採掘を続けられないそうです。
もっと原油が高くなって日本国内の油田(?)でも採算がとれる様になったら日本も産油国になるかもです。
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常温超伝導はコイルに無尽蔵に電気を蓄えられるはずでした。期待されてましたがダメでした。燃料電池はいくらか有力ですね。
燃料電池はクリーンエネルギーの部分だけ注目されてますけど『蓄電』の役割には注目されてないです。揚水発電や蓄電池よりはコンパクトで実用性が高いと思うです。
シナリオとしては、一定の発電をする原発の余剰電力で水素を製造して貯めておいて、その水素から電気を取り出すってものです。電力で水素、水素から電気って流れが出来れば、太陽光発電で日中に余った電力を水素で蓄えられるです。離島に原発を作って水素を本土へとか、水素に形を変えた電気の輸出入とか。
夢物語なのかもですね。
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ボンビーなおいらは懐中電灯生活をしてたりするですよ。原発の問題で「省エネルギーだから!」って言っておけば、恥ずかしくないです。
なるほど、採掘コストの問題があるわけですね。
常温超電導や常温核融合って、ロマンがありますよね。
※常温核融合は科学的に、否定されちゃったみたいですが(笑)