消費税を上げたらアカン!!
昨日は深夜に藤井聡京大教授の、「消費税は上げたらアカン」を見ておりました。
なかなかに面白い動画で、司会役の荻原博子先生のキャラもあり、かなり盛り上がった動画です。なんというか……萩原先生、お上品かついい意味でおばちゃんでして、家庭的。
藤井先生もしゃべりやすそう、という印象を受けた動画でした。
いくつか、印象に残った話をピックアップして、レビューします。
消費税を3%上げたら、消費が2.9%減った話
2014年の消費税増税ですが、その背景にはデフレがあります。
デフレとは需要<供給であり、物価の下落以上に、我々の所得が下落していく現象です。藤井聡先生の話によると、1997年に比べて世帯収入は、なんと130万円ほど減少しているのだそうです!! ひゃ、百三十万円……。
なんでも、普通に成長し続けてたら、今の生活をしながら軽自動車なら1台くらい、毎年買えたくらいの所得が減っているとのこと。
10年貯めたら、家が一軒買えるくらい減少しているんですって。我々庶民の所得は。
そして2014年の消費税増税で、5%→8%へと3%、消費罰金が増えました。消費したら罰金を受ける国家で、どうやって経済成長するのか?
閑話休題。好景気ならともかく、デフレと不景気によって所得は増えません。所得が増えずに、消費税が増えれば、消費性が増えた分だけ消費が下がるのは明白。
消費税を3%上げたら、消費が2.9%減ったのだそうです。
消費が減る=企業も売り上げが落ちる=所得がさらに減る=デフレスパイラル、です。
10%という「キリのいい数字」がやばい
心理学的に「税の顕著性」(英語のほうは忘れました)という概念があるそうです。
簡単に申し上げますと、8%だと「ん? えっと39800円で消費税が……いくら?」となりますが、10%はキリのいい数字なので「えええ……3980円も消費税かかるんか!」と明確に意識できます。
いくら取られているか? が顕著になるほど、人間はその影響が大きくなる=消費をしなくなるのだそうです。
つまり、8%に消費税増税をした時より、消費の落ち込みが顕著になる可能性が、非常に高いとのことです。
軽減税率は所得移転
消費税増税は6.3兆円もの増税になるようです。
ここで「消費税を増税しても、大丈夫だよ~」といっている人たちは、「軽減税率で6.6兆円も支出するんですよ? 消費税増税の影響は消えます!」といいますが、これは間違っているようです。
消費税増税は、増税した分だけ確実に需要と消費を減らすのに対して、軽減税率の中身はすべて所得移転です。
所得移転とは、2009年の麻生内閣の定額給付金のようなものです。
このとき議論されたのは、消費性向です。
つまり、仮に1万円を国民に配ったとして、そのうちいくらを消費に回すのか? という議論です。
このような所得移転の場合、消費性向は私の覚えている限りで0.4~0.7になります。藤井聡教授の議論で、今回はあっても0.5ほどだろうとのこと。
つまり、消費税増税で6.3兆円確実に消費が減少するのに対して、軽減税率は3.3兆円ほどしか効果を発揮しないのです。あとは貯蓄に回ります。
単純計算すると、3兆円の経済縮小効果が消費税増税にはあり、乗数効果を掛けて6兆円ほど、経済が縮小するはずです。
さらに税の顕著性の効果も考えると、”軽減税率が適用されてすら”1%以上のGDP押し下げ効果があるのではないでしょうか?
消費税増税は、日本経済を確実に凋落させる
令和の消費税増税5つのデメリット 日本没落を消費増税が招くにも書きましたが、消費税増税は、日本経済を確実に凋落させます。
経済とはまず、需要や消費によって成り立ちます。
もしも人間が仙人のように、霞を食べて生きる存在で、物欲がなければ……経済は衣服でしか成り立たないでしょう? いくら食べ物を生産したところで、食べる人がいないのですから。
我々は仙人ではありませんから、最低限度の食事や生活必需品が必要です。そこからむしり取っていくのが、消費税という”消費罰金”なのです。
経済がこれで、成長するはずがないでしょう。
というのが、藤井聡京大教授と荻原博子先生の「危ないお金の話」動画のレビューです。
【危ないお金の話】消費税は上げたらアカンの見どころ
議論自体も大変面白いのですが、それよりなにより、どんどん萩原先生に合わせてヒートアップしていく、藤井聡京大教授の藤井節が見どころです。
この動画で藤井節80%というところでしょうか? かなりマックスな数字です。
30分程度の動画ですので、楽しみながら「消費税がどれだけやばいか?」を、皆様も学んでくださいませ。