「ちょっと暇だし何かアニメでも見たい!」「マンガでも読もうかな?」と思っても、重厚なストーリーには手をつけたくない。そんなときってありますよね。
彼方のアストラは誰でもストレスフリーに楽しめるポテチみたいなアニメ。食べ始めたら止まらない! なに? それは、かっぱえびせんだって? そうとも言う。
筆者は彼方のアストラのマンガもアニメも見ています。そんな筆者が彼方のアストラの評価や感想をお伝えします。
結論だけ先に言うと彼方のアストラは星4つの秀作で、誰でも楽しめる娯楽作品です。
基本情報
彼方のアストラ原作は2016年から1年半、Webコミック「少年ジャンプ+」で配信されていたマンガです。作者は篠原健太で、前作はジャンプで連載されていたスケットダンスです。
彼方のアストラのマンガ版は全5巻で完結済み。マンガ大賞2019を受賞しており、その評価の高さを窺わせます。同年、2019年にアニメ化して全12話が放送されました。
彼方のアストラは「SF」「ミステリー」「青春」「アドベンチャー」とさまざまなカテゴリーが入り交じった作品です。しかし決してクドくありません。
登場人物
登場人物のメインは10名です。
カナタ・ホシジマ
十種競技の英才で主人公。将来の夢は宇宙探検家。遭難したアストラ号ではキャプテンを務め、メンバーの数々の危機を救出します。
ここまで聞くと万能型主人公ですが、正義感や情熱のある普通の高校生。
アリエス・スプリング
ヒロイン枠の朗らかで天然な性格。映像記憶能力があり一度見たものは忘れません。おっちょこちょいでオープニングすぐ、ひったくりに遭い「知ったかぶりー!」と勘違い。
これだけ聞くとアホの子ですが、危機の際にはみんなを救うアイディアを出す頭の良さもあります。
ルカ・エスポジト
一人称が「おいら」ですが、別にひろゆきではありません。お調子者、ロン毛でやや小柄な美少年。手先が器用で絵が上手く、船内の修理や弓の作成などもこなします。
コミュニケーション強者で誰とでも人見知りせず話します。
シャルス・ラクロワ
王子様っぽいルックスをした生物にとても詳しい二枚目美少年。料理もできて頭も回るためにキャプテンであるカナタの右腕になります。
ただし生物への愛情が行き過ぎて変態っぽい部分も。三枚目なのか二枚目なのかはっきりしない二枚目。
キトリー・ラファエリ
ザックと幼なじみの少女。感情的ですぐに泣いたり怒ったりするツンデレ担当。医者の親がいて自身も医者になるため勉強しており、医療知識が豊富です。
なぜかヒロインのアリエスより、キトリーファンの方が多い気がします。
ザック・ウォーカー
IQ200超えの天才で宇宙船操縦免許を持ち、将来は科学者を目指している少年。感情を表に出さずクールで知的です。キトリーとは幼なじみという超絶うらやまけしからん境遇。
じつは幼い頃にキトリーと結婚の約束をしており、本人は結婚するものと信じて疑っていません。彼方のアストラのキーマンです。
フニシア・ラファエリ
キトリーの家に引き取られた幼女で養女。外見はキトリーの幼い頃とそっくりで、本当の姉妹だとポリ姉に勘違いされます。
B5班の課題「10歳の少女を同行させる」でキャンプに同行します。彼方のアストラの癒やし担当。
ユンファ・ルー
世界的歌手の娘であり、「私は透明になりたいの……」という切ない名台詞を残すユンファ。引っ込み思案で人見知りし、不器用で目立たないようにしています。
歌でみんなを助けたことにより自信を持ちイメチェンした結果、超絶美少女に変身します。
ウルガー・ツヴァイク
最初は尊大で皮肉屋なウルガーは視聴者のヘイトを集めます。しかし、カナタに助けられたことで態度を軟化させてメンバーと協力することに。
射撃の名手でフニシアやルカと仲がいいです。うらやまけしからんです。
ポリーナ・リヴィンスカヤ
アストラ号が立ち寄った惑星イクリスで、コールドスリープしていた女性です。ロシア人宇宙飛行士でメンバーからはポリ姉の愛称で親しまれます。
コールドスリープした当時の年齢は28歳で、コールドスリープは12年と考えられていましたが――じつはどんでん返しで140歳?! わかった瞬間にショックで倒れます。
あらすじ
ストーリーは2063年を舞台に始まります。誰もが宇宙旅行に気軽に行ける時代、ケアード高校B5班は惑星キャンプに出立します。目的地は惑星マクパ。
メンバー全員が惑星マクパに降り立ちキャンプの準備をしようとしたところ、謎の球体により宇宙空間に放り出されます。
ワープ先でたまたま宇宙船を見つけ避難できたものの、食料は3日分しかなく現在地は5012光年の彼方。
しかし、ザックが持っていた惑星リストで3日で到着できる水と食料のある星を見つけ、5つの星を経由することで帰還できる可能性を発見します。
メンバーで協力しながら宇宙探索をすすめたり、謎の球体でメンバーを抹殺しようとした黒幕を探したりします。
そこから浮かび上がったのは壮大な陰謀。仲間だと思っていたのに――!
宇宙探索を通じて大きく成長したメンバーが、マスコミを通じて陰謀の真実を公表。SFやミステリー、青春、アドベンチャーが入り交じった壮大で心温まるストーリーです。
感想と評価
彼方のアストラへの評価で多く言われていることですが、構成力が半端ありません。多数の伏線はすべて回収され、きれいにストーリーが完結します。
じつは筆者、アニメは二度ほど視聴しています。ストーリーを知っていてもなおワクワクしたり、感情移入できたりするアニメはそう多くありません。
これも構成力が高いからこそだろうと思います。
アニメのジャンルとしてはSFやミステリー、青春、アドベンチャーなどが入り交じっています。かといってゴチャゴチャしているかと聞かれると、他のアニメよりシンプルなくらいスッキリしています。
じっくりとミステリーを解き明かすように見るのもよし、ストレスフリーにアドベンチャーとして楽しむもよしです。
彼方のアストラは作画が平凡なので、正直なところ最初はパッとしませんでした。しかし、ストーリーだけでこれだけ魅せられると思い知らされた作品でもあります。
筆者は勝手に隠れ名作と思っていましたが、検索してみると多くのファンがいる作品です。
とにかく一度、見てほしい作品。秀作でとても面白かったので評価は星4つです。
口コミ
原作の漫画作者は『SKET DANCE』を少年ジャンプで連載していた篠原健太先生です。
この作品は配信サイトの少年ジャンププラスで連載されていた作品で完結済みです。全5巻。
そのためか話に安定感があるのに加えて、無理やり伸び縮みさせることなく12話でスッキリ収まる安心感があります。
ジュブナイル、コメディ、SFサバイバル、
幾つかの惑星を冒険するアドベンチャー、どこか長閑でノスタルジックな会話・・・、
物語序盤は、色々な要素が綯い交ぜとなって、混乱する人がいるかもしれません。
しかし、その綯い交ぜ感がより深い感動をもたらしてくれます。
命の危険と衝撃的な出来事によるシリアスさ、
ノスタルジックで滑りがちな”ゆるいギャグ”、
この緩急が感情のアップダウンを生み、心に強く訴えかけるとともに、
スピード感と衝撃をもたらす。その効果が魅力的な作品でもあります。
篠原健太の作風を知っている人にとって高評価なアニメです。逆に本格的SFアニメを期待した人にとっては低評価のようです。
筆者は「ぼーっと気楽に見たいときに、おすすめできるアニメ」だと思います。
まとめ
彼方のアストラの評価は検索すると好意的なものが多いです。一方、Amazonのレビューなどを読むと低評価や辛辣なものもあります。
どの作品でも辛辣な評価はありますが、筆者は彼方のアストラは秀作・名作の部類だと評価しています。
がっつりとSFアニメを見る体勢ではなく、ぼーっと娯楽作品を見る体勢で視聴することをおすすめしたいアニメですよ。