竹中平蔵氏がMMTを認めた箇所を、以下の動画から文字起こしをしました。途中、よく聞き取れない箇所も若干あります。6~7分程度で読める文章量になっています。
司会「あ~シンプルな質問ですが『このまま行くと日本は財政破綻をしますか? しませんか? どうなるのか考えを教えていただきたい』自営業50代男性・和歌山県の方なんですが……。
これは、竹中さん。財政破綻の問題、どうお考えでしょうか?」
竹中平蔵「えっと……今年、一般会計予算の規模は100兆円ちょっとだったわけですけれども、これが今、160兆円になっています。
しかし今の時点でですね需給ギャップが、まあ、つまり需要の不足が30兆円以上あると言われてますので、そのかなりの部分を今度の第3次補正予算で埋めなければいけない、え~そうするとまた国債を発行することになります。
その意味では財政が膨れ上がってるんですが、これ、世界中で同じことが起こっています。
今まで財政当局は『これ以上、国債を発行すると大変なことになる』という風に言ってきたんですが、今回、そうではないということが世界中で明らかになっています。
問題はむしろそれを減らしていかなきゃいけないねっていう……」
田原総一朗「え? 何を減らすんですか?」
竹中平蔵「あ、財政の赤字をですね。減らしていかなきゃいけないってのはわかるんですが……」
田原総一朗「え、だって……へあ! へあ! どうやって減らすんですか」
僕(ウルトラマンかよ)
竹中平蔵「いやそれは、今、特別にいろんなこう……お金を支出していますから。特別なお金を支出していますよねえ。雇用助成金にしたって今、異常な状況だから出してるわけですけれども、それが、できるだけ早く減らして経済を成長させていきたいと。
しかし今むしろ問題になっているのは、それをあまりに急いで減らしすぎるなと。これを財政の崖っていう風に言うんですけれども、財政の崖を起こさないように経済をできるだけ正常化して、それを、財政の支出を減らしていきたいと。
それが今、各国が考えていることだと思います」
森永卓郎「あの、田原さんいいですか~? 私は全く違う考え方を持っていて、その~、いままでね財政均衡主義者っていうのは財政をバランスさせないといけないって、収入の範囲内で財政をやんなきゃいけないって、まあ、財務省も含めてみんな言ってきたんですけど、今回わかったことは……そんなことするとすごいインフレになっちゃうぞって脅してきたんです。
でも、そんなことはないんだってことが今回、世界中でわかったんですよ。
私は、え~、国債残高を将来的に減らしていく必要なんて全くないと思います。つまり一切国民負担を求めずに、全部、中央銀行が国債を買い取る、え~形で。
私周りの経済学者に聞いてるんです。これ、意見は分かれてるんですけど『あと3000兆円くらいは大丈夫』っていう人が私の周りでは多いです」
竹中平蔵「あのね森永さんね、国債残高を減らすっていう風に言ってる人は、私はほとんどいないと思いますよ。国債残高を減らすためにはね、かなり、毎年毎年、巨額の財政黒字を出さなきゃいけないわけで、そんなことはとてもできないんです。
毎年の国債発行額をできれば少し減らすと……その程度の話ですよ。いまおっしゃったようにね、財政均衡論者が言っていたこと、これは間違いです。ただ、それは間違いだってことは今、明らかになってますから。
しかしそこを上手くコントロールしながら……」
森永卓郎「竹中さん、じゃあといくらくらい国債を増やしても大丈夫だと思います?」
竹中平蔵「いや、そんなことわかりません。ただ今のところですね、今のところ、あの~日銀がそれを買い取る形でね、マーケットからですけれども買い取る形になっていますから……今年に関してはですね、今年に関してはまだ数十兆円、場合によっては100兆円くらいの国債を出しても、私は問題は起きないと思います」
森永卓郎「えっとそれを来年、再来年とずーっとやっても大丈夫じゃないですか?」
田原総一朗「野村さん、え~あなた専門じゃないけども……(発音が悪くてよくわからない)ハーバード大学の(発音が悪くてよくわからない)がね? 日本は財政赤字が多いけど(発音が悪くてよくわからない)はないと。MMTっての?
ね、ありますねMMT。これどう思う?」
僕(田原総一朗さんは滑舌悪すぎ)
野村修也「ま、要するにですね、どんどん借金して、その借金をしたものによって、例えば貧困の方々に対してお金を提供することがむしろ可能なんじゃないかと。要するに財政規律の方を優先させることによって、これまで、お金が回らないっていう状況を起こしていたことに対して、もっとですね、借金をしても……今、森永さんがおっしゃったように中央銀行が結局のところお札を刷って、バランスさせて、買っていけば上手く行くんだって言う議論はあると思います。
で、これに対する、あの~批判点っていうのは結局あの、インフレが、まあそのハイパーインフレになるんじゃないかっていうことが懸念されているからダメだって言われていたのに対して、現実にはそれがあまり起こってないんじゃないか、ていうことで今、議論されていると思うんですね」
田原総一朗「いや、なんでこのことを今、(発音が悪くてよくわからない)にするかというと、さっき雨宮さんも言ったように、これから倒産がどんどん増える! 職を失う人がどんどん増えてくる! こういう人たちをどこまで助けるのかっていうのが、これからの大問題になると思う! んですね。
改めて議論しますが――」
(画面が切り替わる)
田原総一朗「ほんとは竹中さんに聞きたいんですが森永さん! 今ねぇMMTなんて言葉あるよね。とにかくもう今これからコロナ問題で、どんどん職を失う人が増えてくる。どんどん倒産が増えてくる。徹底的に助けようと! 財政なんか、いいじゃないかと! これはどう?」
森永卓郎「MMTっていうのはですね、その、貨幣の理論の他に雇用創出プログラムで、そこで出た通貨発発行益で、みんな、政府が仕事を創り出してあげましょうってのが入ってるんで。私は政府が雇うってやり方には反対なんですよ。
通貨発行益で何をするかって言うと私は、一番いいのはコロナが続いている限り毎月特別定額給付金1人10万円ずつ出し続けるっていうのをやれば、私はかなりの貧困っていうのを救えるんだと思っています」
野村修也「え、森永さん、それってあれですか? その、特定の困っている人に対してですか?」
森永卓郎「いや、そうじゃなくて国民一律です」
野村修也「なるほど」
(画面が切り替わる)
竹中平蔵「MMTっていうのはいろんな解釈があるんですけども、無限に、無限に国債を出してもいいということではないですよね。でも当面、やはり現実問題としてはかなり国債を出す余地はあって、そのお金を上手く使って経済の体力を付けていきましょうということだと思います。
で、インフレが起きるかどうかですけれども、じつはその危険はあって、今、戦争が起こったらインフレが起きるわけですけれども、それはつまり工場がなくなって、供給力が減った。しかし需要はある、だからインフレが起きるわけですが、今は別に供給力がなくなっているわけではなくて人が動かないので、需要の方が小さいと。
だからものの値段は上がらないんですが、その分、全部資産にいってるわけです。第2四半期、株価が、GDPがあんなに下がっても株価は上がったし不動産の価格は上がってると。
だからその資産インフレには気を付けないといけない」
資料として必要だと思い文字起こしをしました。引用、転載するときは記事URLを添付いただけると助かります。
同番組を見逃したので感謝です。
これを視聴した限り、竹中平蔵氏は、「MMT消極論」という印象を持ちました。
巷間流布している「竹中氏がMMTは正しいと言った」という噂は間違いでしたね。
どういたしまして~。そうですね、消極的容認といったところでしょうか。