「タイのデモで『黄色いアヒル』がシンボル? またけったいな感性してはるな」と、最初は何気なく画像を開きました。
そして黄色いアヒルを見て「これ中国製っぽくね?」と調べ始めたのが本稿のきっかけです。
色々と迷走した結果、「タイ経済はもはや、中国なしには立ちゆかないのではないか?」との結論に。
タイでは2014年にも大規模デモとクーデターが起きています。しかし「なんでデモしてはるんやろか?」と多くの人が不思議に思っているはず。
黄色いアヒルを調べた経緯と、デモの理由について解説します。
タイの反政府デモのシンボル「黄色いアヒル」
タイでは反政府デモが大規模化しており緊張感が高まっています。放水車による鎮圧や2年ぶりの不敬罪の適用など、政府の対応が強行になりつつあります。
そんなタイの緊迫した反政府デモを和ませるのが、シンボルである黄色いアヒルです。放水車からデモ隊を守っていた黄色いアヒルがヒーローだと、SNSで広まってシンボルになりました。
過去にはなぜか「とっとこハム太郎」がシンボル化されたことも。ちょっと意味がわかりません。
どうもタイ人の考えるデモは日本人のそれと、大きく異なるようです。これは文化の違い、で片付けていいのでしょうか。
悲報「黄色いアヒル」の製造元が中国の可能性?
「黄色いアヒル」はどこで作られているのか? この手の製品はだいたい中国製では? と、あらゆる検索スキルを駆使してみましたが、残念ながら製造元は判明しませんでした。
デモで使用されている製品は、インテックスが販売している黄色いアヒルのボートです。しかしどの販売サイトにも製造元が書いておらず、あえなく調査を断念。
画像を比較すると意匠が完全に一致。黄色いアヒルは150cm弱のサイズがあり、かなり大きいようです。
タイ経済の中国依存度は高い
黄色いアヒルの製造元はわかりませんでしたが、タイ経済の中国依存度は高いようです。
タイ最大の産業は観光業でGDPの12%を担います。インバウンドが日本のGDPに占める割合が0.6%ですから、タイの観光産業がどれだけ大きな割合なのか理解できます。
タイの中国人観光客は2019年で1100万人、観光業全体の3割弱を占めます。
また元陸軍大将のプラユット首相は2014年のクーデター以降、中国のとの関係性強化を図ってきました。中国の一帯一路戦略も支持しています。
反政府デモの原因は大きく分けて2つ
タイの反政府デモ原因は2つあります。
- プラユット首相の強権政治への反発
- タイ国王への不満
2014年にクーデターによって政権を奪取したプラユット首相は、野党へ強権的に振る舞っています。
こういった強権政治に学生を中心として反発し、デモに発展しています。
一方、現在のタイ国王は前国王のように国民から人気がありません。1年のほとんどをドイツで過ごすという生活スタイルで、当のドイツ政府すらタイ国王を批判しています。
前国王が亡くなったときもドイツにいて、国民から王室への敬意は薄れるばかりです。
そんな中、コロナ禍が起きてタイ経済は大きな打撃を受けました。タイ国内はコロナ禍を免れているとは言え、中国からの観光客激減などダメージは増すばかり。
タイでは何百万人という失業者が出ており、デモで政治改革を求めているとのこと。要するに「この危機的な状況を打開できない独裁政権などいらない!」というのがデモの理由でしょう。
まとめ
タイ経済が大打撃を受けたのは、コロナ禍によりGDPの12%を占める観光産業が不振に陥ったからです。
そしてその観光産業の3割弱を中国が占めます。
タイと中国の経済は密接不可分で、一体化寸前とすら言えるでしょう。プラユット首相でなくても親中路線は確定的でした。
中国政府はこのタイの反政府デモを苦々しく感じるはずです。
親中政権へのデモですから当然でしょう。
アメリカは中東で親米政権が倒れそうになると、何らかの干渉をして阻止しようとします。果たして中国は同じように動くのか? 注目したいところです。
デモに「黄色いアヒル」や「とっとこハム太郎」を使う感性を持つ微笑みの国が、この先どこに行くのか?
いつか旅行をしてみたい国No.1ですから、少しだけ気がかりです。
個人的には、デモを支持してるんですけどね・・・。
自分は、不敬罪とか嫌いなので・・。
(言いたいことも言えない世の中なんかポイズンですよ・・)
ただし、この運動が仮にもし、王政打倒にまで仮にもし拡大してしまえば、それはそれで中国の望む所なのでしょうから、そこまではいかないことを望みますが・・・・・。
タイってクーデターとデモが日常茶飯事なんですよね。民主主義も安定しないですし。
もしデモが効果を発揮して政権が倒れても――何年後かにはまたクーデターしているかもしれません。
どうなるんでしょうね~。