映画「ラーメン食いてぇ!」は、心が疲れたときに見たい映画。ストーリーがシンプルなので、ぼーっと素直に見られる娯楽映画、ヒューマンドラマです。
登場人物も少なく、非常にわかりやすい作品です。
とてもミニマムな映画ですが、なぜか無駄に壮大です。そして謎感動も呼び起こす、そんな映画。
基礎情報
ラーメン食いてぇ!はもともと、Web漫画作品です。2014年から配信されて、Webコミックサイト「モアイ」で再配信された結果150万PVを獲得しました。
人気に火が付き、単行本としても上下巻が発売されています。原作者は林明輝氏で、映画の舞台ともなる群馬県出身の漫画家です。
作者の実家がラーメン屋を営んでおり、それが漫画や映画で登場するラーメン屋「清蘭」の元ネタになっているそうです。
2017年に映画化が決定し、2018年に公開されました。
登場人物とキャスト
主な登場人物は、たったの4名。正確にはもう少しいますが、メインは4名です。
主人公 紅 茉莉絵/こう まりえ(中村ゆりか)
主人公は女子高生。年齢は明らかにされていませんが、高校2年生くらいでしょうか。
やや病弱な印象を受ける、か弱い女子高生……と思いきや。案外アグレッシブです。
コジマ(葵わかな)
主人公の親友ポジション。作中では「コジマ」とだけ呼ばれており、名前などは不明。主人公とは対照的に健康的で、はつらつとしたボーイッシュな女子高生。
才能は食いしん坊であること。
赤星 亘(片桐仁)
料理研究家として名前をはせており、過去にラーメン屋「清蘭」に取材に来たことも。演者が片桐仁であることでお察しの通り、非常に個性的なキャラクター。
紅 烈土(石橋蓮司)
主人公のおじいちゃん。映画が終わるまで名前を呼ばれないので、名前があったことに驚き。よって名前の読みも、ちょっとわかりません。おそらく「こう れつど」でしょうか。
あらすじ
主人公の紅 茉莉絵は、親友にコジマに裏切られて彼氏を横取りされます。失意のどん底で紅 茉莉絵は、自殺未遂を図ります。
一方でおじいちゃんの紅 烈土は、ラーメン屋「清蘭」を休業中。おばあちゃんに先立たれて希望を失い、飛び降り自殺で後を追おうとしています。
その頃、赤星 亘は海外ロケで事故に遭い死にかけます。当てもなくウイグルの荒野で、ラーメン屋「清蘭」のラーメンを思い浮かべながら生きようともがきます。
「最後に清蘭の、ラーメン食いてぇ!」
紅 茉莉絵は自殺未遂によって病院に運び込まれ、おじいちゃんの血液で輸血を受けます。おじいちゃんが持ってきたラーメンのスープを飲んだとき、血とスープが記憶を呼び覚まして「ラーメン作りたい!」と決意。
筆者はなぜか、謎感動。
おじいちゃんからラーメン作りを教えてもらうものの、紅 茉莉絵の食の細さが調理でハードルになります。おじいちゃん曰く「調理は食いしん坊の才能がいる」とのこと。
美味しいラーメン作りのための相棒を、紅 茉莉絵はコジマと決めます。2人でおじいちゃんに師事し、ラーメンを作る日々。
家族の反対というハードルをクリアしようと、紅 茉莉絵とコジマも両親を招いて食事会を開きした。そこに生還した赤星 亘が加わり、ラーメンの偉大さが再確認される、というあらすじです。
正直ネタバレしようとしまいと「ラーメン食いてぇ!」の面白さは変わりません。
――最初から「こんなストーリーだろうな」と予測が付くほど、まっすぐに物語が進みます。
感想と評価
映画「ラーメン食いてぇ!」の一番の特徴は、とにかくシンプルであること。そして無駄に壮大です。
赤星 亘がウイグルの荒野でさまよっている場面から、映画は始まります。ラーメン映画を見に来たはずなのに、え? なんで? と戸惑わされます。
しかし物語はシンプル。ラーメンによって3人の命が、救われるというストーリー。
小難しさは一切ありません。まさに誰でも美味しく食べられる、シンプルなラーメンを体現したかのような映画です。頭の中にすっと入ってくるヒューマンドラマは、明日への活力を私たちに与えてくれます。
ぼーっと見たい人や、疲れているときに見る映画として最適です。
口コミ
たかがラーメン、されどラーメン。
ここには全編にラーメン愛が溢れています。
主演された若いお二人の女優さんの懸命の努力や、スタッフの熱い気持ちが画面から湯気のように立ち上って、観る者をワクワクさせます。また、友情、親子の愛、動物を慈しむ気持ち、など色々と考えさせられる一面も。
食は3大欲の一つ、うまいものを食う、やっぱ幸せになれますよね。
冒頭、自殺未遂×二人+海外遭難一人という暗いスタートでしたが、
そんなの吹っ飛ばしてくれる中盤から終盤の展開、最後は涙腺崩壊でした。
ラーメン・食を通して友情・人生・家族愛等が良く描かれていると思います。
口コミのレビューではどうも、2つに評価が割れているようです。「普通に面白い!」と「学芸会レベル」です。
筆者は「普通に面白い!」派です。楽しんだもの勝ちなのであります。
予告動画と本編が見られる動画サイト
予告動画は1分30秒と短めです。
予告動画だけを見ると、とても鬱っぽい映画に見えますよね。でもシンプルで、明日への活力をくれる映画です。
どちらも1ヶ月間無料で、お試しができますよ。
まとめ
若い頃は洋画ばかり見ていたのですが、最近は邦画を見る機会が多いです。そして邦画も、捨てたもんじゃありません。
日本人の感性で描かれているので、やはり日本人にジャストフィットします。
邦画の中でも「ラーメン食いてぇ!」は、すんなりと見られる良作映画と言えます。
映画が気に入ったので、漫画を読もうと思っています。「ラーメン食いてぇ!」は映画から入った、筆者としては珍しいパターンです。