立憲民主党に合流しなかった、新・国民民主党設立大会で岸本周平議員がぶち上げました。「今のままでは財政破綻します!」だそうです。
この発言をうけて、玉木代表は火消しに走り回ることに……。ご愁傷様です。
強硬な緊縮派の岸本周平議員とは、どのような人物なのでしょうか? 政策や政治スタンス、来歴、エピソードなどをまとめて解説します。
来歴と基礎情報
岸本周平議員は1956年7月、和歌山市内で生まれました。東大を卒業後に大蔵省に入省し、エリート街道まっしぐらに進みます。
1995年、40歳手前でアメリカのプリンストン大学に留学し、客員研究員や客員講師を務めます。この体験を元に、以下の書籍を出版。
なお上記の書籍は、新書で44円です。やっす! なんでやねん?!
2000年代初頭には小泉内閣の元で、竹中平蔵氏のブレーンを務めます。その後、2005年に民主党から立候補するも落選。このときに立候補を反対され、離婚しているとの報道もあります。
2009年に再度立候補し、和歌山1区で初当選を果たします。
2012年の衆院選では民主党に逆風が吹き荒れるも、自民党や維新を退けて再選。
選挙はなかなか強そうです。
2013年にNHK人気女性キャスターの飯田香織さんと結婚。報道によれば春頃に入籍した、とのことです。
2014年、2017年ともに自民党などを退けて、4選を果たしています。
2020年現在、立憲民主党に合流せず、新・国民民主党に籍を置いています。
政策や主張
岸本周平議員の、政策や政治スタンス、主張についてまとめます。
構造改革論者
竹中平蔵氏のブレーンを務めていただけあり、完全な構造改革論者です。
2005年に民主党から出馬したのも、自民党ではいわゆる抵抗勢力がいて改革ができない、限界があると感じたからと話しています。
例えばあるブログ記事では、以下のように著しています。
労働人口をすぐに増やすことはできませんから、処方箋は、
①社会保障を合理化して、政府の赤字を減らすことと、
②生産性を上げること、しかありません。
アベノミクスへの逆提案‐ふつうのバランスのとれた経済政策 | 衆議院議員 岸本周平 official website
構造改革が足りないから、失われた20年が長引いている! とのスタンスです。
バリバリの緊縮財政主義者
構造改革論者と来れば、もちろん超が付く緊縮財政論者です。
岸本周平議員のブログ内検索をしたところ「フリーランチはない」「赤字を削減」「国の借金」と出るわ出るわ。
プライマリーバランス至上主義であり、財政健全化のために赤字削減しかないとの立場です。
新・国民民主党の設立大会では「このままでは財政破綻します」とぶち上げました。
参照 新・国民民主、神経とがらす「緊縮派」扱い 設立大会の「赤字国債」発言に玉木代表は…: J-CAST ニュース【全文表示】
基本的に経済政策や構造改革以外で、目立った政策は主張していません。例えば憲法に関しては、非常に一般的な主張です。
印象に残った事件やエピソード
岸本周平議員の来歴などを調べていて、印象に残った事件やエピソードを紹介します。
大蔵官僚時代のノーパンしゃぶしゃぶ事件
今の若い人は知らないかもしれませんが、1990年代の東京にはノーパンしゃぶしゃぶがありました。
ノーパンしゃぶしゃぶとは、なんぞや?
参照 ノーパンしゃぶしゃぶ 画像
どうやらきれいな女性がノーパン&ミニスカートで、しゃぶしゃぶを提供する店だったようです。コンロなどを設置している最中に、男性は下からのぞこうとするようなお店なんだとか。
このノーパンしゃぶしゃぶに、大蔵官僚が接待されていた! という事件が起こりました。接待元はいわゆるMOF担と呼ばれる、大手金融機関の行政担当者です。
このMOF担に、岸本周平議員自身も接待されていたとのこと。ノーパンしゃぶしゃぶに行ったかどうかは、定かではありませんが。
2009年~11年にかけて不透明な資金の流れ
政治資金規正法違反ではありませんが、2009年から2011年までの政治資金の流れが問題視されました。
「誤解を招く恐れがあるなら運用を改善する」と釈明した模様。初めての当選だったので、勝手がわからなかったのかもしれません。
2020年2月6日に牛丼は体に悪いと発言
今年の2月にTwitterで、岸本周平議員は「牛丼は体に悪い」とツイートして炎上しました。直前のFacebookでも、同様の書き込みをしていたようです。
成長ホルモンや成長促進剤を使ったアメリカンビーフの可能性が高く、健康には悪いのですが、安くて美味しいのでよく食べます。人生も後半戦なので、まあいいかっと。若い人は気をつけてくださいね
牛丼は「健康に悪い」ツイート物議 国民・岸本周平議員「不快な思いさせた」、玉木代表も謝罪: J-CAST ニュース【全文表示】
「営業妨害やんけ」「吉野家への誹謗中傷やろ」と、批判が殺到。批判は特に、大阪弁ではなかった模様。
この炎上に対して吉野家は大人の対応を取り、評価を上げました。
緊縮財政派だが理論はめちゃくちゃ
岸本周平議員は緊縮財政派で、大蔵省や財務省出身です。さぞやガチガチの理論武装をしているかと思いきや、穴だらけの理論です。
新・国民民主党の設立大会で、以下のように発言しました。
MMT、お金を刷れば、日銀が刷れば大丈夫(だという考え方がある)。本当だったら、ローマ帝国だって、大英帝国だって、江戸幕府だってやっているはず。やっていないということはできない、ということ。必ず責任を持って(払わなければいけないし)、財源は私たちしか払う人はいない。それは、このコロナが終わった後、責任を持って。私たちは国民のいやなことでも、耳の痛いことでも、言っていかなきゃいけない
新・国民民主、神経とがらす「緊縮派」扱い 設立大会の「赤字国債」発言に玉木代表は…: J-CAST ニュース【全文表示】
見識を疑う、というレベルではありません。大丈夫でしょうか。ローマにも江戸幕府にも、中央銀行制度や管理通貨制度はありませんでした。
例えば以下のように、人権に置き換えるとわかりやすいです。
人権思想、生まれながらに、人権を持っている(だという考え方がある)。本当だったら、ローマ帝国だって、大英帝国だって、江戸幕府だってやっているはず。やっていないということはできない、ということ。
こんなことを言う政治家は、落選まっしぐらですよね。だからこそ玉木代表は、必死になって火消しに奔走しているのです。
現代の信用貨幣や管理通貨制度、中央銀行制度に言及すると、余裕で記事1本分になってしまいます。よって岸本周平議員の理論的な穴については、上記の話までに留めます。
まとめ
岸本周平議員の情報をリサーチしてみると、日本は緊縮財政派、構造改革派の議員や世論が強いんだと改めて実感させられます。
国民世論は、緊縮財政や構造改革を望んでいます。
だからこそ岸本周平議員は、2012年の民主党に逆風の中でも選挙に勝利しました。
この恐るべき事実を、積極財政派のあなたは心に留めておくべきでしょう。
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>岸本周平議員
こういっちゃあなんですが、岸本議員は維新の会の方が心情的には近いんじゃないかとさえ思えるんですが・・(^^;)
(おそらく原発ゼロに賛成できなかったから、立民に合流しなかったんじゃないかと思えるので・・)
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>例えば以下のように、人権に置き換えるとわかりやすいです。
>人権思想、生まれながらに、人権を持っている(だという考え方がある)。本当だったら、ローマ帝国だって、大英帝国だって、江戸幕府だってやっているはず。やっていないということはできない、ということ。
この例え、わかりやすいですね・・・。
まあ、そもそも、21世紀になってもロシア・プーチン帝国や中国共産党帝国ではやっていないので、じゃあ、そもそも人権思想なんてないも同然・・!?
というのは冗談として、そのくらいには儚い思想だということはわかりますね。
人類の不断の努力が必要なのでしょう・・。
>こういっちゃあなんですが、岸本議員は維新の会の方が心情的には近いんじゃないかとさえ思えるんですが・・(^^;)
おっしゃるとおりでしょうね~。なぜ未だに、民主党にいるのかわかりません(笑)