ほんまにやばい大阪都構想9つのポイントをわかりやすく解説

今さら聞けない「大阪都構想」| 特別区と総合区より

 コロナ禍で、吉村知事や大阪維新の会が支持率を上げています。コロナ禍以前からも、大阪都構想の住民投票は反対派が不利な状況でしたが、さらに不利になったと言えます。

 筆者は「こら、やばいなぁ……」と嘆息せざるを得ません。

 大阪都構想のほんまにやばいポイント9つを、3つにカテゴライズして解説します。

 大阪都構想のやばいポイントが理解できれば、新聞や報道を見る視点も変わってきます。教養としても活用できますよ。

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大阪都構想のやばいポイント

 大阪都構想の内容について、まずは3つのやばいポイントを紹介します。

①大阪都構想で大阪市を解体

 大阪都構想賛成派は「大阪市は解体されるんじゃなくて、特別区に再編されるだけ」とのたまいます。ちょっと別の例で、考えてみましょう。

大阪都構想は再編ではなく解体

 大阪都構想の大阪市に対する要点は、以下の2つです。

  1. 大阪市の政令指定都市としての、高度な自治は認めない
  2. 新たに作られた特別区は、権限も予算も小さくなる

 いいですか? 大阪都構想は大阪市民の投票によって決定されます。大阪市が当事者です。当事者の自治権が縮小され、予算や権限が小さくなることは「再編」でしょうか?

 大阪市という1つのまとまりが、4つの特別区に分断されることも「再編」でしょうか? どう考えても解体以外の何者でもありません。

 再編という詭弁、やばいでしょ。

解体が悪い理由

 「解体して何が悪いねん!」と強弁する反論もあるでしょう。けれども諸条件を勘案すると、解体は悪い結果しか生み出しません。

 第1に大阪という地域の成長エンジンである大阪市を、バラバラにしてしまうこと。4つの特別区に解体してしまえば、スケールメリットも少なくなります。

 「いやいや、大阪府に予算と権限が行くんだから、スケールメリットは大きくなるのでは?」という反論もあるでしょう。これは大阪市が政令指定都市である、という事実を忘れています。
 政令指定都市は都道府県と同じくらいの権限がありますから、権限と予算が大阪府に移ってもスケールメリットは特に働かないと思われます。

 第2に解体すると、再度大阪市に戻ることがほぼ不可能なこと。つまり「やってみた、でもダメでした、じゃあ戻そう」ができません。

 不可逆性が半端ないのに、とりあえずやってみるってやばいでしょ。

②予算と権限が大阪府に取り上げられる

 大阪市の予算と権限は、大阪都構想が実現すると大阪府に取り上げられます。こう言うとすぐに「大阪府に移るのは、広域行政の予算だけ!」という反論があります。

 個人のケースで例えて考えましょう。
 Oさんはマンションに住んでいました。マンションの大家さんが「マンション都構想!」と言い出して、Oさんが使用している光熱費分の金額は、毎月家賃に乗せて請求するそうです。

 請求された金額分までしか、光熱費は使用できません。節約しても、同じ金額を請求されます。
 Oさんは損はしてないでしょうか?

 このケースでは「光熱費を節約して、食費に回す」ということができませんよね。

 大阪都構想のケースでも一緒です。大阪市の権限と予算は取り上げられ、制限されるので裁量の幅も狭くなります。

 裁量の幅が狭くなる大阪都構想に、賛成する大阪市民はやばいです。

③少なくなった予算で住民サービスの維持は可能か

 では少なくなった予算と権限で、住民サービスの維持は可能でしょうか? この話でもすぐに「いや、確かに権限と予算は少なくなるかもしれない。でもそれは広域行政の予算だけで、住民サービスには影響がないはずだ」との反論があります。

 この反論をする人は、ちょっと頭がやばいです。

 なぜなら、広域行政とは防災やインフラ、成長戦略の予算です。インフラはもっとも根本的な、住民サービスですよ?!
 水道も道路も、もしも劣化したら住民は普通に「住民サービスが悪くなった」と感じるはずです。
 防災だってインフラに準じますから、一緒です。

 また都市の成長も、様々なビジネスを都市に呼び込んで住民の生活がよくなります。

 このように考えると、まさに「住民サービスに直結する予算が持って行かれる」わけです。

大阪都構想賛成派のやばい詭弁

 大阪都構想の賛成派の詭弁も、相当にやばいです。とある賛成派の記事を読んだところ、大阪都構想は自治体の理想型だそうです。いやいやいやいや……(汗)

 ならなぜ、京都府や他の政令指定都市を抱える都道府県が都構想をしないんですか。このような詭弁が、大阪都構想賛成派にはまかり通っています。

④半人前の特別区は地方自治体の理想の形?

 先ほど上述したとおりですが、付け加えておきます。特別区とは行政の専門家の間で、半人前の自治体と言われています。

 じつは特別区の権限は、市や町や村よりも「小さい!」のです。

 先ほどの大阪都構想賛成派の「大阪都構想は自治体の理想型」との妄言、ないし詭弁を換言すると「自治権の縮小こそ自治体の理想型」と言っていることになります。

 どう考えても、詭弁過ぎてやばいです。

⑤東京都が裕福なのは都制度だから?

 しばしば大阪都構想は、東京都のように裕福になるためにするのだと言われます。システムをまねれば、同じようになるはずだそうです。

 このように単純に考える人の単純さも、相当やばいです。

 例えばあなたが成功者のまねをしたら、同じように成功できるでしょうか? 答えは多くの場合はNOです。それぞれ持っている性質が異なりますし、境遇も異なるからです。

 東京都が裕福なのは、単純な理由です。首都だからです。よってインフラ整備を政府が重視して、東京圏は特に進められてきました。
 インフラが充実していれば、人は集まります。ビジネスも集まります。よって東京は裕福になりました。

 ですから東京のまねをするなら、大阪も政府に働きかけて「関西圏のインフラを充実させろ!」と要求するべきです。

 ちなみに東京都が都になったのは、太平洋戦争中です。理由は簡単で、国からのトップダウンを通りやすくするためです。普通に考えて戦争中にできた制度で、豊かになる?

 制度さえ変えればうまくいくなら、どこの企業も自治体も制度を変えまくりますよ。

⑥財政調整制度で住民サービスは低下しない?

 住民サービスが低下するのは、先の述べたとおりです。広域行政という「住民サービスのための予算」が大阪府に持って行かれるので、低下します。

 けれどしばしば、大阪都構想賛成派は「財政調整制度があるから、住民サービスは低下しないんだ!」と言います。

 財政調整制度とは何か? 簡単に言えば「地方交付金の府内バージョン」です。

 大阪都構想で4つの特別区ができても、4つとも財政に余裕があるかどうかはわかりません。苦しいところに多めに分配するのが、財政調整制度だそうです。

 しかしその分配は、大阪府・特別区協議会で諮られます。予算を握る大阪府と、お願いする立場の特別区のどちらが立場が強いか? なんて明白ですよね。
 立場が弱くなったのに、内部のサービスが変わらないなんて……そんなに都合のよい話がありますか? と問いたいです。

 どう考えたって、財政調整制度で住民サービスが低下しない! というのは詭弁です。

大阪都構想を推し進める維新の会のやばい姿勢

 大阪都構想賛成派の本丸と言えば、大阪維新の会です。大阪都構想賛成派の詭弁もやばいのですが、大阪維新の会の姿勢は「本当にやばい」です。

⑦タウンミーティングで平気で詐欺資料を出す

 2015年5月7日に、大阪市で大阪都構想の住民投票が行われました。結果は1万票差でかろうじて否決。

 この大阪都構想住民投票が行われる前の、大阪維新の会と橋下徹によるタウンミーティングは「催眠商法のよう」と評されました。

大阪都構想 維新の会が行うタウンミーティングはまるで「催眠商法」 | デイリー新潮
哲学者の適菜収氏が、大阪都構想を推進する「大阪維新の会」のタウンミーティング(TM)に参加し、その呆れた実態を告発、話題となっている。…
大阪市を潰そうとする維新の会の「嘘」。大阪維新府政下で各種データは悪化という真実 « ハーバー・ビジネス・オンライン
統一地方選と同日実施される大阪府知事、大阪市長の入れ替えダブル選(4月7日投開票)が近づいてきた。知事選では、大阪維新の会政調会長で大阪市長の吉村洋文と自民が擁立した元府副知事の小西禎一、市長選では…

 資料でメモリをごまかしたり、事実でないことをあたかも事実のように見せたり……。大阪都構想を推進する大阪維新の会主催なので、賛成に偏るのは仕方ありません。
 けれども公党がですから、最低限度の中立性や客観性は確保されるべきです。

 最低限度の中立性や客観性というのは、メモリをごまかさないなど「普通のことばかり」ですが、それすら守らないのが大阪維新の会という政党です。

⑧大阪市長が大阪市解体を推し進める

 「会社の社長が、会社の解体を進める」と聞くと「はあ? 何でそんなことするの? 頭おかしいの?」と思います。もしくは「計画倒産か?」でしょう。

 大阪市長が大阪市解体を進めるのが、大阪維新の会クオリティです。一般的に考えて「え? なんで? やばない?」と思いませんか?
 日本の総理大臣が、日本の解体をし始めたら普通に「やばい!」でしょ?

 ただし大阪市長が大阪市解体を推し進めるのは、大阪市民や大阪府民にも責任があります。大阪維新の会を、選挙で勝たせているからです。

⑨とにかく改革さえ叫んでいればよいと思っている

 システムを変えれば、何もかもうまく行くなんてことはない。こんなことは、社会人なら誰しも理解していることです。

 それでうまく行くなら、どんな会社も倒産しませんよね。同様に地方自治体でも、システムを変えればうまく行くなんてことはありません。
 ほとんどの場合はシステムを変更すると、それまでのノウハウが使えないので「やばいことになる」方が多いです。

 世の中ではシステムを変えることを、改革と言うそうです。改革とは換言すると、プログラマの世界で言う「仕様変更」です。

 いますよね。仕様変更を重ねれば、もっとよいものが出来るはずと思い込んでいるクライアント。それが大阪維新の会です。

 仕様変更? たいていの場合は、やばい事態に陥ります。

9つの「やばい」で大阪がやばい

 9つのポイントに絞って、大阪都構想のやばい部分を紹介、解説してきました。もっともやばいのは、いまの状態を「やばい」と感じていない大阪人だったりします。

 だから大阪維新の会が、選挙で勝つわけです。
 大阪人の大半が、仕様変更を重ねるクライアント状態です。……こう考えると、マジでやばいですよね。

 「変更すればうまく行く」という思い込みを、そろそろ日本人、特に大阪人は捨てましょう。うまく行かない原因を探って、それを改善するしかありません。

 ではなぜそうしないのか? 「原因を探るなんて面倒くさい」からに他なりません。

大阪都構想
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大阪都構想に反対するなら読んでおくべき一冊

 橋下知事にかみついた元大阪府職員・大石あきこ、藤井聡京大教授、山本太郎れいわ新選組党首3名による大阪後構想のおすすめ本。

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この記事を書いた人

「難しいこともわかりやすく」政治・経済コラムをメインに発信。2019年まで16年間自営業→SEO/ウェブ制作/ウェブライター/進撃の庶民管理人などで活動中。
日本で数少ない現代貨幣理論の論者(MMTer)。
左右や保守・革新にこだわらず「庶民(自分含む)のためになる政治経済情報」をブログで掲載。
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