コロナ禍と緊急事態宣言を受けて、飲食店やサービス業などで働く非正規雇用の所得が激減しています。派遣バイトのサイトでは、大阪府下で数件程度の求人しかありません。
正規雇用より低所得である非正規雇用の暮らしが、コロナ禍と緊急事態宣言で苦境に陥っています。現在発表されている数字も含めて、深刻化する状況を解説します。
新型コロナでバイト・パートなど非正規雇用の所得・求人が激減
新型コロナウイルスの影響を受けて、バイトやパートなど非正規雇用の所得・求人が激減しています。まだ4月のしっかりとした数字が出たわけではないですが、筆者の周りの状況や報道されている数字、派遣バイトのサイトから現状をまとめます。
新型コロナで梅田の風景は一変した-全国緊急事態宣言後の梅田の画像18枚
全国に緊急事態宣言が出された直後、筆者は梅田に立ち寄りました。知人の会社のPCのセットアップを請け負ったからです。
昼間の梅田は、筆者を愕然とさせるに十分でした。
朝と夜の梅田は、大阪に緊急事態宣言が出された直後に訪れて以下の記事にしています。昼間の梅田はさらに衝撃的です。
駅前最大のコンテンツであるヨドバシカメラは休業。グランフロントやそのほか、あらゆる駅前コンテンツが閉まっています。
ヨドバシカメラ前の交差点に並ぶのは、来るかどうかもわからない客を待つタクシーの列だけです。
カッパ横丁近辺のほとんどの飲食店が休業する中、数店のみが弁当を売り出したりしながら営業していました。
- ヨドバシカメラやグランフロンドの雇用が、4月は消滅
- 梅田の飲食店の多くが休業して、雇用が失われた
- 煽りを最も多く受けるのは、時給制のバイトやパートなど非正規雇用
新型コロナで飲食店の雇用は激減
緊急事態宣言を受けて、梅田の夜の仕事はほぼ休業状態です。また昼の飲食店も、6~9割は休業を余儀なくされています。
緊急事態宣言は指示、要請であり強制力はありませんが、大型コンテンツであるヨドバシカメラやグランフロントが休業すれば、梅田の集客能力は激減します。よって他の飲食店も、ほぼ休業せざるを得ない状況です。
梅田に訪れた際に「博多ラーメン げんこつ梅田店」に立ち寄りましたが、12時のかき入れ時に客が数人でした。ちなみにカッパ横丁は、シャッターが降りていて全て休業。
梅田の飲食店の少なくとも6割以上、9割近くは休業状態です。
3月のバイト・パートなど非正規雇用求人14%減
日経新聞の報道によれば、求人情報大手のリクルートジョブズの調べで、3月の求人広告件数は前年比14,1%減少となりました。ちなみにこの減少幅は、消費税増税をした10月と同じくらいです。
3月はまだ、緊急事態宣言が出ていませんでした。4月現在の求人広告件数は、おそらく3月より大幅に減少するでしょう。なぜなら、緊急事態宣言は5月初旬までですが、新型コロナが本当に5月で終息するか不透明な状況です。よって現在求人に積極的な企業はほぼ皆無であり、むしろ取り下げる企業が続出しているはず。
事態は3月より、深刻化しています。
派遣日雇いバイトも激減
派遣バイトサービスのフルキャストでは、「大阪 日払い」という絞り込み条件で、一日に数件の企業からしか求人が出稿されていません。
出稿されいる求人も、募集メーターはマックスに振り切っています。派遣日雇いバイトやパートなど、非正規雇用の求人も激減しました。
また通常の飲食店の雇用が消滅し、雇用を求めてフルキャストなどの派遣バイトサービスに労働者が流れ込んでいるため、すぐに求人が募集人数上限になるのでしょう。
新型コロナで時給制の非正規雇用は苦境に
バイトやパートなどの非正規雇用は、新型コロナの緊急事態宣言で苦境に立たされています。多くの需要が消滅したことで仕事が激減し、雇用や所得の維持が難しくなっています。
収入減、非正規で深刻化 新型コロナで休業・時短営業―連合総研:時事ドットコムによれば、非常に深刻な状況です。
- 4月1日から3日に、インターネット上で調査を実施
- アルバイトや派遣労働者といった非正規雇用の、50%以上が収入が減少と回答
- 一方で収入が減ったと答えた正社員は34.6%
- 非正規雇用の6~7割が、勤務日や労働時間が減少と回答
- 減少が目立ったのは飲食、サービス、宿泊、製造業など
- 減少がなかった、ないし増加したのは運輸、金融、福祉など
時給制の非正規雇用は、コストカットしやすい雇用形態です。上記の調査は4月の初旬、緊急事態宣言前に行われたものです。現在の状況は、さらに深刻化していることは明白です。
緊急事態宣言は要請・指示であって強制ではないという残酷さ
緊急事態宣言は、要請・指示です。要請や指示に従わなくても原則、罰則はありません。つまり「一応」強制ではないのですが、強制でないが故に「補償とセットではない」とも解釈可能です。
実際問題、収入が減った非正規雇用に対して補償はありましたか? 1円も補償されていません。
政府はようやく国民一律10万円の給付を決定しました。が……遅すぎる気がするのは、筆者だけでしょうか。
大阪のネカフェ難民は大阪脱出か?漫画喫茶も休業
4月の中旬過ぎから大阪では、ネットカフェの休業も相次いでいます。筆者がよく通っている、天神橋筋六丁目と岸辺のネットカフェも休業しました。
筆者にとって休日に、ネットカフェで漫画が読めないのは非常につらいのですが、脇に置きます。
コロナ禍の前まで、ネットカフェで寝泊まりしていたネカフェ難民はどうするのでしょうか。東京や大阪、「ネットカフェ難民」の居場所確保が急務 – BBCニュースによれば、東京には4000人以上のネカフェ難民がいるとのことです。大阪はおそらく、東京の3~4割くらいの数でしょう。
なお大阪や東京では大阪府がネットカフェ難民へ低料金の簡易宿舎紹介 – SankeiBizのように、対策が取られて始めている模様です。
新型コロナと非正規雇用のバイト・パートのまとめ
コロナ禍と緊急事態宣言で、アルバイトやパートなど非正規雇用の所得減少が目立ち始めています。もともと非正規雇用は、正規雇用に比べて低所得です。よって所得減少で耐えられる期間も、正規雇用より短いはずです。
早急に政府は、何らかの補償を大規模に行うべきです。
先日、政府が一部に30万円給付の方針から、国民一律10万円の給付への転換を決定しました。百歩譲って転換したのは評価します。しかし遅い、遅すぎます。
緊急事態宣言で多くの人の所得が減少することは、想定できた事態です。緊急事態宣言の前ないし最初期に給付するべきでした。報道によれば10万円の給付は、5月中を目指すそうです。ひたすら「遅い!」という感想しか出てきません。
このままコロナ禍が長引き、緊急事態宣言が解除されない可能性もあります。政府には、最悪の事態を想定した対策を検討・実施することを求めます。
>緊急事態宣言は要請・指示であって強制ではないという残酷さ
派手に営業していると今は非国民みたいな扱いですから、大阪の例で言いますと、「ランチ営業は自粛、夜は予約があれば営業し、日中はテイクアウトで食いつなぐ」みたいな個人店が多いです。私のような独り者(必ず一人で来店する常連客)のためにお店を開けてくれているところでも、そもそも客の数が少なくないですから、それだと食材のロスも増えるし、自主的に閉めた方がマシという状況でもあります。
「コロナ自粛要請のため……」などと張り紙を掲示し、営業時間の短縮を行っているお店も多いのですが、これも感染拡大防止への自主的な協力というより、営業時間を長くやっていても回転しないため、経営のことを考えて時短営業せざるを得ない感じですね。
>派手に営業していると今は非国民みたいな扱い
らしいですね……。本当、なんというか、いやだなぁと。
>営業時間を長くやっていても回転しないため、経営のことを考えて時短営業
でしょうねぇ。人件費もありますし。飲食店の苦境は、しゃれにならんですよ。