管理職になりたくない人の割合83%!デフレで管理職の責任増大の理由

 管理職になることはイコールで、出世することです。高度成長期やバブル期の日本で、管理職になることはサラリーマンのメインストリームでした。しかし現在、管理職になりたくない人が増えています。

 一体なぜ? 年配のサラリーマンに、その理由は理解しづらいかもしれません。管理職になりたくない人の割合や理由を解説しつつ、社会状況の変化も議論してみましょう。

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「管理職になりたくない」の割合83%

 「管理職になりたくない」83%、理由は? – ITmedia ビジネスオンラインによれば、マンパワーグループがインターネットで調査した結果、管理職になりたくない人の割合は83%に上るとのことです。

 管理職になりたくない理由が、非常に興味深いものです。1位は「責任が重い仕事はしたくない」、2位が「報酬面でのメリットが少ない」「業務の負担が大きい」でした。

 年代別の調査結果を見て報道では「若手ほど、プレイヤーとして活動できる環境を求めている」と結論づけています。やや疑問の残る結論であり、なぜ疑問なのかは後述します。

 逆に管理職になりたい理由は「報酬が増える」が1位で、「自分が成長できる」が2位でした。

管理職になりたくない人の割合が多い理由を一言で表すと?

 管理職になりたくない人の割合が多い理由は、苦労の割に報われないからでしょう。「労多くして功少なし」です。

 求められている仕事内容や責任、成果と、与えられる報酬が釣り合っていないと考えるのが自然です。管理職になりたいという17%のうち、そのほとんどがなりたい理由として報酬を挙げました。

 管理職になりたくない理由の1位は責任ですが、裏は「報酬と釣り合っていない」「負担が大きいくせに報酬が少ない」と読み取れます。

 「企業や会社に責任だけ押しつけられる存在」が管理職と感じているサラリーマンが、多いのではないでしょうか。

管理職とデフレと生産性の悪循環

 管理職は出世の足がかりであり、昔は管理職になることがサラリーマンの目的の一つでした。しかし現状は、管理職になりたくないと思う人の割合が83%であり、昔と今では大きな変化があったことがわかります。

 この変化を「若者の管理職離れ」と、思考停止するのは簡単です。しかし筆者には、若者の変化と言うより社会情勢の変化によって、管理職になりたくないと思う人が増えているように感じられます。
 その理由を、順を追って解説します。

デフレで生産性を求めるという形容矛盾

 デフレなのに生産性向上を求めることは、形容矛盾です。形容矛盾とは「賢明な愚者」というような、通常はお互いに矛盾する複数表現のことです。「デフレで生産性向上」は、お互いに矛盾しています。

 生産性とはなにか? 生産性=アウトプット/インプットという式で表現されます。例えば給料20万円の人が、粗利を100万円あげれば生産性は5です。
 生産性を向上させるためには粗利を増加させるか、給料を減らすしか方法はありません。

 しかしデフレとは、需要不足です。そのため生産性を向上させようと、販売個数を増やしたり価格を上げたりすることが困難です。よって人件費、すなわち給料を減少させることで生産性を向上しようとします。

 しかし企業にとっては人件費というコストでも、国民にとっては所得であり、消費の原資です。所得の減少は需要減少となり、さらなる人件費の削減を企業に求めます。

 端的にいえばデフレ下で、生産性向上なんて無理です。ではその無理を突き詰めると、どのようになるでしょうか?

管理職は生産性を増やすお仕事

 管理職には部下のマネージメントが求められます。部下をうまくマネージメントして、生産性の向上という成果をもたらすことを望まれています。これが管理職の責任です。

 管理職とは生産性を増やすお仕事、と考えてよいでしょう。

デフレ=生産性が増えないのに、成果を求められる管理職

 デフレでは販売個数の増加も、価格の上乗せも困難です。よって人件費やコスト削減でしか、生産性は増えません。
 ではコストは、どこまでも削減できるでしょうか? そんなはずはありません。コストの削減には、上限があります。人件費は、ゼロ=リストラやクビ以上に削減できません。

 デフレではギリギリまでコストを絞ったら、それ以上に生産性が上がる余地はないのです。

 このギリギリの状態で管理職は、さらなる生産性の向上を求められます。達成できる希有な人材以外には、無茶ぶりもよいところです。これが「労多くして功少なし」の原因です。管理職になりたくない理由の一つである「責任が重いこと」の裏付けになります。

 また苦労の割に報酬が少ないのも、生産性向上が求められた結果です。管理職自身の所得削減が行われたから、と考えるのが自然でしょう。

 いろいろと理屈を述べてきましたが、簡単にいえば「デフレのときの管理職は割に合わない」というわけ。

人の上に立つことやマネージメントが外れくじにならないために

 部下やスタッフをマネージメントする経験は、その人自身を成長させることは間違いありません。もちろん、多くのストレスもあります。予期せぬトラブルに、頭を悩ませることもあります。
 苦労に見合う報酬が用意されているなら、チャレンジしてみる価値は大いにあります。

 「苦労に見合う報酬があるなら」ですが。

 多くの人が「苦労に見合う報酬がない」と感じているので、管理職になりたくありません。今の時代、管理職やリーダーシップを発揮すること、人の上に立つことは「外れくじ」と受け止められています。

 このまま進めば日本で、ビジネスの危機が訪れるかもしれません。管理職のノウハウや経験が、失われはしないでしょうか。嫌々引き受ける管理職で、ノウハウが変質する可能性もあります。

 状況を改善するには、デフレ脱却しか道はありません。「管理職になりたくない」という人を減らし、「管理職になりたい」と思ってもらうためには、労力や負担に見合う報酬を用意できる社会環境が必要です。

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3 Comments
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黄昏のタロ
4 月 前

お邪魔いたしますです。

 ブラック企業が生まれる過程の説明にもなるのかなと思ったです。上司(達)にとっては、合成の誤謬になっちゃう。

 おいらは工場勤務で、マシンオペレーターの経験があるです。会社を辞めるときに工場長から「人を使ってみたくないか?」って言われたですけど断ったです。契約から正社員ですね。
 機械を改善や工夫で生産性向上させたり、修理をして維持するのは楽しかったです。勤務時間当たりの生産数の記録更新とか。

 記事を読んでぞっとしたのです。

 相手が機械だから良いものの、もしも人であったら。
おいら、恨まれてるかもです。

4 月 前

ノイローゼで課長になったとたん出社拒否なんてのもいますよー(^^♪ほとんどはどんなバカでもタイトルほしい人多かったけど(^^♪