経済評論家・加谷珪一(かやけいいち)が書いた消費増税記事の評価がゼロ点

 いつもの通りニュースを見ておりますと、消費増う税と日本経済に関する記事がありました。「弱体化する日本」に残されたたった2つの選択 | 東洋経済オンラインとは、なかなか興味深いタイトルです。

 筆者は加谷珪一かやけいいち氏。結論から書きますが、非常に残念な記事でした。評価はゼロ点です。
 しかし日本の経済ニュースや記事は、総じて加谷珪一氏のレベルであるのも事実です。
 何がどのようにレベルが低いのか? どこに間違いや論理的欠陥があるのか? を解説します。

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経済評論家である加谷珪一とはどんな人物か?

 加谷珪一氏は1969年に仙台で生まれました。東北大学工学部原子核工学科を卒業し、日経BPに入社して記者になります。その後、野村証券グループに転職して企業評価や投資業務を担当したようです。

 独立後は政府金融機関や省庁のコンサルを務め、現在では雑誌の連載やテレビのコメンテーターなどで活動しています。

 加谷珪一の分かりやすい話というブログを運営しており、月に3~5記事程度更新されています。

消費税記事に見る加谷珪一の論理的欠陥欠陥

 「弱体化する日本」に残されたたった2つの選択 | 東洋経済オンラインの概要は、箇条書きで以下のようなものです。

  1. 2019年10-12月金GDPが消費増税の影響で大幅にマイナス
  2. 日本経済は消費増税のたびに、激しく落ち込んでいる
  3. 経済学の常識として徴税された税金は政府支出を通じて、国民の所得になる。よって増税だけでここまで景気が悪くなることは、本来あり得ない!
  4. そこまで日本経済が弱っている
  5. 日本は輸出立国から消費立国にシフトしている
  6. それに伴って産業構造の転換が必要だった。しかしもはや現実的ではない
  7. よって現実的には社会保障の大幅カットか、消費税増税しか選択肢がない

 経済評論家やエコノミストと称される人たちが、いかに無知で無教養か? が如実に表れている記事です。評価としては「赤点どころかゼロ点!」としかいえません。その理由を3つに分けて解説します。

理由1 消費増税が景気に対してプラマイゼロという嘘

だが経済学的な常識として、消費増税が行われたとしても、徴収された税金は政府支出を通じて国民所得になるので、増税だけでここまで景気が悪くなることはありえない。

 加谷珪一氏はこのように書きますが、重大な見落としないし論理欠陥があります。2014年に実行された消費増税のうち、8割は国債返還に消えていたという事実です。
 また消費増税は、法人税減税の穴埋めとする見方もあります。

 いずれにしても消費増税が国債返還に使用され、政府支出されない場合は著しく景気に悪影響を及ぼします。

 また税金とは「罰則・罰金」という側面が存在します。例えばCO2排出を抑制したい場合、政府はCO2排出に税金を課して規制します。逆に優遇する場合は、税金を軽くしたりするでしょう?
 罰としての税という側面を見た場合、消費増税は消費罰金と換言できます。消費が落ち込むのは当たり前なのです。

理由2 因果関係を逆にする主流派経済学特有のロジック

消費増税によって景気が落ち込んだというよりも、消費増税に耐えられないレベルまで日本経済は弱体化していると解釈したほうがよいだろう。

 上記の引用もまた、主流派経済学や経済評論家、エコノミスト特有の現象です。「因果関係を逆さまにする」ことで、結論をコントロールしようとしています。

 どういうことか? 「消費税増税によって、日本経済は度々落ち込んできた」が、「それは日本経済が弱って、消費増税に耐えられなかったからだ」として「消費増税以外に、日本経済を弱くした原因がある」と導く論法です。
 その原因は少子高齢化にあると、加谷珪一氏は説きます。

 では1997年の消費税増税後、1998年にデフレ突入したのも少子高齢化のせいでしょうか? そのわずか7年前に、バブルでありジャパンアズナンバーワンと呼ばれた日本経済はどう説明するのでしょう?

 つまり因果関係が逆なのです。「消費増税をしたから、日本経済が弱体化した」と捉えるのが自然です。しかし経済評論家やエコノミスト、加谷珪一氏たちは「日本経済が弱体化したから、増税に耐えられなくなったのだ」と屁理屈をいいます。
 屁理屈なので当然、歴史を遡ると解釈に矛盾が生じます。

 なぜ矛盾が生じる解釈を、わざわざするのでしょうか? その理由は次の、理由3で明らかになります。

理由3 結論はいつも痛みを伴う構造改革や小さな政府

 経済評論家やエコノミスト、加谷珪一氏たちは「小さな政府こそが善」と教条的に信仰しています。なぜなら主流派経済学のドグマが、小さな政府だからです。

 余談ですが近代資本主義において、小さな政府はほぼ不可能です。資本主義とは負債を拡大し続けながら、経済成長していく経済形態です。その負債の担い手は国家しかあり得ないのです。
 民間が拡大し続ける負債を担おうとすれば、途端に経済が不安定になるからです。リーマンショックも、民間の負債拡大と政府の負債縮小が招いた悲劇でした。

 閑話休題。

 消費増税は大きな政府じゃないか! と反論があるでしょう。しかし税が重いか軽いかは、本質的な問題ではありません。政府支出と国債を、適切な量で拡大し続けるかどうか? が本質です。
 そして加谷珪一氏や経済評論家たちは「政府の負債を増やしたくない。よって消費増税で社会保障をまかなう」という、小さな政府のベクトルを支持しています。

 現実を解釈して、適切な結論にたどり着くのではありません。加谷珪一氏や経済評論家たちは「小さな政府という結論に向けて、現実を無理にでもこじつけて解釈する」のです。

著作の傾向に現れる拝金主義的な精神と嘘

 最初にお断りしておきますが、筆者は拝金主義を悪いとはいいません。お金は非常に大事です。しかし「この本を読んだら金持ちになれる」的な「嘘」はだめだと思います。

 いわゆる「お金持ちになれる本」は、著者がお金持ちになるだけです(笑) 読者はお金持ちになれません。これはこの世の、数少ない真実の1つです。

 加谷珪一氏の著作のほとんどは、お金持ちがテーマです。

 ほかの著作はAmazon 加谷珪一で参照してください。いくつかKindleアンリミテッドで読めるので、筆者も時間のあるときに目を通そうかと思います。批判だけして、著作を読んでないのはフェアとはいえないと思うからです。

 別に「お金持ちになる本」を売って、著者がお金持ちになることも否定はしません。そういう商売なのですから。

 しかし金持ち本商売をしている人が経済評論家を名乗って、訳知り顔で「社会保障費を削るか消費増税しかない!」などと間違った言説を流布するのは最悪です。加谷珪一氏もその類いであり、筆者の評価としては「ゼロ点の経済評論家の名簿に、また1人が名を連ねた」とため息しかでません。

経済評論家・加谷珪一の評価まとめ

 加谷珪一氏が書いた記事に対する評価は、赤点どころかゼロ点です。論理に矛盾があり、現実の解釈もうまくない。小さな政府という結論に向けて無理矢理に解釈しているので、ちぐはぐな論理に陥っています。

 加谷珪一氏は自身のブログで「億単位で資産を運用する個人投資家」を名乗っています。投資家や大企業の経営者、株主などは小さな政府が大好きです。彼らにとって政府とはたいていの場合、何か規制をしてくるやっかいな存在だからです。

 加谷珪一氏も例に漏れず、小さな政府が好きな「文章と屁理屈をこねくり回すだけの経済評論家」というのが、筆者の下した加谷珪一氏に対する評価です。

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2 Comments
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Muse
3 月 前

>筆者は氏。結論から書きますが、非常に残念な記事でした。評価はゼロ点です。

いや、全く役に立たない内容ならまだしも、一般世間に完全に間違った観念を植え付ける有害デマ言説を垂れ流しているという点で、マイナス100点です(笑)。ちなみに普段、当方が目を通す経済記事のサイトは以下の通りですが、この手の(真実と真逆の)有害デマ言説を垂れ流す自称エコノミストや経済学者らの記事はいまだに多く見受けられます。

日本経済新聞 https://www.nikkei.com/
東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/
PRESIDENT Online https://president.jp/
週刊エコノミスト Online https://weekly-economist.mainichi.jp/
現代ビジネス https://gendai.ismedia.jp/
マネー現代 https://gendai.ismedia.jp/money

>筆者の評価としては「ゼロ点の経済評論家の名簿に、また1人が名を連ねた」とため息しかでません。

当ブログもだいぶアクセス数が伸びてきたでしょうから、この手の有害デマ情報や言説を垂れ流す無知蒙昧なエコノミスト(と関連記事)の一覧をまとめたリンク集を作ってみたらいかがでしょうか?