最近は横文字のビジネス用語が出てきて「ん? 意味はなんだろう?」とわからないことが多々あります。
「プロジェクトのボトルネックはバッファがないことだから、アサインし直さなきゃ! 今度のミーティングでアレンジして、フィックスしといて!」
こんな風に話しかけられたら、筆者なら無視します。コロナウイルス報道でも安倍総理が「いわゆる患者クラスター」と、カタカナ語を使用した模様。感染集団でええやんけ。
コロナウイルス報道のクラスターってなに?
コロナウイルス報道でクラスターなる、耳慣れない言葉が使われています。クラスターとはなんでしょうか。
cluster(クラスター)の意味 – goo国語辞書では「花やブドウなどの房の意。「クラスタ」と書くことも多い」と解説しています。
基本的にはIT用語として使用されます。複数台のPCをまとめて、1つのシステムに統合したものをクラスターないしクラスタと呼びます。
一般的な使用用途では「仲間や群体」と同じ使い方です。例えば「経済クラスターに記事を褒められた」「今日は文学クラスターとオフ会」という風に使います。
コロナウイルスの感染クラスターとは、端的に日本語で言えば感染群体です。よって朝日新聞の「一部地域に感染クラスター=新型ウイルス対策本部で安倍首相」というタイトルは、「一部の地域に感染群体が確認された」と書き換えられます。
カタカナのビジネス用語は時としてウザい
筆者はカタカナのビジネス用語は、あまり好きではありません。日本語で済ませられるところを、わざわざカタカナビジネス用語にするのは、意味がわかりません。
「このプロジェクトにアサインしたから」
「今日のアジェンダはなんですか」
「あの件、フィックスしておいてくれる?」
上から順にアサイン→割り当て、アジェンダ→課題、フィックス→確定でええやないか! 意味不明な上にうるさいんじゃ! と声を荒げそうになります。
朝日新聞の報道は悪くありません。安倍総理の発言がそうなんです。
安倍晋三首相は、一部地域でウイルスの感染集団「クラスター」が発生しているとの認識を示し……(中略)
「国内で感染経路が明らかでない患者が散発的に発生しており、一部地域では小規模の患者集団、いわゆる患者クラスターの発生の把握が確認されている」
わざわざクラスターと言い直さなくても、感染集団でええやないですか。
カタカナ語・ビジネス用語の本末転倒
なんとなく意味のわかる用語から、意味不明な用語までカタカナのビジネス用語は幅広く存在します。ではそのビジネス用語、相手は知ってるの? ここが一番大事なところではないでしょうか。
意味が伝わらないのは話者が下手くそだから、ということが大半です。コミュニケーションで最も大事なことは、意味が伝わることであって、カタカナのビジネス用語を駆使することではありません。
日本語なら伝わるところを、なぜわざわざカタカナのビジネス用語に置き換えるのか。本末転倒ではありませんか。
カタカナ語・ビジネス用語はなぜ使われるのか
- 属している組織や集団が使用しているから
- 覚えたばかりで使ってみたい
- 自分がかっこいいところをアピールしたい
カタカナのビジネス用語――以下、カタカナ語と表記――がなぜ使われるのか? 理由は上記の3つでしょう。1.はしょうがないでしょう。どの業界にも、その業界で使われている用語は存在します。
2.と3.はやっかいです。というかやめて(笑)
覚えたばかりで使ってみたいのはよいとしても、返ってきた結果を評価してみるべきです。相手に意味が伝わっているのか? 使ってみて、相手はどのような反応をしたのか? などです。
カタカナ語でしか伝わらない微妙な意味合い
一応カタカナ語を擁護しておくと、カタカナ語でしか表現できない意味合いがある場合もあります。例えばセールスライティングは日本語では「営業執筆、ないし宣伝作文」ですが……(笑)なんか違う(笑)
カタカナ語が有効な場合、そうでない場合を見極めて使うようにしたいものです。
ん? 安倍総理の使用方法はどうなのかって?
「国内で感染経路が明らかでない患者が散発的に発生しており、一部地域では小規模の患者集団、いわゆる患者クラスターの発生の把握が確認されている」
上記は明らかに「クラスターって使う必要なくね?」と思います。