公務員で非正規職員の割合が多いとなぜ問題なのか?増加の理由も一緒に解説

この記事は約6分で読めます。

 最近は、公務員の非正規職員が増加していると問題視されています。2010年くらいまでは公務員が多すぎる! との批判がたくさんありました。その批判の文脈では、非正規公務員の増加は望ましいことのはずです。

 どうしてこうなったのか? なぜ非正規職員の公務員が増加して問題視されているのか? 解説します。

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公務員で非正規職員の割合が多くなっている理由

日本の公務員数の割合は、海外に比べて元々少ない

 昔から一部では周知の事実ですが、日本の公務員の割合は多い方ではありません。むしろ先進国の中では、トップクラスに少ないのです。

 アメリカですら、就業者に占める公務員の割合は15%です。日本はたったの6%!! なんとアメリカの40%しか公務員がいないのです。OECD平均が18%ですから、3分の1に過ぎないほど過少です。

公務員で非正規職員の割合が増加している

 公務員の非正規職員は、25%に増加しています。公務員に占める非正規職員の調査は、2005年に始まりました。2005年の非正規職員の割合は15%でしたから、15年の間に10%増加した計算になります。

 地方公務員だけかと思いきや、国家公務員の非正規職員も25%に達しています。
参照:国家公務員「4人に1人が非正規雇用」 雇止め不安や待遇格差「差別やめて」(弁護士ドットコム) – Yahoo!ニュース

公務員で非正規職員の割合が増加し、問題視される理由

 公務員の非正規雇用の割合が増え、問題視される理由は3つあります。

  1. 行政が非正規雇用を増やすと、民間も”さらに”それにならう
  2. 公務・公共サービスの人材育成の機会損失やノウハウの消失、モチベーションの低下
  3. 中央政府・地方政府の”支出不足”

 一般的には公務員非正規雇用の、所得の少なさや激務、雇用の不安定さが問題視されますがそれは脇に置きます。なぜならそれらの問題は、民間の非正規雇用問題とほぼ一緒だからです。

政府や地方自治体の非正規雇用促進は大問題

 民間で非正規雇用が拡大し、問題視されたのは2000年代です。2008年のリーマンショック後、年越し派遣村なども問題になりました。
 現在でも非正規雇用の所得の少なさ、雇用の不安定さ、スキルやキャリアの獲得機会の少なさが問題になっています。

 そこに政府や自治体の行政の非正規雇用が拡大したら、民間企業はどうするでしょうか? 「なんだ、政府も建前で問題視しているだけか」と、非正規雇用の拡大に歯止めがかからなくなるでしょう。少なくとも政府の本音が「非正規雇用の拡大にある」と、民間は思います。

公務・公共サービスの人材やノウハウ消失、モチベーション低下

 行政は公務や公共サービスの担い手です。市役所の窓口のみならず、様々な住民サービスを提供しています。

 このサービスの担い手が低所得、不安定な雇用状態でモチベーションが上がるでしょうか? また非正規雇用は「忙しい部署」に配置されます。当然ながら「のんびりした公務員」などというイメージとは正反対に、激務になりがちです。

 雇用の不安定さは、その非正規職員が獲得したノウハウが次に活かせないことを示します。とすれば専門的な人材も、育成が難しいでしょう。
 何より公務員の非正規職員が、モチベーションを保つのは非常に困難となります。

 官民ともに雇用が不安定化すれば、社会の活力が低下、衰退することは明らかです。

中央政府・地方政府の”支出不足”

 公務員の非正規職員の割合が増える=行政の支出の低下になります。コストカット、予算削減です。

 ただでさえデフレ気味の日本で、行政が支出を縮小すればデフレ圧力に拍車がかかります。

公務員の非正規職員増加の理由

 公務員の非正規職員の割合増加は、効率化や生産性向上の文脈で起こりました。もっといえば「公務員は高い給料をもらってけしからん! 日本は公務員が多すぎる!」という、根も葉もないバッシングから予算削減されました。

 当時の日本は「効率化、合理化すれば豊かになれる」と勘違いし、改革を推し進めたのです。もちろん当時だけではなく、現在もそう思っている人が多いでしょう。

 効率化、合理化し続けた結果は「失われた20年」でした。
 改革! といいながら、自分たちの首を絞めていたのです。いやぁ……マゾいですね(笑)

これからの公務員で非正規雇職員の割合はどうなっていく?

 現在、日本の非正規雇用は37%という割合になっています。被雇用者5600万人、非正規雇用は2120万人です。なんと働いている人の4割弱が、非正規雇用なんですね。

 公務員の所得は、民間企業の所得水準から決定されます。とすれば非正規雇用の割合も、おそらく民間に合わせようとする圧力が働くのではないか? と思われます。

 公務員の非正規職員拡大は、デフレと民間の非正規雇用拡大のルサンチマンから生まれました。よって今後、その流れが加速することはあっても、見直される可能性は少なそうです。
 筆者は公務員の非正規雇用割合は、民間と同じく4割弱まで上がっていくと予測しています。

 だってしょうがないじゃないですか。多くの人が「公務員は贅沢! 給料が高くて安定していて、のんびりと働ける! 私たちはこんなに苦労しているのに! 公務員を減らせ!」と思ってるのですから。
 よって自治体や行政は、人件費をカットする流れを止められないでしょう。なにせ我が国は民主主義国家ですから!

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黄昏のタロ

お邪魔いたしますです。

 公共工事の予算が、三割も消化できずに余ってるそーです。業者の不足もですが、激務も原因なのだそーです。

> このサービスの担い手が低所得、不安定な雇用状態でモチベーションが上がるでしょうか? また非正規雇用は「忙しい部署」に配置されます。当然ながら「のんびりした公務員」などというイメージとは正反対に、激務になりがちです。

 闇雲に発注する訳ではないです。発注する側もそれなりに知識が必要なのです。

 予定金額が安すぎて入札が不調になるのも有るようです。仕事が増える。
 予算に対する国民の声のジレンマが有るのかなと思うです。余ってるんだから、そこまで削らなくても良さそうに思うです。

 公共工事を発注する側は非正規の方が担当するかは分からないのですが、激務が国民の命を脅かすレベルになっているのかも知れません。

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