中高年フリーターとは-中高年フリーターは正社員になぜなれないか

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 中年フリーターや中高年フリーターという言葉が、昨今は報道で出てきています。政府が就職氷河期世代支援を決定し、注目が集まり問題がフォーカスされています。

 しかし言葉は知っていても、ぼやっとした印象だけしかない方は多いのではないでしょうか。

 中高年フリーターとはどのようなものか? どういう問題があるのか? を解説します。

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中高年フリーターとは?

そもそもフリーターとは何か

 フリーターとは1980年代に登場した、フリーアルバイターの略語です。当時はバブルでしたので、新卒採用されなくてもすぐに正規雇用が見つかりました。またアルバイトという生き方は、社会に縛られない生き方と当時は見られたのです。

 筆者は1980年生まれですが、1990年代後半から2000年代初頭のマスメディアなどがフリーターという生き方を「持ち上げていた」と記憶しています。

 フリーターとは15歳から34歳と定義されていましたが、昨今は就職氷河期世代の非正規雇用問題などで、中高年(中年)フリーターという言葉が生まれました。
 中高年フリーターは35歳~54歳までの、非正規雇用を指します。

就職氷河期で正規雇用につけなかった人たち

 自らフリーターを選んだ方もいたでしょうが、現在の中高年フリーターは就職氷河期世代と重なっています。1995年~2005年の10年間、正規雇用の求人が減少しました。新卒で正社員になるハードルが、非常に高くなった時代です。

 この就職氷河期に社会に出た世代は、非正規雇用に職を求めるしかない人がたくさんいました。望まずにフリーターとして、暮らしてきた人も多いのです。

中高年フリーターは273万人?!

 ルポ 中年フリーターの著者、小林美希氏によれば日本の中高年フリーターは273万人にのぼります。2018年は95万人…高齢フリーターの推移と現状(2019年公開版)(不破雷蔵)によると、中高年フリーターは2008年を境に急増しています。問題はその後、増加は止まったものの減少に転じていないことです。

中高年フリーターの定義や概要まとめ

  1. 非正規雇用の35歳~54歳を中高年フリーターないし、中年フリーターと呼ぶ
  2. 小林美希氏によれば273万人が存在する
  3. 総務省統計局の労働力調査では95万人~100万人と推計されている
  4. 主に就職氷河期世代が、中高年フリーターの中心層
  5. 2008年を境に、中高年フリーターは170%に増加した

中高年フリーターはなぜ正社員になれないのか?

 政府は就職氷河期世代支援として、2020年から3年間で30万人の正規雇用を増やすとしています。現段階ではしょっぱい政策しか出ていませんが、ひとまず脇に置きましょう。

 中高年フリーターは正規雇用に転換が難しいからこそ、非正規雇用に甘んじています。中高年フリーターが正社員になるのは、現実的には非常にハードルが高い。

企業の本音は年齢に応じたスキルを身につけた人材がほしい

 2007年の雇用機会均等法の改正で、求人に年齢制限を書くことが禁止されました。それ以前の正社員の求人は、35歳までという条件が圧倒的に多数でした。

 では求人で年齢制限を書かなくなったから、35歳以上も採用されやすくなったのでしょうか? 実態は「変わっていない」が正解です。
 現在でも企業は、年齢に応じたスキルを身につけている人材をほしがっています。35歳以上なら、即戦力級の人材が望ましいでしょう。

非正規雇用では年齢に応じたスキルが身につかない

 非正規雇用の中高年フリーターは、仕事でスキルを身につける機会がありません。特にパートやアルバイトなどは、単純作業や人手不足を補うための存在です。正社員のようなマネージメント能力や、その他の汎用性の高いスキルは求められません。

 また非正規雇用の所得は時給換算で、正規雇用の6~7割程度になります。雇用も不安定なため、スキルを身につけるような精神的余裕もありません。
 いったん非正規雇用になり、ブランクが長くなるほど正規雇用への転換は難しくなります。

年上=仕事ができるじゃないと雇いにくい?

 日本は終身雇用制度が破壊されたわりに、年功序列の意識はわりと強烈に残っています。年上=自分より偉いのでは? という意識です。
 つまり「雇用の流動性!」などと言って日本式を破壊したにもかかわらず、日本人特有の意識は残っておりちぐはぐな状態なのです。

 こういった意識のミスマッチも、中高年フリーターが正規雇用に転換しにくい1つの要因かもしれません。

中高年フリーターの将来は大丈夫なのか?

 全く大丈夫じゃない、というのが正解です。いくつかの指標がありますので見ていきましょう。

就職氷河期世代の未婚率は3割

 日本の未婚率は平均で2割弱です。しかし就職氷河期世代はなんと、3割強となっています。所得と雇用が不安定な、中高年フリーターの影響が大きいのは明白です。

 男性・女性ともに平均値より未婚率が高く、女性はさらに男性より所得がおしなべて低くなる傾向にあります。
 中高年フリーターや就職氷河期世代にとって、結婚とは「贅沢品」になっています。

8050問題と就職氷河期世代の引きこもり

 低所得かつ不安定な雇用で、周りからも評価されないどころか「自己責任でしょ!」と責められる。こんな環境では、心が折れる人も出てきます。

 現在、就職氷河期世代や40代以上の引きこもりが問題化しています。40代の引きこもりの生活を支えるのは、70代の両親の年金になります。日本人の平均寿命は80歳なので、あと10年もすれば61万人いる40代の引きこもりは生活のための所得を失います。
 これを8050問題と言います。

 大量の無年金、低年金者が発生し、その多くは生活保護に頼らざるを得なくなるでしょう。筆者は「ええやん、生活保護に頼ろうぜ」と、むしろおすすめします。

中高年フリーターの将来は大丈夫か?のまとめ

  1. 無年金や低年金問題が発生する
  2. 中高年フリーターの将来は「死ぬまで働く」か「生活保護」の二択の可能性が大きい
  3. まだ結婚していない中高年フリーターは、生涯結婚できない可能性が高い

 正直、全然大丈夫じゃありません。でも信じられますか? この就職氷河期世代の大問題を、日本政府や日本人は20年ほど放置してたのです。少なくとも2008年あたりには、就職氷河期世代の苦境は問題になっていました。年越し派遣村などはその実例です。

 中高年フリーターの苦境と、取り返しのつかない人生は「政府の経済政策の失敗」「見て見ぬふりをして、問題に蓋をしてきた日本人」が最も大きな原因です。

中高年フリーターの実際の声が、記事になっていた

【非正規】44歳中高年フリーターの私が20代の若者に伝えたいこと - 女性フリーターからの就職~人生逆転を応援するブログ

 上記では44歳の中高年フリーターの女性が、記事を書いています。概要だけ要約しましょう。

  1. 新卒で正社員になれず、非正規雇用のままフリーターとして過ごす
  2. 正直疲れているが、開き直ってもいる
  3. 世の中では非正規雇用が問題視されているが、実際に感じるのは「自己責任!」「負け犬ワロタ」という空気
  4. 専業主婦を希望する男性未婚者が減少
  5. 若者は売り手市場なので、今のうちに正社員になるのがおすすめ

まとめ

 中高年フリーターの苦境は、なかなかにハードなものです。特に現在の「有効求人倍率1倍以上! 若者の売り手市場!」な状況では、理解されづらいのではないでしょうか。

 中高年フリーターにとって「株価が○万円突破!」「日本は好景気!」などはすべて「え? 嘘やろ?」としか感じられません。勝ち組の「景気のよい日本」がある一方で、中高年フリーターや低所得層の「前者とは断絶した、生きづらい日本」が存在するのです。

 最低でも10年以上、日本人は「日本は経済大国! 貧困なんて見たことがない! 日本は豊かな国!」と思い込み、就職氷河期世代や中高年フリーター、非正規雇用の問題を見て見ぬふりをしてきました。
 その間に日本の貧困問題は、どんどんと深刻化していったのです。

 すでに見て見ぬふりができなくなってきた、日本の貧困問題。どうすればよいのか? 日本人 一人ひとりが当事者として、考えなければなりません。

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