就職氷河期世代支援の採用がハンター試験並みの超高難易度な件

 就職氷河期世代支援という空気が、世間に広がっているようです。行政や地方自治体などが、公務員として就職氷河期世代を雇用する動きです。

 しかしどうも、地方自治体の支援採用がハンター試験並みの倍率になりそう。なぜ就職氷河期世代支援といいながら、蜘蛛の糸を垂らすのか? 現状を見てみましょう。

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就職氷河期世代支援プログラムと採用の動き

「就職氷河期」対策で新交付金 3年100億円、地方の就労支援―政府:時事ドットコム
 上記で報じられるように就職氷河期世代の地方就労支援が打ち出されています。それに先立って地方自治体位は、就職氷河期世代の公務員採用をすすめているようです。

 就職氷河期世代対象の地方公務員中途採用まとめ(2019年12月26日時点) | 人生再設計世代(就職氷河期世代)のブログによれば、昨年12月末時点でかなりの地方自治体が、手を挙げているようです。

就職氷河期世代を採用した宝塚の例

 宝塚市は全国の地方自治体に先駆けて、真っ先に就職氷河期世代採用を実行しました。昨年11月の報道によれば、当初採用予定だった3人枠に1635人が応募。最終的に採用は4人になったとのことです。

 倍率でなんと当初545倍! という超難易度でした。これに対してネットでは「ハンター試験並み(笑)」等の感想も。

 しかし「他の自治体も、そうした活動をすると決定してなかったから」という限定感が、この高倍率につながったのではないか? との見方もできます。
 他の自治体も見ていきましょう。

地方自治体で広がる就職氷河期世代採用

 先程の就職氷河期世代対象の地方公務員中途採用まとめ(2019年12月26日時点)によれば、全国の市町村含む地方自治体で、就職氷河期世代採用を進めているのは20ほどです。
 東京新聞:「氷河期世代」19自治体が採用 総務省調査、さらに拡大:社会(TOKYO Web)でも、19自治体とのことでした。

 前者によれば6割が関西の自治体です。この偏りは、最初に宝塚市が手を挙げたからと言うのと関係があるのでしょうか?
 それとも関西圏の公務員は、人材流出でなかなか事情が厳しいのでしょうか?

厚生労働省と内閣府でも採用情報掲載が始まる

 他にも探してみましたら、内閣府と厚生労働省でも国家公務員として就職氷河期世代採用するようです。

就職氷河期世代を対象とした採用 : 内閣府人事採用情報 – 内閣府
厚生労働省本省 就職氷河期世代採用選考│厚生労働省

 「こんなにもたくさんお地方自治体と、行政が国や地域を上げて支援してくれている!」と思ったでしょうか? それとも「なんだ、たった20ほどの地方自治体か……。それじゃ倍率はすごいことになってるんじゃないの?」と疑問でしょうか。

 正解は後者です。

就職氷河期世代採用試験はハンター試験並みの倍率

 まず厚労省は10人採用予定でしたが、応募人数はなんと2000人弱! 倍率ドーンの200倍!(※1)
 内閣府は若干名(3人程度でしょう)の応募に関わらず、530人が応募しました。(※2)

 地方自治体では兵庫県三田市が採用枠1人に対して427人が応募。

 他にも報道では愛知県80倍、兵庫県140倍etc……。一番倍率の低い兵庫県加西市や赤穂市で38~50倍前後です。
 内定倍率が高い大企業の一部なみの倍率です。

 ちなみに就職氷河期世代採用って、一応「支援」なんですよね。新卒の就職「競争」ではなく。

※1 氷河期採用に1934人応募 厚労省:日本経済新聞
※2 就職氷河期世代支援の内閣府中途採用職員募集に500人超の応募 | NHKニュース
※3 自治体で相次ぐ氷河期世代の正規採用…倍率600倍も(1/2ページ) – 産経ニュース

僕ら就職氷河期世代はまた絶望しなきゃならないのか

 就職氷河期世代は基本的に、諦観をもって生きている人が多いと思います。社会に出たデフレで、しかも就職が異常に難しい時期。非正規で過ごしていたら、2008年にリーマン・ショックで切り捨てられてさらに正規雇用が遠のいたりと、かなりハードモードな世代です。

 中には「就職氷河期世代は、景気の調整弁にされ続けた」と評する向きもあります。筆者もこの評価に同意です。

 端的に言えば擦り切れているのが、就職氷河期世代です。

 そこに蜘蛛の糸がたらされたわけです。ほんの一部の就職氷河期世代は、救われるに違いありません。
 しかし地方自治体の就職氷河期世代支援採用を見ても、全部合わせて「せいぜい100名足らず」です。……意味なくね? と言ってしまうと、暴言でしょうか。

 政府が予定している就職氷河期世代支援プログラムでは、3年間に30万人を正規雇用につけるのだそうです。就職氷河期世代で無職ないし非正規雇用は、”最低でも”100万人以上と推定されています。

就職氷河期世代の中の勝ち組負け組

 一部の少数が助かり、その他大勢が今の状況に甘んじる。これは就職氷河期世代の中で、断絶を深くすることにほかならないのではないでしょうか。
 氷河期世代が全国ネット設立 ベーシックインカム訴え 「ロスジェネ食堂」も – 毎日新聞で報じられるような、連帯の動きを「阻害するため」なんて考え方は邪推でしょうか。

 いつの時代も支配のもっとも効率の良いやり方は「現地住民を分断すること」でした。就職氷河期世代への支援が、これに倣っていないと断言はできません。

2020年以降の不気味な景気の断崖絶壁

 さらに不安な要素があります。すでに2019年から、実体経済の先行指標はリーマン・ショックなみに悪化しているという事実です。2020年で景気の悪化は決定的に鳴り、2021年には我々の生活に実感として伴うのではないでしょうか。

 つまり再び、就職氷河期世代が「景気の調整弁」にされる事態が来るのではないか? と危惧します。

まとめ 就職氷河期世代支援採用がハンター試験並み

 一部の大人気な大企業並みの内定倍率が、就職氷河期世代支援採用の実態でした。多くの自治体が手を挙げてくれるなら、倍率も緩和することと思います。
 しかし現在のところ、決定している自治体以外で手を挙げる動きは広まっていません。

どうしたら就職氷河期世代が救われるのか?

 就職氷河期世代の受難を救うには、まず「日本全体が景気が良くなる」ことが一番必要です。なぜなら「景気が悪い中で、就職氷河期世代だけ優遇される」なんてことを世の中は許しません。
 ある程度世の中に余裕がないと、受難の世代といえど「優遇できない」のです。

 つまり筆者が普段から訴えるように、財政出動と景気拡大以外に就職氷河期世代を救う「状況にする」方法はありません。景気が拡大する状況になって初めて、就職氷河期世代へのピンポイントで大体的な支援が可能になるのだと思います。

筆者と同じ就職氷河期世代の方たちは、地道に生きるほかない気がします

 筆者も今年で40歳の就職氷河期世代です。まあ就職せずに、自営業だったわけですが(過去形)

 結局の所は就職氷河期世代支援プログラムといっても、多くて3分の1程度が救われるくらいです。大多数の人がこぼれ落ちるのは、決定しています。ちなみに筆者も、自信が多分こぼれ落ちるだろうと予想してます(笑)

 就職氷河期世代支援プログラムに多大な期待はせずに、地道に生きていきましょう。

 藤田孝典氏の以下の著作が、評判が良い様子。

 ハンター試験がわからない人は、HUNTER×HUNTERを読んでくださいね。

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2 Comments
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Muse
7 月 前

>しかし地方自治体の就職氷河期世代支援採用を見ても、全部合わせて「せいぜい100名足らず」です。……意味なくね? と言ってしまうと、暴言でしょうか。

いいえ。それでも控えめな表現です(笑)。自分から言わせれば、歴代政権による致命的な経済政策、いわば国家権力主導の重大犯罪の犠牲者として、一生を棒に振り、さらに今後も生き地獄のごとき極貧老後が待ち受けている多くのロスジェネ世代にとっては「焼け石に水」以下であり、全く何の慰めにもならない卑劣極まりない偽善的所業と呼ばずして何と呼ぶべきか?といったところです。

>いつの時代も支配のもっとも効率の良いやり方は「現地住民を分断すること」でした。就職氷河期世代への支援が、これに倣っていないと断言はできません。

その意図は十二分にあり得ます。これとは別に、先の安倍晋三の所信表明演説の中でも、全世代型社会保障の美名のもとに、「現役世代の保険料負担軽減のため」などと、現役世代のルサンチマンを煽り立てる言い回しで、高齢者の医療費負担を増やそうとしています。これ一つとってみても、今更ですが、(選挙に強いというだけで救いようのない大嘘付きでバカ丸出しの)安倍晋三を担いでいる自民党政権がいかにどうしようもないクズ政権かがわかるほど。

>就職氷河期世代の受難を救うには、まず「日本全体が景気が良くなる」ことが一番必要です。
>つまり筆者が普段から訴えるように、財政出動と景気拡大以外に就職氷河期世代を救う「状況にする」方法はありません。

もちろんその方法しかありませんが、肝心な事は、「積極財政による景気拡大を通じて日本経済の再生・復活を目指す」政治勢力がごく少数であるという現在の状況で、どうすれば、与野党横断型の政界再編等を通じてそうした政治勢力が民意を背景に政権を獲得できるのか?そのための具体的な戦略ないし方法です。もし、そうなる前に日本が再起不能になるほど国力が弱体化し、あるいは移民激増や経済格差の更なる拡大によって日本国民全体のアイデンティティーが崩れ去るような事態となれば、万事休す!