エセ保守の意味と具体例を解説-エセ保守とネトウヨが日本を誤らせる

 エセ保守という言葉をご存知でしょうか。エセ=似非ですから「保守と似て非なるもの」がエセ保守と呼ばれる層です。

 日本で保守と名乗る人の大半、いえほとんどがエセ保守です。こう書くと驚かれるでしょうか? しかしこれは事実です。もちろんながらネット上で保守や愛国を自称するネトウヨも、エセ保守に分類されます。

 エセ保守の意味と具体例について解説します。
 エセ保守の意味を知ることで、エセ保守に感染することが予防できます。エセ保守に陥りたくない人は必読です。

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本来の保守思想の基本

 エセ保守の意味や具体例の解説の前に、本来の保守思想の基本を抑えておきましょう。

  1. 急進的な改革や革命に反対するのが基本スタンス
  2. なぜなら歴史によって積み上げられた、自生的な文化や慣習、秩序などを重んじるから
  3. 不可知論の立場で、理性万能主義を警戒する

 上記がおおよその、保守思想の基本です。保守思想の父と評されるのはエドマンド・バークです。エドマンド・バークはフランス革命に対して、非常に懐疑的な見方をしていました。
 バークの名言を1つだけ、ご紹介しましょう。

「祖先を顧みようとしない人々は、子孫のことも考えまい」

エセ保守の意味と定義

 保守主義ないし保守思想の基本スタンスは、自生的かつ歴史的な秩序や文化の保守と述べました。その代表的なものは、国や地域といった共同体の存在でしょう。地域共同体に根ざす郷土料理や、地域の文化や伝統芸能も保守するべき対象です。

 したがって「共同体を破壊する行為」をすすめることは、保守とは呼べないと解されます。

 結論を先に述べると、エセ保守の意味は「愛国や保守を掲げつつ、共同体を破壊する行為を黙認ないし賛成する人たち」です。

新自由主義やグローバリズムの共同体破壊

 新自由主義やグローバリズムには、共同体を破壊する作用があります。グローバリズムは日本語で、地球主義です。言い換えれば地球を重視して、国家という共同体を軽視することがグローバリズムの本質です。
 TPPや日米貿易協定で、地域共同体の要の1つである農業が苦境に立たされています。農業が立ち行かなくなれば、地域共同体へのダメージは計り知れません。
 このようにグローバリズムは、共同体を破壊するのです。

 つまり保守主義とグローバリズムや新自由主義は、相容れないものです。

エセ保守の安倍政権支持という最大の矛盾

 エセ保守の意味は「愛国や保守を掲げつつ、共同体を破壊する行為を黙認ないし賛成する人たち」と述べました。このことをもっとも表しているのが、エセ保守の安倍政権支持という行動でしょう。

 安倍政権は農協改革、種子法改正、日米貿易協定、TPP、入管法規制緩和による移民拡大、水道事業民営化、カジノ法案etc……。どこをどう見てもグローバリズム・新自由主義政権であることは、間違いがありません。

 安倍総理は保守ではないのです。エセ保守と評しても、過言ではありません。
 安倍政権を支持しながら、愛国や保守を名乗るのは無理筋です。なぜなら共同体という土台を壊しながら、家の修理をしていると言い張るようなものだからです。

日本の保守層がなぜエセ保守に変化したのか?

 日本の保守層は、いつから共同体を守る! と言いながら、共同体をぶっ壊し始めたのか? このねじれは戦後という時代に、端を発していると言えます。。

 アメリカの占領軍は「進駐軍」、敗戦は「終戦」と言い換えて、現実を受け止めなかったのが戦後日本と言えます。未だ国内を「アメリカ軍が占領している」のを「安全保障のためだ!」などと臆面もなく主張できるのが、その証拠です。

 「え? 安保で……」と思う人は、横田空域を検索てみてください。端的に「日本いまだに、一部を占領されている」と頷けるはずです。

 保守層は戦後、「アメリカに隷従する日本」を保守してきました。決して「日本という独立した共同体の保守」ではなかったのです。

 上述のねじれは保守層だけでなく、左派についても同じです。
 日本の保守層がいつから、エセ保守になったのか? もっとも遡れば、戦後からと解釈できるのではないでしょうか。

エセ保守が顕著になってきた21世紀と失われた20年

 エセ保守が顕著になったのは、21世紀に入ってからでしょう。1990年代に日本式経営を投げ捨て、グローバルスタンダードに迎合し始めたあたりです。

 なぜグローバルスタンダードに迎合したのか? バブル崩壊による自信喪失が、大きな要因といわれます。
 逆説的に「バブルやジャパン・アズ・ナンバーワンという、経済しか自信がなかった」のが日本と言えます。もう少しラディカルに表現すれば「カネしか自信がなかった」わけです。

 共産主義勢力的左翼は、1990年代に淘汰されます。ソ連崩壊によって、その正当性を失ったからです。しかし我が世の春となった保守層もまた、1990年代にエセ保守の特徴が顕著になっていきました。

ネトウヨとエセ保守の親和性

 現在の日本で「保守」という言葉は、アイコン化しています。「愛国で反日勢力と戦う俺、カッコイイ」というアイコンです。エセ保守たちが自らを「保守」と名乗るのも、このためです。

 エセ保守は構造的に「グローバリズムに迎合し、反日勢力という『フィクションないし弱小勢力』を叩いて保守・愛国ごっこをしているだけ」と解釈可能です。

 上記の解釈、何かに当てはまりませんか? そう、ネトウヨです。
 ちなみに筆者は、反グローバリズムなネトウヨに会ったことがありません。もしいらっしゃるようなら手を挙げて。

【忙しい人向け】エセ保守の意味のまとめ

  1. エセ保守とは「愛国や保守を掲げつつ、共同体を破壊する行為を黙認ないし支持する」という意味と定義
  2. エセ保守はグローバリズムに迎合する
  3. エセ保守はネトウヨと非常に親和性が高い
  4. エセ保守のねじれは戦後に端を発している
  5. エセ保守が顕著になってきたのは1990年代から

 保守思想について詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

 ネトウヨ芸能人についても、まとめてみました。

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Muse
9 月 前

>エセ保守の意味や具体例の解説の前に、本来の保守思想の基本を抑えておきましょう。

1.急進的な改革や革命に反対するのが基本スタンス
2.なぜなら歴史によって積み上げられた、自生的な文化や慣習、秩序などを重んじるから
3.不可知論の立場で、理性万能主義を警戒する

以上の3つは保守思想の根幹ですね。

それでは、安倍政権に代表されるように、新自由主義&グローバリズムを掲げて「共同体を破壊する」政策を行っている政権が別の政治勢力に交代したとします。その新たな政権が従来のネオリベ&グローバル化政策を”急進的に転換”し、「共同体を再生する」政策を急ピッチで推し進めた場合はどのように評価されることになるのでしょうか?

つまり、上記の保守思想の2番目、つまり、今まで「破壊されてきた共同体の文化や慣習、秩序」を取り戻すための復古的な政策を1番目の急進的な改革として推し進めようとした場合です。果たしてこれは保守思想に基づく政策といえるのでしょうか?もっとも、いったん破壊された共同体秩序を急進的な改革で取り戻すことはそう簡単ではない(もちろんその逆は簡単)とは思いますが。

阿吽
Reply to  Muse
9 月 前

>その新たな政権が従来のネオリベ&グローバル化政策を”急進的に転換”し、「共同体を再生する」政策を急ピッチで推し進めた場合はどのように評価されることになるのでしょうか?

現代日本とリンクするかはわかりませんが・・、急進的な復古ということになりますと、思い出せるのは前漢と後漢の間の『新』と、後醍醐天皇の建武の新政でしょうか・・・?

しかして上記二つは、もはやその時代にそぐわない復古ということで同時代人には受け入れられず、あっという間にその改革(復古)はとん挫しました。

後醍醐天皇の改革(復古)も、もはや時代の趨勢が完全に変化してしまっていて、結局同時代人には受け入れられず、いったんの秩序の回復は、結局は室町幕府の誕生まで待たれることになります。(もっと言ってしまえば、完全な秩序の回復は江戸幕府の誕生までかかったとも見れるかとも思います)

一度壊れたものは完全には戻りませんし・・、過去を参考にしながら新しい、良いものを模索していくのが、亡くなられた方や先人への礼儀ではないかとも思います。

(歌舞伎や相撲だって、守っていこうという力と、変えていこうという力が絶妙に合わさった結果、今に残るものと考えます)

Muse
Reply to  阿吽
9 月 前

確かに後醍醐天皇による建武の新政ないし中興はわずか2年で瓦解しました。その最大の原因は、やはり源平合戦から鎌倉時代全般を通じてすっかり支配階級としての地位を確立した武士階級の権益を全く無視した政策だったからでしょう。

それから、ナポレオン戦争後のウィーン体制下のフランスではブルボン王朝のルイ18世による「王政復古」が実現しましたが、1830年の7月革命によって打倒され、代わって生まれた立憲君主制の7月王政も1848年の2月革命によって打倒された。前者の革命の原動力は「上層ブルジョアジー」で、後者の革命の原動力は「都市の中産階級と労働者階級」だったわけですが、いずれも急速に台頭してきた「新たな社会階級」が復古政策を挫折させています。

>一度壊れたものは完全には戻りませんし・・

ということは、もしこのままネオリベ&グローバル化政策が続いて日本が格差社会→階級社会へと突入し、ましてやさらなる移民増大によって多民族社会への移行が進めば、国柄自体が完全に変質し、かつての総中流社会はもちろん、単一民族国家としての日本はもはや二度と復元できないということになります。そうなる前に食い止める方法はないのか。。。

阿吽
Reply to  Muse
9 月 前

>多民族社会への移行が進めば、国柄自体が完全に変質し

完全に、ではありませんが、もう国柄はどんどん変節しているかと思います。(というよりも、どんどん悪くなっていっていくかとも思います)

今は、場合によっては平安時代の末期、既存のシステムが壊れはじめ、武士の世が誕生してガラガラポンをする前の状態でさえあるかもしれません。

ようは、まだ終わってすらなく、その終わりの始まりぐらいの段階なのかもしれません。

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武士社会がまがりなりにも安定を日本国にもたらすまで、おおよそ400年かかりました。(鎌倉幕府誕生から江戸幕府誕生までのおおよその期間です)

我々は今後、数百年の苦難を生きる、場合によっては最初の世代なのかもしれません。

ただそれでもあきらめず、現代に生きる日本人としての最低限の責務を全うし生きることこそが、ある意味ではこの末法の世とも言える現代においては必要な、そして大切なことなのではないかとも思います。

今が仮に末法の世(正確には末法の時代の一番初期段階)でも、我々は生きているわけですから、生きているなりに、生きていかなければならないのではないかとも思います。

阿吽
9 月 前

>バークの名言を1つだけ、ご紹介しましょう。
>「祖先を顧みようとしない人々は、子孫のことも考えまい」

なるほどなあって、思っちゃいました・・。

極端な例を除けば、バークの言うような可能性が高いのではないかと思います・・・。

そういう意味では、故人に畏敬の念を抱けない表現の自由展の連中はやっぱりアウトです。(なんか思い出しちゃった)

(奴等の言いたいことはわかるのですが、あんな下品な表現をされずとも、私なんかは百も承知なんですよ。現在日本の愚かさも、神風特攻の悲しさも・・。だからこそ、あんな表現の仕方は不愉快千万なのです。)

死者を、あんなに軽々しく扱ってはいけないのです。

全てをわかって、その上で、黙って黙祷をしなければいけないのです。(残念ながら、ネット右翼は『わかって』の部分が、わかっていないと思いますが・・・)

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>ちなみに筆者は、反グローバリズムなネトウヨに会ったことがありません。もしいらっしゃるようなら手を挙げて。

『自称』ならいくらでもいるかとww

あくまでその部分は自称、ではありますが・・w

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というよりも、いわゆるネット右翼なんかは、所詮、アンチ左翼でしかないですから、極端なことを言ってしまえばそれ以外はどうでもいいんでしょうね。

だから、民主党政権時代は時の(サヨク)政権が進めていたTPPには反対しました。アンチ左翼だからです。

今は、似非保守の政権であり、サヨク政権ではないのですからアンチになる必要もなくTPPには興味もないか、もしくは賛成です。

ネット右翼はつまりがアンチ左翼であり、それが生きがいであり、それ以外(自生的かつ歴史的な秩序や文化の保守)は実はそんなに関心がない・・のかもしれません。

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逆に言えば我々も、反安倍政権の人がいた場合、その人は『アンチ・ネトウヨ(つまりはサヨク)』か、『保守』なのか、『リベラル』なのかぐらいの区別はつかないといけないのかも、しれませんね。

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あとこれはほんとに蛇足で申し訳ないのですが・・、あちらのサイトに出てきたあれは、アク禁でいいかと・・。

あれもかまってもらいたいのでしょう。

あれはきっと、アク禁にしてあげた方が、あれのためになります。

突き放すようなやりかたではありますが、その方があれにとっては優しさとなるのでしょう。きっと。

まあもちろんほっといてもかまわないとは思いますが・・。