プライマリーバランスの嘘と緊縮財政-国力を疲弊させる経済政策

「日本に財政問題なんて存在しない」

 上記は事実であり真実です。「そんなバカな! 1000兆円を超える借金があるじゃないか!」と反論したくなるでしょう。しかしほんの少しだけ、筆者の記事に耳を傾けて……いや、目を通してください。

 筆者はこれまで、リアルでの会話で「財政問題が証明しない根拠」を何度も説明してきました。そして多くの人に、理解してもらえました。きっとこの記事を読んでいるあなたも、目から鱗が落ちることでしょう。

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国の借金1000兆円は、誰から借りている?

 筆者がリアルで国債について話すとき、いつもこの質問から入ります。
「うん、国債は確かに1000兆円発行しているよね。あれは債務だし、借金という表現も間違っていないよ。じゃあその借金、誰から借りてるの?
「借りるには、貸す人が必要だよね」

 多くの人が、ここで回答に詰まってしまいます。「借りてるのだから、貸した人がいる」という当たり前の話を、発想しなかったからです。
 ここが「国の借金問題」の、一番厄介なポイントです。

 答えは「日本は国債を、自分で貸して自分で借りている」です。またもや「そんなバカな!」って? でも本当なんです。

日本君は100万円を日本円で借りました

 日本君は100万円が必要になりました。国債という借用書を発行して、100万円を日本円で借ります。
 日本君には通貨発行権があります。借用書を右ポケットから左ポケットい入れ、右ポケットから取り出した100万円を、左ポケットに入れました。
 これが日本の「借金1000兆円」の実態です。

プライマリーバランスを究極に追い求めると、日本が滅ぶ

 一般的には「1000兆円の借金を返さないと、日本はそのうち財政破綻する!」といわれます。あれは嘘です。
 日本には通貨発行権があります。国債はすべて、日本円建てで発行されています。
 したがって「通貨を発行して、国債はいつでも瞬時に返済できる」のです。

 プライマリーバランスとは、一般会計予算を国債に頼らずに作ろうというものです。つまり税収=政府予算という状態です。
 プライマリーバランスは究極的には、国債ゼロを目指します。

 プライマリーバランスを追求すると、日本は確実に滅びます。なぜか? 先程の日本君に登場してもらいましょう。

お金が民間に出回る仕組み
  1. 日本君(政府+日銀の統合政府)が、借用書100万円分と通貨100万円を発行します
  2. その100万円で民間に、仕事を発注します
  3. 民間は100万円を受け取り、仕事を納品します
  4. この100万円が「民間に出回るお金」です

 上記は非常に簡略化したモデルです。ポイントは「政府が借金して支出しないと、民間に通貨が出回らない」ということです。
※厳密には民間同士での信用創造も可能です
 逆に政府が借金を減らすと、民間から通貨が減ることになります。通貨が減るとどうなるか? デフレです。

 プライマリーバランスとは、デフレ推進政策だったのです。

プライマリーバランスと緊縮財政というフィクションと嘘

  1. 国債が1000兆円もある! 大変だ!
  2. 借金だから返さなきゃ!
  3. 年々の予算の、国債発行額を減らしてプライマリーバランスの黒字化を達成しよう!
  4. 税収は増えないから、支出を減らそう! 緊縮財政だ!
  5. 景気が悪くなって税収が減った! もっと節約して支出を減らさなきゃ!

 上記がプライマリーバランスを重視した場合に、陥る状況です。プライマリーバランスと緊縮財政は解決策どころか、悪循環を日本経済にもたらします。

 しかも日本の1000兆円の借金は、自分で自分に借りているものです。筆者が自分で自分に3000万円を貸して「借金で大変なんだ!」といったら、鼻で笑われることでしょう。
 日本に財政問題は存在していません。したがってプライマリーバランスが必要! などという主張は嘘です。緊縮財政も必要ありません。

 日本に財政問題は存在しない。プライマリーバランスや緊縮財政が必要という主張は嘘。しっかりと覚えてくださいね。

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3 Comments
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Muse
4 年 前

今回の記事も、日経新聞を筆頭とする大手メディア(と称されている財務省&政府のプロパガンダ機関)の垂れ流すデマのせいで、世間一般に流布されている”経済常識”(という名の真っ赤な大嘘)にしか接していない人々にとっては、まさに「目から鱗」の話。

ところで、YouTubeでは、
「カリンゴンの怪獣でもわかる経済のお話」
https://www.youtube.com/channel/UC0uGaJeR29UfRzyTDv7tTTQ/videos

という動画が8か月ぐらい前からアップされています(毎回10分前後の内容で既に140本以上ある)。今まで結構見てきましたが、確かに(怪獣というか)中高生あたりでもわかるような分かりやすさ。反緊縮の重要性を訴えるメディアも色々増えてきましたが、まあ、多くの国民が一人でも多く真実に目覚めて欲しいところ。