田中秀臣ブログの現代貨幣理論批判記事-専門家に素人が口を出すな

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 田中秀臣氏は、日本を代表するリフレ派経済学者の1人です。1961年生まれで現在は58歳でしょうか。上武大学のビジネス情報学部の教授を、勤めておられます。

 はてなブックマークで現代貨幣理論(MMT)の人気記事を見ていましたら、田中秀臣氏のブログ記事が掲載されていました。現代貨幣理論批判の記事です。
 本稿では現代貨幣理論の真偽は論じません。田中秀臣氏のブログ記事があまりにナイーブでしたので、そちらを論じます。

 現代のネット社会において専門家は、どのようにブログなどで振る舞うべきなのか? 我々のような素人や読者は、どのような落とし穴に気をつけるべきなのか? 田中秀臣氏と現代貨幣理論を例として、模索していきたいと思います。

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田中秀臣氏のブログ記事に見る現代貨幣理論への批判的感情

 はてブに載っていたのは、MMT(現代貨幣理論)は、長期デフレをもたらした日銀理論の同族です(MMTへの批判的まとめ)です。
 上記は9月末です。約一ヶ月後に「オレのつぶやくMMTが世界一!」とか言ってるネット匿名の裸の王様たちへの自意識肥大をみたす機会の情報提供wという、挑発的なタイトルの記事を掲載していました。

 どちらも共通する内容は「専門家に素人が口出してんじゃね―よ」「これくらい理解してからコメントしたら? 恥ずかしくね?」「匿名のくせにマジうざい」(すべて意訳)というようなものです。
 余談ですが筆者はブログでも本名です。また前者の記事に挙げられている「これくらい読めリスト」は、ほぼ読んでいました。

田中秀臣氏と現代貨幣理論の、どちらが知的誠実さにかけているか

 田中秀臣氏によれば、現代貨幣理論は理論モデルがなく「知的誠実さがない」のだそうです。そしてリフレ派は20数年間に渡り「金融政策と財政政策の両輪を主張し続けてきた」と、下記記事で田中秀臣氏は言います。
参照:MMTは論理的に破綻…それを攻撃して消費増税強行に世論誘導する財務省は悪質(田中秀臣氏の論説)

田中秀臣は「現在(2015年)の日銀の金融政策の方向性は、インフレ目標政策・量的緩和などリフレ政策のメニューそのものである」「『アベノミクス』は、積極的にリフレーション政策を推進している」と指摘している。

 ……あれ? 2015年といえば消費税増税8%の翌年です。完全な緊縮財政であり、日銀の異次元緩和しかしておりません。その2015年は田中秀臣氏によれば「リフレ政策のメニューそのもの」「リフレ政策を推進している」と言っています。
 リフレ派が財政政策の重要性を理解していれば「安倍政権の政策は片手落ち。両輪のうちの片輪しか回っていない」としたはずです。この頃はまだ、リフレ派は金融政策一辺倒だったことが伺えます。

 過去を偽ることは、誠実ではありません。
 果たして「知的誠実さ」が欠けているのは、現代貨幣理論と田中秀臣氏のどちらでしょうか。

経済専門家の振る舞いが、ブログでナイーブである理由わけ

 かなり強めの批判を上述してきましたが、田中秀臣氏の感情は理解が可能です。ブログで政経論を書いていたら、誰しも陥る落とし穴です。「知識が広く深い自分の考えが、間違っているはずがない。ズブの素人に理解なんかできるもんか!」というわけです。

 感情は理解可能ですが、上記は様々な意味で間違っています。

  1. 専門家や知識の深い人がブログ記事を書く理由は、多くの人に理解を促すのが目的
  2. 理解を促すのが目的である以上、現代貨幣理論批判で言えば「なぜ現代貨幣理論が、論理的ではないか」をできる限り平易に解説することが求められている
  3. そもそもブログは、不特定多数が閲覧するもの。ほぼ100%が匿名。コメントでイライラするのなら、コメント欄を閉鎖するなり自分が対応するべき。
  4. Twitterでイライラしているのは知らん。見なければイライラしません

これぐらいを理解しないで、専門家に「MMTを理解してない」とか「MMTが素晴らしい」とわざわざコメントする匿名は悪意の人物で、まず経済の話以前にその行為自体を反省すべきだと思います。

 上記の文言も、やや矛盾をはらみます。現代貨幣理論の権威、専門家といえばランダル・レイ、ビル・ミッチェル、ステファニー・ケルトン、ウォーレン・モズラーなどです。
 一方で田中秀臣氏は、現代貨幣理論に関しては門外漢のはず。

 田中秀臣氏が「これくらい読めリスト」に入れた自身の記事、MMTは論理的に破綻…それを攻撃して消費増税強行に世論誘導する財務省は悪質は門外漢っぷりが如実に現れています。
 以下の記事で、論理の矛盾や詭弁を指摘してます。

 筆者から見れば田中秀臣氏の記事は、論理破綻と詭弁の典型例です。これは「まず現代貨幣理論の話以前にその行為自体を反省すべき」ではないでしょうか?

MMTer(現代貨幣理論支持者)が陥るべきではないネトウヨ的落とし穴

 一方で我々MMTer(現代貨幣理論支持者)も、陥ってはならない落とし穴があります。現代貨幣理論が「絶対的に正しい」と思ってはいけません。そうなった瞬間に、ネトウヨやパヨクと同じく「対話不能な人々」に堕します。

 世の中に絶対的な正義などないように、理論のほとんどは仮説にしか過ぎません。不完全性定理にもあるように、理論自身は理論の正しさを証明できないのです。
 直感と論理で「現代貨幣理論は正しいだろう」と、筆者も確信してます。一方で「正しいと思いつつも、仮説の1つに過ぎないという謙虚さ」も必要なのだと思います。

 国債ではギリシャ、現代貨幣理論ではベネズエラ(※1)などの不適切な例を引き合いに出し、批判するような恥ずかしいことはしたくないものです。
※1 田中秀臣氏の記事で、ベネズエラのハイパーインフレを例に出して「現代貨幣理論でハイパーインフレだ―!」と批判していた。

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黄昏のタロ

お邪魔いたしますです。

https://jp.reuters.com/article/ldp-mmt-idJPKBN1Y70HU
自民党が「MMT勉強会」、出席者から賛否両論
“勉強会は大胆な金融政策を提唱するリフレ派で知られる山本幸三議員が、MMTには反対の立場ながら、勉強は必要との判断から企画。会合は議員・議員秘書合わせ20人程度が出席した。”

学ぶ姿勢に共感するです。
ーーーーーーーーーー
 おいらは、大西つねきMMT風味BI@名無しさんバージョンって粗悪なのと出会って遠回りしちゃったです。突っ込みどころ満載で、名無しさんはまともな説明すら出来てなかったです。

 勉強会なら良質のはず。受け入れるか受け入れないかは別にして、

誤解しませんように。

同じ緊縮財政派の池田信夫にすら、馬鹿にされっ放しのリフレ派……。まあ、彼らが苦し紛れに財政拡大を言い出しても、それらはポーズにしか過ぎません。

阿吽

>「絶対的に正しい」と思ってはいけません。

>「正しいと思いつつも、仮説の1つに過ぎないという謙虚さ」も必要なのだと思います。

これはほんとに、おっしゃるとおりだと思います。

例えば原発議論なんかでもそうですが、いくら安全だろうと言っても、いくらこういう対策を講じれば安全だろうと言ったとしても・・、原発の安全神話が福島の事故によって終焉したというのはこれは、まぎれもない事実なのです。

それを踏まえた上で、原発を推進するならしなければならないのです。

これは業の深い、深い話しだと思います。

そして、業の深さを認識できる人間でなければ、逆に、逆説的な話しではありますが・・、これは、原発の運用というものは、逆に、安全には運用できないものなのではないかと思います・・。

ややこしい言い方ではありますが、そういうふうに思います・・。

Muse

リフレ派のインチキ理論を振りかざしてきた自称経済評論家どものせいで、安倍クズ政権がかくも長期化した罪は極めて重い。

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