今さら聞けないグローバル化と国際化が違うという常識、教えます

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 グローバル化と国際化。この2つは似ているようで、じつは全く別物です。日本語は英語のカタカナ化が混じっていて、意味をがわかりにくいことがあります。言葉の意味から解説し、後にグローバル化と国際化の全体的な内容を解説をします。

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グローバル化と国際化の違いを、言葉から理解する

 グローバル(global)とは、もともとは「地球」を指します。転じて「世界的な規模」という意味になります。
 市場のグローバル化(globalization)は「(統一的なルールの)市場が世界的にな規模になる」という意味になります。

 一方で国際化はどうでしょうか。国際化(internationalization)とは、カタカナでいえばインターナショナル化です。internationalを分解すると「inter」「national」の2つになります。nationalはnationから来ている言葉で「国家の」「国民の」などを指します。interは「〇〇の間」「相互」といった意味です。
 つまり国際化(internationalization)とは、国家間での交流というような意味になります。

 まとめます。

  1. グローバリズムは世界規模のなにか――例えば市場など――が主。国家が従
  2. 国際化は国家が主、市場などは従

 グローバル化と国際化では、主従が全く異なるのです。

グローバリズムという画一化と、国際化という多様化

 グローバル化とは画一化であり、国際化とは多元的な交流を可能とします。どのようなメカニズムでそうなるのか、解説します。

 グローバル化の定義は「ヒト・モノ・カネが国境を超えて、自由に移動すること」です。換言すれば「国境の壁を、限りなく低くすること」がグローバル化です。
 なぜ国境の壁を低くするのでしょうか? グローバル化の目的は「世界規模の統一的なルールを持った市場を作ること」だからです。

 各国が主体性を持った市場ルールを形成していては、企業活動が阻害されます。例えばAという薬品はアメリカではOKだけど、カナダではNGといった事例です。そこで市場ルールを――各国の事情など無視して――統一してしまおうというのが、グローバリズムです。
 グローバル化は経済が主で、国家が従なのです。
 もっともグローバル化では、肝心の経済成長も低迷します。これは後述します。

 一方、国際化は国家が主です。多元的、多様的な国際社会を作り上げることも可能でしょう。

グローバル化と国際化で、世界にどのような違いが出てくるか

 ここでは政治と経済の2つについて、解説します。

 まず政治に関してはダニ・ロドリックの「世界経済の政治的トリレンマ」が参考になります。これはグローバル化をすすめると、国家主権か民主主義のどちらか一方が成り立たなくなるという話です。

 トリレンマとは「3つのうち、同時に2つまでしか成立しない様」を言います。

  1. グローバリズム
  2. 国家主権
  3. 民主主義

 上記3つは、同時に2つまでしか成り立ちません。中国の場合は民主主義ではないので、グローバル化と国家主権を選択していることになります。日本の場合はグローバル化と民主主義を選択しています。ただし……その民主主義は「国家主権がないので、何もできない民主主義」ではありますが。
 グローバル化やグローバリズムは民主主義と、非常に相性が悪いのです。

 次は経済的に、グローバル化を検討してみましょう。トマ・ピケティは過去200年間の統計から、資本主義の正体に迫った人物です。彼の導き出した資本主義の正体は、r(資本収益率)>g(経済成長率)という式に集約されます。
 要点だけを述べれば「資本主義は放置しておくと、どんどん格差が広がり続ける」ということです。

 OECDなどからの報告書でも、格差は経済成長を阻害すると報告されています。金持ちは持っているお金を、全て使わない。低所得者は使えるお金がない。これでは経済は成長しません。

  1. グローバル化は格差を広げ続ける
  2. 格差は経済成長を阻害する
  3. したがってグローバル化では、経済成長は低迷する

 経済のためにグローバル化したはずが、皮肉にも経済を低迷させる結果となるのです。国際化ではこうならないようにすることも、政治の選択として可能です。

グローバル化の終焉に備えよう

 グローバル化の時代はすでに、終わりを告げようとしています。グローバリズムがどのように成り立つのか? を知れば、終焉の予測も難しくありません。

 グローバル化とは「世界の市場を統一する」ことです。つまりルールを押し付けられる、強い存在が必要です。2008年まではパクス・アメリカーナと言われました。アメリカによる平和という意味です。
 アメリカという超大国が、世界一強であり覇権国家だったからこそグローバル化が可能でした。

 アメリカの凋落は囁かれて久しい話です。ここで解説は不要でしょう。
 アメリカの一強支配が終焉すれば、必然的にそれに伴うグローバル化やグローバリズムも終焉します。

 地政学者の予測によれば、これからは地域覇権国家が台頭するのでは? とのことです。つまりブロック経済の中で、グローバル化に近い事――新自由主義的経済政策など――が行われるのではないかと思われます。

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Muse

グローバル化と国際化の本質的な違いがわからず、混同している。これこそが、現代日本人がいまだに「日本もグローバル化の流れに乗れ遅れるな!」とか「グローバル人材になるために子供の頃から英語を学ぼう!」等々の世迷い事を真に受け、グローバル化の恐ろしさに全く無頓着である理由です。

ところで、施光恒さんも以前、同じテーマで「新」経世済民新聞のメルマガを書かれていました。
https://38news.jp/politics/14818

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