れいわ新選組重度障害者議員への、大阪維新の松井一郎と吉村洋文の反応

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 今年の7月、参院選でれいわ新選組の2人の議員が当選しました。舩後靖彦議員、木村英子議員です。

 2人は重度障害者です。船後議員はALSという病気です。宇宙学の権威、ホーキング博士が患っている病気でもあります。
 木村議員は生後8ヶ月の頃に、転落により頚椎損傷で重度障害者となったようです。

 れいわ新選組の両議員が当選してから、国会ではバリアフリー化が進められました。2016年に成立した、障害者差別解消法などが法的根拠です。
 参議院では、両議員の国会活動における介助費用の、”当面”の負担を決定しました。

 これに対して、大阪維新の会の松井一郎大阪市長が異を唱えています。そのコメント内容があまりに酷いので、取り上げたいと思います。

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れいわ新選組重度障害者議員に、松井市長、吉村知事がコメント

松井市長のツイートやコメント

「税金支出ならば、国会議員という職業の障がい者だけが、その他の就労中の障がい者の皆さんと比べて、公的支援優遇となります。立法府がその場しのぎで福祉施策ルールを変えるのはおかしいでしょ!」
(2019.7.30 ツイート)

「国会議員は高額所得でスタッフも付く。政治家は個人事業主だから、事業主の責任で(費用支出に)対応すべきだ」
(2019.7.30 共同通信)

介助制度がないと働けないのか。違うと思う。支援を受けずに働いている人もいる」
「公的補助を受けずに電車通勤している全盲の職員もいた。危険だが、努力で克服していた」
(2019.8.1 東京新聞)

 ちなみに船後・木村両議員は介助がないと働けません。松井市長は、寝ぼけて取材を受けたのでしょうか?
 8月1日に、自民党の武井俊輔衆院議員は以下のようにツイートしてます。

武井議員の松井市長へのツイート

「維新の会の意見は論理的には正しいのかもしれませんが、そのような人の苦しみや歩みに思いを致しているようには思えません。率直にいえば薄っぺらいのです
(2019.8.1 ツイート)

上記に対する、吉村知事のツイート

「維新は薄っぺらい」とのことですが、障害者雇用率全国No.1は大阪府です。橋下元知事が障害者雇用の全国No.1を目指すと宣言して以降、現在までずっとです。
大阪府/令和元年(2019年)6月24日の記者会見で使用した資料の説明
綺麗な意見の前に、国民の重度障害者の為の制度を。公平なルールをお願いします。
(2019.8.1 ツイート)

 簡単にまとめましょう。

  1. 松井市長「国会議員だけ、税金でルールにない支援を受けるのはおかしい」「公的補助なしでも、努力すれば働ける」「政治家は個人事業主だから、ポケットマネーで支出するべき」
  2. 武井議員「大阪維新の会の意見はルールだけに縛られてて、薄っぺらくね?」
  3. 吉村知事「大阪府は、障害者雇用率が全国1位! 公平なルールを!」

 いくつか論点がありますので、整理しておきます。

  1. 政治家は個人事業主か? 歳費は報酬で、国会議員はビジネスか?
  2. 大阪府が障害者雇用率1位は本当か? (知事部局だけです。大阪府全体では、全国42位の最低クラス)
  3. 民主主義として、障害者議員はどのような意味を持つのか?

松井市長の「政治家は個人事業主」は本当?

 大阪維新の会の松井一郎市長の、「政治家は個人事業主」発言には驚きました。この発言は、「政治はビジネスだ」と言ったに等しいのです。

 国会議員の身分は、特別国家公務員です。公務員とは、公益のために働く身分です。一方で個人事業主はビジネスですから、私益のために働きます。
 図らずも松井市長は、自分たち政治家を「私益を追求する存在」と発言したのです。

 びっくりするな、という方が無理でしょう。
 松井市長は維新の会の代表ですから、維新の会は「政治にかこつけて、ビジネスをする集団」とすら解釈しうるのです。

国会議員の歳費は、なぜ歳費というか

 国会議員が受け取る歳費には、2つの見解があります。費用弁償説と報酬説です。

 費用弁償説は「国会議員をすることで、得られなかった金銭や時間と、職務上必要な費用の弁償」が歳費とする説です。
 報酬説はそのまんま、歳費は国会議員へのお給料という意味です。

 国会議員は政治活動を、歳費から捻出します。費用弁償説では、公益に資する活動を国庫で負担するという意味になります。
 報酬説では政治活動への出費は、その政治家の未来への投資という意味合いになるでしょう。

 私は政治を、ビジネスとは捉えていません。したがって、費用弁償説を支持しています。
 上記が真ならば、れいわ新選組の重度障害者の両議員の国会における介助費用を、国庫で負担するのは「当たり前」ではないでしょうか。

 費用弁償説と報酬説。どちらを支持するか? は「政治がビジネスか? ビジネスではないか?」を問うものでもあります。

大阪府が障害者雇用率1位は本当か?

 吉村知事の武井議員への反論は、意味不明です。「薄っぺらい考え」と言われたことについて、なぜか大阪府の実績を提示しているのですから。

 しかし吉村知事の提示したURLは、知事部局だけのものです。
 大阪人としては大変不名誉ですが……大阪府全体の障害者実雇用率は全国42位と、最低クラスです。

 大阪府知事の役割は、大阪府全体の行政です。吉村知事は自信満々に、知事部局のデータを出しましたが、むしろ恥じるべきでしょう。
 「知事部局では頑張っているが、大阪府全体ではまだまだだ……」と。

 それが、公職につくものの態度ではないでしょうか。
 なるほど、武井議員から維新の会が「薄っぺらい」と言われるわけです。

民主主義として、障害者議員はどのような意味を持つのか?

 れいわ新選組が生み出した船後議員、木村議員について、様々な議論があります。おバカな自己責任論から、民主主義的な意義を語るものまでです。

 ネトウヨの自己責任論は利己主義-アメリカより自己責任の蔓延る日本 – 進撃の庶民でも書きましたが、日本人ほど「弱者に厳しく、利己的な国民は珍しい」です。
 なにせ本家アメリカより、自己責任論が大好きな国民です。
 「国家や政府は、貧しい人を助ける責任があるか?」という設問に、4割もの「NO」がある国家は日本だけでしょう。
 アメリカですら、3割。欧州では1割以下です。

 閑話休題。

 当たり前ですが、障害者の方々にも選挙権、被選挙権があります。国会議員になる権利も、当然あります。

 大阪維新の会の松井市長や、吉村知事は「その場しのぎで、ルールを変えるのはおかしい!」といいます。
 しかしルールの制定には、時間がかかります。
 その期間は、船後・木村両議員の国会活動が困難になります。

 国会議員とは代議士です。船後・木村両議員は、全国の障害者の代議士と解釈するのが自然です。

  1. ルール至上主義で、障害者の代議士の活動ができないのも仕方がないとする
  2. ひとまず両議員の活動を円滑に出来るようにし、その後でルールを制定する

 上記2つの選択肢が、議論には存在します。私は、後者が正しいと思います。参議院で、当面の介助費用の負担は正しかったと思います。
 国会議員の本質は代議士です。活動できないというのは、民主主義にとって最悪の事態です。

 れいわ新選組の船後議員、木村議員の存在は、日本の民主主義と近代人権思想を問うものではないでしょうか?

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