報道を見ていましたら、れいわ新選組の支持率が4.3%と倍増したようです。
他の野党は軒並み、支持率ダウンでした。れいわ新選組の1人勝ちと言えるでしょう。
参照:(リンク切れ)れいわが倍増、政党支持率 共産に並ぶ4.3% | 共同通信
特に若年層からの支持率が高いことが、れいわ新選組の特徴です。
結党からわずか数ヶ月で、野党第2党に躍り出た理由とは? 日本の苦しい現状も踏まえ、解説していきます。
れいわ新選組の支持率が4.3%にアップ。その理由とは?
れいわ新選組の支持率アップの理由は、いくつか考えられます。
- たった2人の障害を持った当選者を出しただけで、政治が動くという結果が出た
- 庶民や弱者ファーストの目線と、現代貨幣理論(MMT)による政府支出拡大の訴え
- 比例3位に党首の山本太郎さんが位置し、落選たことも「応援しなきゃ」という真理を掻き立てた?
- 国民からの寄付による選挙活動は、寄付した国民の帰属意識を生んだかもしれない
- 上述の様々な大胆な戦略は、連日のようにマスメディアに報道されている
おおよそ、上記5つが支持率アップの理由かと思います。
イノベーター理論によれば、まず2.5%の「イノベーター(先駆者)」を獲得し、その次の段階。つまりアーリーアダプター(流行を作る人たち)の取り込みに入れた、と見て良いでしょう。
それぞれの理由を、解説してみます。
2人の障害者議員、当選者を出しただけで、政治が動いた
現在国会では、バリアフリー化が進められています。2016年に成立した、障害者差別解消法に則ってです。
「存在するだけ」で国会を、この国を変えていく れいわ新選組の新人議員。 | ハフポストでは、詳細にその内容と問題点を報じています。
私も以前、れいわ新選組当選議員をネトウヨが口撃-ゲイ的に考える障害者議員で論じましたが、国会の場は「健常者前提」で作られていました。
憲法でも法律でも、当然ながら「障害者にも被選挙権はある」と認められています。
障害者議員お二人の「存在だけ」で、政治が大きく動いたと評せます。現に、国会のバリアフリー化が進められているのです。
障害を持った人たちが、政治の真の当事者になった瞬間といっても、過言ではありません。
この衝撃は、支持率をアップするのに十分な理由でしょう。
徹底した庶民ファースト、弱者ファーストな目線
現在の政治、特に与党は大企業よりです。大企業よりということは、グローバリズムにならざるを得ません。
グローバリズムは庶民の生活を苦しくし、基本的に弱者切り捨てをします。なぜなら、均衡財政主義だからです。
均衡財政主義では、大きな政府支出はできません。
したがって「現在の経済状態がどうか?」ではなく、「決められた予算額ありき」の支出しかできません。
結果的に、庶民や弱者は切り捨てられる傾向にあります。
れいわ新選組と山本太郎党首は、現代貨幣理論(MMT)を取り入れました。
現代貨幣理論(MMT)は「経済の状態によって、政府支出を拡大しても良い」という理論です。
だからこそ、れいわ新選組サイトにあるような大胆な政策提言が可能になったのです。
現代貨幣理論(MMT)の浸透――批判的な記事が多いですが――と、れいわ新選組の立ち上げは、非常に絶妙なコラボレーションだと思います。
時期と政策が一致した。これもれいわ新選組の支持率アップの、理由の1つでしょう。
山本太郎さんが落選したから、応援しなきゃという心理
山本太郎さんの落選は、支持者にとって落胆だったと思います。私もやや、落胆しました。
逆に山本太郎さんが当選していたら、どういう心理状態だったでしょう? ホッとして、しばらくれいわ新選組関連の記事を、見なかったんじゃないかな? と思います。
古来から殉教者が、信仰の結束に結びつく例は、枚挙にいとまがありません。この心理と近いものが、山本太郎さんの落選で発揮された可能性はあります。
国民からの寄付による政治活動。大企業への決別
報道によれば、山本太郎さんの集金力は30億円ともいわれます。すごいですね……(汗) それが全部、寄付で成り立つのですから脱帽です。
寄付という行為は、ハードルが高い。ハードルが高いぶん、寄付をすれば一蓮托生の心理が生まれます。
また、大企業の影響力をそげます。これは、庶民や弱者ファーストをうたう、れいわ新選組にとってプラスの影響をもたらします。
政治への当事者意識を持つことにも、繋がります。
当然、責任も重くなるでしょう。クリーンな会計は、絶対的に求められます。
この「責任の重大さ」こそが、支持率アップのミソなのかもしれません。
マスメディアも認める話題性と、連日の報道
ブログを書いていると、実感することがあります。話題性です。一過性ですが「テラスプレス」や「原子力巡航ミサイル」は、私も取り上げました。
SEO的にも「美味しい」状態でした(笑)
話題性はどのように生まれるのか?
- 最初にちょろっと報道され、話題になる
- 報道が相次ぐと、話題性がさらに強化される
- 報道が報道の話題性を強化するという、循環にハマる
現代貨幣理論(MMT)も、れいわ新選組も上記に当てはまります。
話題になったのは、山本太郎党首の大胆な戦略でしょう。
上述してきたとおり、れいわ新選組の戦略は「非常に緻密」だと理解できます。今孔明でもいるんでしょうか(笑)
とすれば、山本太郎さんは劉備玄徳ということに。
余談ですが、私は曹操孟徳が好きだったりします。漢詩の短歌行 曹操 漢詩の朗読が好きなのです。
立憲民主党につぐ、野党第2位の支持率からさらに伸ばせるか
れいわ新選組の支持率は、ひとまず順調に伸びています。
それでは今後、れいわ新選組の支持率はさらに伸びるのか? それとも伸び悩むのか?
いくつかの要素から、考えます。3までがプラス要素。4からは不安要素です。
れいわ新選組支持率アップへのプラス要素
- 障害者議員お二人によって、すでに公党としての実績があげられた
- コアな支持基盤は、寄付などにより結束し強固だと思われる
- EUやアメリカの反グローバリズム運動と政党の伸びを見ると、日本で同じことが起きてもおかしくはない
れいわ新選組支持率への不安要素
- クリーンな会計を、継続できるか?
- 党勢拡大で余計な勢力争いと醜聞が出ないか?
- れいわ新選組の綱領を、人数が少ないうちにまとめられるか
党勢拡大は、ほぼ間違いないだろうと私は判断してます。次回の衆院選は、かなり期待してます。
問題は、その後にやってきます。
議員が増えれば、スキャンダルなども増える可能性が高い。どれだけ、人選をしっかりするか? が問われます。
れいわ新選組の綱領についても、早期に決定したほうが良いでしょう。人が増えれば、それだけ当初の目的がぼやけてしまう可能性が高い。
れいわ新選組と山本太郎党首は、未来の与党と総理大臣?
アメリカのトランプは、大統領選当初は完全な大穴でした。誰も、トランプが当選するとは思っていなかった。
現在、日本で「れいわ新選組が与党になり、山本太郎党首が総理大臣になる未来」を予想する人はいません。
イギリスのブレグジットだって、可決されるとは予想されませんでした。フランスのルペンが、大統領候補として善戦するのも、予想されませんでした。
歴史を遡れば、ヒトラーだって最初は他の政治家から、一笑に付されていたのです。
良いか悪いか? は置いても、歴史の変わり目には「予想もしないこと」が起きるものです。
今は参議院で、たった2議席のれいわ新選組ですが、与党になる可能性は「存在する」のです。
今は山本太郎さんが「総理大臣を目指す」といっても、真剣には受け止められていません。トランプもブレグジットも、そしてブレグジット党も「そうだった」のです。
※ブレグジット党は、ナイジェル・ファラージ率いる、イギリスの政党。
山本太郎さんが総理になる未来。それは「庶民こそが作れる」未来です。
>れいわ新選組の綱領についても、早期に決定したほうが良いでしょう。人が増えれば、それだけ当初の目的がぼやけてしまう可能性が高い。
れいわ新選組は、いわゆるリベラル層の支持者が多いでしょうから、軍拡のほうにつきましてはあまり期待は今の所はできませんが・・、せめてもの所で、公共事業の拡大方針は、党としてはっきりと明示してほしいですね・・。
リベラル系の人は、消費税の減税や廃止には賛同できても、公共事業の拡大は支持してくれるかはわかりませんから・・、はやめに自分らの方針はこうだ・・という明言はほしいですね。
れいわ新選組の支持者も公共事業拡大に理解を示してほしいですし・・・。
山本太郎さんは、少なくとも、今の所は公共事業の拡大には理解があるように見えますからね・・。
ところが……!! 公式サイトでは「真の独立国を目指す」と書いてあったりします。
まあ、リベラルな支持層が多いのは事実ですよね。あまり軍事には、期待しすぎないほうが良いというのは、同感です(笑)
早めに、党の綱領について議論を始めてほしいところです。