20歳の自分に受けさせたい文章講義(古賀史健)で文章力を身につける

 本稿は2019.10.5に更新しました。

 古賀史健さんというライターの著作、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読了しました。
 大変わかりやすい本です。内容を実践していけば「文章力が上がった」と実感できます。

 文章力は仕事やプライベート、ブログでも有用なスキルです。
 同じ企画でも文章力のあるなしで、通りやすさが変わります。

 以下は「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の目次です。
 本書を解説しつつ、最後にレビューします。

  1. はじめに 「話せるのに書けない!」のはなぜか?
  2. ガイダンス その気持を「翻訳」しよう
  3. 第1講 文章は「リズム」で決まる
  4. 第2講 構成は「眼」で考える
  5. 第3講 読者の「椅子」に座る
  6. 第4講 原稿に「ハサミ」を入れる
  7. おわりに
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頭の中の翻訳と言語化で、文章力をアップさせる

 普段の会話を録音してみると、意味が通らないことが多いそうです。

 私はYouTubeに、動画を投稿した経験があります。論理的に話すのは難しく、何度も撮影しました。
 なぜそうなるのか? 普段の会話はボディーランゲージ(身振り手振りや表情)が、大半を占めるのだそうです。
 電話にしても、声色などでおおよそが伝わります。
 対面しての会話より、電話のほうが難しいのは声色のみだからです。

 では文章とは? 文字のみです。

 文章は古賀史健さんによれば、「なんか書きたい、頭の中をグルグルしてるもの」の翻訳行為だそうです。なるほど……と、私は思わずうなりました。
 書きたいことを言語化し、論理に落とし込み、翻訳する行為が「文章を書くこと」です。

 文章力とは「頭の中」を、相手に伝わりやすく言語化できる能力です。
 大まかなプロット(構成)を書くのが、文章力アップの一番の早道です。

文体とリズムが大事。文章の構成の視覚化で、読みやすくする

見づらい文章の例題

現代貨幣理論は貨幣を負債と捉える概念である。中央銀行の賃借対照表を見ても貨幣は負債と相違ない。異次元の金融緩和とは負債と負債を取り替えるだけの行為であるし本質的な負債は減少していない。然し誰がそれを問題にするだろうか?資本主義とは常に負債と拡大し続ける主義であり国債か通貨か?は本質的に問題では無い。信用貨幣が生み出され投資され経済が技術革新を伴い拡大する。際限のない循環が資本主義の本質だ。

 記事のはじめに上記が出てきて、読む気がおきますか? 私なら閉じます。
 文章力とは「読みやすさ」です。

 例題の問題点をは、なんでしょうか?

  1. 漢字が多すぎて、圧迫感がある
  2. 読点(、)が少なく、読むのがしんどい
  3. 改行が少なく、縦の空間が暑苦しい

 1.漢字を多用すると、専門的に見えます。しかし読みづらくもなります。
 肝心なのは「読者にとって読みやすいか?」であり、筆者の専門性の誇示は不必要です。

 2.読点はスペースを確保して、読みやすくします。1文に1つ程度は入れるべき、と書かれています。
 カギカッコも、有効です。

 3.改行がない文章は圧迫感があり、読みづらくなります。スマートフォンから見ると、さらにその傾向が高まります。
 2文程度を目安に、改行しましょう。

 「視覚の重要性」を、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」では訴えます。
 同様に文章のプロットも、視覚化して図形にするとわかりやすいそうです。

読者視点とはなんなのか? 伝えるための文章力

 『第3講 読者の「椅子」に座る』は、非常に興味深い章でした。「誰に向けて記事を書けばよいか?」が書かれています。

 古賀史健さんはここで、2つの提案をします。

  1. 10年前の自分に向けて書く
  2. 特定の「あの人」に向けて書く

 「特定の人の、悩みや疑問を解決する」のが、文章力を上げるコツです。
 プレゼンで企画書を、上司やクライアントに向けて作るのと一緒です。
 多数の人に向けると、文章がぼやけるのだそうです。

文章の最後の仕上げは推敲と編集

 最後の章は、推敲と編集です。「20歳の自分に受けさせたい文章講義」では、「不要な部分は、バッサリと切ってしまえ!」と説きます。

 古賀史健さんは、文章の編集と推敲を映画監督に例えます。「なにを書くか(映すか)ではなく、なにを書かないか(映さないか)?」が重要だそうです。

 シンプルに引き算することで、読者に伝わりやすい文章になります。
 この記事は2019年6月に、書いたものです。
 しかし改めて3ヶ月後にリライト(書き直し)してみると、無駄な部分が沢山ありました。

 そう感じるのも、きっと文章力が上がったからでしょう。

文章力アップのポイントまとめ

  1. 頭の中を言語化するために、プロットを作る
  2. 読みやすく、リズムの良いシンプルな文体を心がける
  3. 特定の人を想定して、文章を書く
  4. 推敲と編集で、さらにシンプルに削る
  5. ブログの場合は、数カ月後に成果の出ていない記事をリライトする

20歳の自分に受けさせたい文章講義のレビュー

 「20歳の自分に受けさせたい文章講義」は、古賀史健さんの実務経験を通しての著書です。非常に実践的かつ役に立つ内容です。
 読んで実践することで、確実に文章力はアップします。

 文章力は仕事でも、私生活でも、ブログでも必須のスキルでしょう。

 私は有名ブログの記事を、勉強のために読むこともあります。
 読みやすく、気がついたら最後まで読んでます。

 私も文章力を上げて、そんな記事を書いてみたい。それが本書の購入の、きっかけでした。

 皆様も「20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)」を読んで、文章力をアップしてはいかが?

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4 年 前

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