中国はバブル崩壊前夜か?民間債務残高が対GDP比200%を超える

この記事は約6分で読めます。

 中国経済がいよいよ、危険水準に突入しております。先に結論だけ書いておきますと、数年以内に中国のバブルが崩壊し、リーマン・ショック級の金融危機が起こる可能性が非常に高い、と思われます。

 どういうことか? を解説し、そして日本はどのようにするべきか? 提案してみます。

民間債務残高増加の意味をMMT的に解説

 貨幣は信用創造されますが、その経路は2つあります。1つは政府・日銀の統合政府による信用創造での貨幣創出。もう1つは市中銀行による信用創造です。

 市中銀行による信用創造とは、民間債務の増加を意味します。企業や個人が市中銀行から、お金をかりることで、銀行預金が創造されるのです。
 借りたお金は、何らかの投資や消費に使用されます。
 信用創造は信用創造とは?わかりやすく図解で解説 イングランド銀行公式見解も参照で解説しています。

 つまり景気が良いと民間債務は増加しやすく、デフレだと民間債務は減少しやすいというわけです。景気が行き過ぎるとバブルとなり、いずれ崩壊します。
 なぜなら、政府の信用創造は通貨発行権によるものですが、市中銀行による信用創造は民間債務であり、いつかは返済しなければならないものだからです。

中国の民間債務残高はすでに危険水準

 中国の民間債務残高の対GDP比は、ついに200%を超えたようです。対GDP比で日本のバブル崩壊時の民間債務残高は230%、リーマン・ショック時のアメリカの民間債務残高は170%です。
 後進国ほど、対GDP比での民間債務残高の割合が低い段階で、バブル崩壊になる傾向にあります。

画像引用元:【藤井聡】近い将来、リーマンショック級の危機が「絶対」起こる | 「新」経世済民新聞
画像引用元:【藤井聡】近い将来、リーマンショック級の危機が「絶対」起こる | 「新」経世済民新聞

 一度信用縮小が起きると、ドミノ式に不良債権が増え、バブルは崩壊へと突き進みます。
 現在の中国の民間債務残高の大きさは、すでにバブル崩壊へのチキンレースと化しているのです。

ハイマン・ミンスキーの金融不安定性仮説

 ケインズ経済学の流れを継ぐハイマン・ミンスキーの金融不安定性仮説が、バブルの発生と崩壊を説明するのに、最も適切かと思います。

①調子のいい時、投資家はリスクを取る。
②どんどんリスクを取る。
③リスクに見合ったリターンが取れなくなる水準まで、リスクを取る。
④何かのショックでリスクが拡大する。
⑤慌てた投資家が資産を売却する。
⑥資産価格が暴落する。
⑦投資家が債務超過に陥り、破産する。
⑧投資家に融資していた銀行が破綻する。
⑨中央銀行が銀行を救済する(‘Minsky Moment’)
⑩1に戻る。

ハイマン・ミンスキー – Wikipedia

 上記はwikiの、金融不安定性仮説の段階の説明ですが、すでに中国は③まで来ております。あとは④の「何らかのショック」が起これば、バブルは崩壊し金融危機となることでしょう。

リーマン・ショック級の金融危機の可能性

 現在の中国のGDPは12兆ドル、日本円にして1300兆円ほどです。じつにアメリカの6割のGDPを誇っているのが、中国経済です。
 また中国には多くの外国企業が進出しており、日本企業もかなり進出しています。

 この中国が金融危機に陥ればどうなるのか? あまり考えたくありませんが、リーマン・ショック級、もしくはそれ以上という可能性もあるでしょう。

 さらに問題なのは、中国の対外債務(ドル建て)の増加です。公式では1兆9千億ドル程度と、12兆ドルのGDPからすればさほど問題がないと思われる額ですが、そのうち短期債務が6割とのことです。

 しかし非公式では3兆ドルを超えているのでは? という推計もあります。
 日本のバブルが世界に影響しなかったのは、その当時はまだ日本がグローバル化していなかったことと、ハードカレンシー(国際通貨)である円建ての内側のことだったからです。

 中国はグローバル化していますし、ドルでの対外債務も日本のバブルと異なります。
 少なくとも、地理的にも近い日本にとっては、リーマン・ショック級の金融危機になるだろうと予測されます。

グローバリズムで金融危機が次々起こるわけ

 グローバル化すると、金融危機は頻発します。これは歴史上の単なる事実です。
 なぜか? グローバル化とは新自由主義であり、小さな政府を目指します。

 小さな政府の国家には、2つの選択肢しかありません。万年デフレになるか、民間債務残高を拡大しながら経済を成長させ、最後にバブルで崩壊するか。

 資本主義における経済成長とは、負債の拡大です。それ以外の定義は、ありません。小さな政府を標榜しないならば、政府が支出と負債を拡大することで経済成長可能ですし、バブルになる前に手も打てます。
 また政府は自国通貨建て国債である限り、経済論的には破綻はありえません。

 しかし小さな政府では、政府が支出と負債を拡大しない、ということです。
 では経済成長するためにはどこかが、負債を拡大しなければなりません。政府でなければ、民間しかありえません。
 バブルとは民間の過剰債務拡大ですから、いずれ崩壊するのです。

 小さな政府でバブルを起こさないでおこうとすると、デフレに徹するしかなくなります。なぜなら、民間債務の拡大はインフレが前提条件だからです。これでは経済成長も”できなくなる”のです。

 世界では前者を選ぶ国家が多く、したがってグローバリズムのもとでは金融危機が頻発するのです。

金融危機から日本を保護するためには?

 明言しておきますが、中国がバブル崩壊したとしても、中国から何もかもを奪い去るわけではありません。実際にリーマン・ショックを起こしたアメリカは、2009年の1.5倍ほどになっています。
 したがって中国のバブル崩壊は、中国経済崩壊ではないのです。

 一方で20年以上にわたり、デフレという不健全な経済状況を続けてきた日本は、中国のバブル崩壊の影響を受ければ、深刻な事態になる可能性が高い。
 もともと右肩上がりの中国は、中国共産党一党支配ということもあり、容易に財政出動で数年間で立ち直ると思われます。

 では日本は? というと、そもそも緊縮財政が支配し、デフレでもあります。経済の土壌が弱っているのです。
 そこにリーマン・ショック級の金融危機となれば、そのダメージは多大でしょう。
 太っている人間が病気をしても、少々痩せたで済むでしょう。しかしもともとガリガリな人間が病気をすれば、命に関わりかねないというわけです。

 日本が今から、中国のバブル崩壊に備えて取るべき政策は、以下の3つになります。

  1. 財政出動でインフレ&好景気にする
  2. 産業や経済の中国依存を脱却
  3. 社会保障やセーフティーネットを手厚くする

 当然ながら、上記政策の前提条件ですが消費税増税は凍結、ないし減税か廃止にするべきです。
 経済の強靭性を日本は、再生させなければならないのです。

4
コメントを残す

1Comment threads
3Thread replies
0Followers
 
Most reacted comment
Hottest comment thread
2Comment authors
  Subscribe  
新しい順 古い順 最も評価の多い
更新通知を受け取る »
阿吽

中国がバブル崩壊した場合・・、現状では日本もかなりのダメージを受けるかとは思いますが・・、中国も結構なダメージにはなるのではないかと思います。(ただし、中国が崩壊するとまでは思わない)

最近の中国の6・4に関しての諸々の騒動なんかを見てますと・・、あれほど天安門に中国が神経をとがらせると言うことは・・、逆に言えば、中国はそれほどまでにガラスで作られたお城なのではないでしょうか。

締め付けるということは、それほど恐れている証拠でもあると思います。

そして恐れると言うことは・・、共産党政府は実はそこそこ脆いことの証拠なのではないでしょうか・・・? 

実際、現在の中国共産党政府に統治の正統性を与える最大の大義名分は・・、貧富の格差の拡大をくらますぐらいの経済成長だと思いますし・・。

ですので・・、その大義名分が崩壊した場合(バブル崩壊)、中国はそこそこ混乱するのではないかと思います。

しかし、それが直接の原因になって共産党政府が崩壊するかといったら、そんなことはないと思います。

中国は、阿片戦争という屈辱的な敗北をきっしてからでも70年、清朝は存続しましたし・・、安史の乱で大混乱が起こっても、唐王朝はその後も150年近く存在しました。

中国は国内が大混乱におちいっても、そこはやはり大きな国だからなのか、あんまりすぐには滅びないんですよね。

将来おこるかもしれない共産党政権の崩壊の遠因にはなるかもしれませんが・・、直接の原因にはならないかもしれませんね。

阿吽

そうですね。共産党の崩壊はないと思います。

ただまあ、今の中国は結構、危ういバランスの上で成り立っているんじゃないかとは思っていますので・・、仮にバブルが崩壊したら、そこそこは混乱するんじゃないかなあ・・とは思うかなあ・・というぐあいです。

いがいと・・、警察国家や独裁国家って、ささいな問題が場合によっては政権に大ダメージを与える場合がある・・というイメージなので。(まあ、かといって、清や唐の時の事例がごとく、すぐに中国がどうこうするという印象はそれほどないですが・・)


当ブログは2018年12月に移転しました。旧ブログはこちら
タイトルとURLをコピーしました