現代貨幣理論(MMT)がにわかに、世間を騒がせているようです。あの財務省! が、現代貨幣理論への反論を行っています。
参照:財務省が反論資料 財政赤字楽観論「MMT」:朝日新聞デジタル
62ページに及ぶ反論資料ですが――率直に申し上げて、「えっ? なにこれ?」という感想です。
財務省のMMTへの反論資料の57ページ目から4ページに渡って、反論が展開されています。
資料で気になった点をいくつか解説し、最後に「なぜ財務省がMMTへの反論資料を出したか?」を解説したいと思います。
財務省のバランスシートがアンバランスな理由
財務省のMMTへの反論資料の9ページ目では、政府のバランスシートが出てきます。
……バランスシートがバランスしてないだと? と思い調べてみますと、財務省と内閣府の政府のバランスシートでは、資産に計上する対象が異なるとのこと。
財務省と内閣府の政府のバランスシートの違い | 方谷先生に学ぶのブログが大変詳しく書かれております。
内閣府の「国民経済計算」と財務省の「国の財務資料」のカバーする対象範囲が異なり、前者はほぼ全体を範囲を集計しているのに対し、後者は、独立行政法人、社会保障(共済、健保、地方政府)、地方政府一般会計、独立行政法人と地方の公的企業が含まれていない。財務省の書類は、中央政府の一般会計と特別会計の範囲である。
上記記事では、内閣府のバランスシートはきっちりと、資産の部、負債の部の数字が一致するようです。
財務省の資料だけで「日本は債務超過だ!」と主張できない、ということだろうと思います。
※私は当初、財務省のバランスシートを見て「ん? 日銀が連結されていないから?」と仮説を立てたのですが、それは関係なかったようです。
財務省のバランスシートは、印象操作のようにも見えます。
財務省のMMTに対する反論資料は、意味がない
財務省のMMT反論資料は財務省のMMTへの反論資料のP57~P60と4ページも使っておりますが、理論的反論は一切されていません。
かわりに、高名な主流派経済学者たちや黒田日銀総裁、麻生大臣の批判コメントを、まとめただけのものです。
三橋貴明さんはこの資料を、権威プロパガンダと評しています。
参照:MMTに対する財務省の反論資料への反論 | 三橋貴明オフィシャルブログ
また財務省資料は、財政健全化と経済成長の事例としてP61、P62にドイツの事例をあげています。ドイツの事例は共通通貨ユーロの中での、ギリシャやイタリアなどを犠牲にした事例ですので、日本に当てはめることはできません。
ドイツを財政健全化・経済成長の事例としてあげることは、比較対象としてそもそもおかしいのです。
EUはドイツの一人勝ちとも言われており、他EU加盟国の負けの上に、ドイツの均衡財政・経済成長が存在するのです。
通常の資本主義国家で均衡財政が成立しない理由
特殊な事例――石油が産出されるなど――を除いて、近代資本主義国家では均衡財政は成立しません。自国通貨を使用しているのが前提条件です。
- 政府が支出して、初めて納税が可能になる
- 政府支出ぶんを、すべて徴税すると、民間市場からお金が消える
- ゆえに、政府赤字は累積していく
通貨は統合政府しか供給できません。民間への供給には政府支出が必要です。
原理的にはゼロから思考実験をしてみると、「政府支出→後に納税」という時系列しかありえませんし、これが事実です。
では政府支出のぶんを、すべて徴税するとどうなるでしょう? 民間に流通していたお金が消えます。
※厳密にいえば、民間銀行の信用創造(貨幣創出)ぶんの数字は残りますが、それは民間トータルではプラマイゼロになります。(誰かの負債(民間企業や個人)=誰かの資産(貸し付けた銀行))
※民間負債の拡大は、金融危機を引き起こすことでしょう。
安定して成長するためには、近代資本主義国家において、政府赤字は必要なのです。
※財務省があげたドイツの事例は、ユーロという共通通貨で、他国の需要を収奪したおかげと表現できます。
貨幣=負債の現実と、現実を否認したい財務省・主流派経済学
先程、政府支出が先で、納税はあとになると書きました。現実的に政府支出は、国債というワンクッションをおいているのですが、完全な統合政府(政府・日銀の完全統合)を想定してみるとどうでしょう?
【現実をシンプル化した思考実験】
(理論的に)完全な統合政府では、国債というクッションは必要ありません。では政府支出(負債)は何でなされるか? 通貨です。
このとき、政府支出の額は負債の部に計上されます。政府支出(政府の需要)によって民間で作られたものが、政府資産として計上されます。
仮に通貨を負債として計上しないなら、バランスシートが――財務省のパランスシートのように――バランスしないことになります。
この思考実験では、より明確に貨幣=負債がイメージできるのではないでしょうか?
余談ですが、通貨発行益というのは基本的には存在しません。負債を発行して、どうやって利益が得られるのでしょう?
貨幣=負債は単なる事実なのです。現代貨幣理論(MMT)は現実を、指摘しているに過ぎないわけです。
現実を指摘しているに過ぎないのに、なぜ財務省や主流派経済学者たちは、現代貨幣理論(MMT)を「ブードゥー教だ! 異端だ!」と批判するのでしょう。
現実を否認したい、ないし都合の悪い現実だから、と解釈可能です。
この事例だけをとっても、現代貨幣理論(MMT)が反緊縮・積極財政運動に、極めて有用であるとご理解いただけると思います。
バランスシートの件はなんとなく理解できて来たのですが・・、高度経済成長期の黒字での経済成長の理由も、もし宜しければ機会とタイミングの良い時に、今一度ご教授頂ければ幸いです。m(__)m
申し訳ありません。
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あとすみません、これから以下は余談となります・・。
MMTの議論の是非は、問いませんが・・、
例の人が、リブログ欄に出てましたので、いちおうご報告させて頂きます。m(__)m
しかしまあ・・・、彼(彼女?)を、結果として政経関係から解放してあげられたのかと思ってましたけど、やはり無理だったようですね・・・。
あとは、彼のリブログ先の記事もコメ欄も読まない方が良いですよ。
場を引っ掻き回すために、思いつく限りの罵詈雑言と嫌味と悪意を総動員しているはずですから・・、常人が見れば怒りで頭が沸騰するのは予想できます。
あの人は、そういうことをするのが得意でしょうから。そういうのは、基本、常人の感覚ではついていけないですよ。
ああいう人には、完全アク禁がやはり一番ベストな方策ですよ。
そして、それが一番、結果としてはあの人自身のためにもきっとなるのでしょう。
高度成長期ですが、基本的には朝鮮特需がきっかけで、民間の負債増大が原動力です。
1965年に初の国債発行する前に、1964年の証券不況が取り沙汰されたのは、まさに民間負債の増加が原因かなぁと。
※どこかで書いたような、まだ出してなかったような……。最近、記事を書きすぎてうろ覚えです(汗)
例の人、出てきましたね~。私、ブログと進撃の更新でいっぱいいっぱいで、どうでもいいかなと。
ちと愚痴になりますが、気まぐれに出てきて、気まぐれに人を叩くだけの彼を、相手にしている余裕が現在ないのです。
進撃移転、自ブログのアクセスアップ(※1)、sorata31さんとのちょっとした企て等々……わーい、脳みそと体がパンクするっ! です(笑)
※1 4万PV/月になりそうですヽ(=´▽`=)ノ
多分、アクセスが増えるごとにアンチも増えていくのでしょう。慣れなければ……です。
>どうでもいいかなと。
いや、申し訳ありません。しかして放置は良くないかと・・。
理由としましては、私はコメ欄等を見れば、そのブログがわかる・・、という考えの人間だからです。
つまり、リブログを見れば、そのブログがわかるとも言えます。(まあ、左記は極端なことを言えば、ですが)
初見さんに、あの人物のブログの存在を見せるのは進撃の庶民の印象問題としては、良くはないと思います。
放置はつまりは、あの人物を許容したに等しいかと思いますので・・。
議論の場で売り言葉と買い言葉で熱くなって少し言葉が乱れるのは、これはどこでも誰でもあるかとは思います。
しかして彼の発していた言葉は・・、許容ラインが100だとすれば軽く300オーバーと言っても過言ではないでしょう。
あの人物の言葉は、限界ラインのさらに上のそのまた上に到達してました。
つまりは、もう完全に、一般的かといえば、完全に度が過ぎていたのです。
まあ、はっきり言いますと、言葉がものすごく汚いんですよね・・。
そして、その人物(のリブログ)を放置することは・・、進撃の庶民というサイトの品位に関わる問題かとも思います。
以前、経済に関して中野さんか、三橋さんが、庭の手入れということで表現されていたことがあったかとは思いますが・・、ブログは庭でもあるとも思いますので・・、それにも近い話しなのかもしれません。
、
・・ただまあ、上記は私が個人的に思っているということなので、ヤンさんが最終的な判断をだした場合、私個人はそちらを尊重します。
ただ、ヤンさんがヤンさん個人として、進撃の庶民を公徳として尊重されるのなら・・、やはり、特別著しく品位を欠くあちらのブログは、進撃の庶民から完全に排除する方が、個人的には得策ではないかとは、やはり、個人的には思います。
ほんとに、ノンポリの一般の人の目もありますので・・、そういうことを考えれば・・。
あれは完全に度が過ぎていましたからねえ・・・。
やはり、あれは、一般の人には見せられない、そんなレベルのひどさがありましたので・・・。
・・ただまあ、繰り返しになりますが・・、上記は私が個人的に思っているということなので、ヤンさんが最終的な判断をだした場合、私個人はそちらを尊重します。
そこは、ヤンさんが主権を行使する所なので。
民間の負債が増大とありますが・・、民間がお金を創造したのですか・・?
政府が毎年出す予算以上の収入があったということは、これは、民間が負債としてお金を作った・・・、というふうに理解すればよろしいのでしょうか・・?
すみません。なんか変なことを聞いているのかもしれないので申し訳ないのですが・・。すみません・・。
>リブログ
非公開に設定してみました~。いわれるまで気が付きませんでした(汗)
>民間負債の増大
思い出してほしいのが、貨幣=負債で、信用創造(貨幣創出)は政府、民間ともに可能であることです。
政府が均衡財政をしていても、民間企業(ないし個人)の負債拡大は可能=民間銀行による信用創造、です。
ただこの場合、金融危機(信用縮小)が非常に起きやすいのですよね。実際、1964年に証券不況が起こって、1965年に日本は戦後初の国債発行をしてたりします。
この辺の経済史は4月27日の「なぜゼロ金利になったか?MMTと日本経済史でわかりやすく解説」にて、途中で触れておりますです。
※この記事……公開しようかどうしようか、と迷った記事でもあります(笑)完成度がががが……orz
※6割納得できたら、公開していいや……という方向性で(笑)
おお、なんかタイムリーでw
私もヤンさんが納得いくかたちで読みたいので、どうぞお急ぎにならず・・。
すみません、今だ理解度が低く・・。
ただ、パンピーの理解度ってこんなもんかなってことで、恥ずかしながら、どうかご寛恕を・・(^_^;)
ありがとうございました!!
ひどい間違い。
徴税された分は再度支出されるのだから、民間市場から金が消えることはない。
日本は常に財政赤字で支出の方が多いのだから、金不足なんて起こりようがない。
※民間負債の拡大は、金融危機を引き起こすことでしょう。
金融危機を引き起こしているのは政府の負債。
実需を無視して無駄にばら撒かれた金が投機市場を膨らませて、金融を不安定化させている。
過剰な金を回収しなければ、バブル崩壊でリーマンショック以上の危機が起こるのは確実。
政府が金を出して経済をコントロールするのは社会主義の計画経済と同じ。
政府が物価・金利・株価を操作する社会主義が日本経済を衰退させている。
民間が融資や株式発行で資金を調達し、国民の自然需要に合わせて経済を拡大するのが正しい資本主義。
政府のバラマキを止めて減税し、民間主導の経済を取り戻さなければならない。
アベノミクスもMMTも社会主義の失敗を繰り返すだけ。
>徴税された分は再度支出されるのだから
いえいえ、2014年の消費増税分の8割は国債の償還に使用されていたそうですよ。
徴税分が「必ず再度支出される」という保証はどこにもありません。