イギリス世論はブレグジットを望む、ないし与党保守党や政府への失望

 イギリスのブレグジット(欧州離脱)の動きが、混迷を極めております。
 結成されたばかりの新党、ブレグジット党が世論調査でトップを取り、政権与党である保守党は支持率第3位。

 はてはEU大統領が「夢想家が必要(自分)」の述べる始末。
 グローバル化の極地ゆえの混乱が、欧州を騒がせています。今日は解説ではなく、私的な解釈を述べてみたいと思います。

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イギリスの世論調査では新党のブレグジット党がトップ

 「EU離脱党」支持率トップ=欧州議会選の世論調査-英:時事ドットコムによると、欧州議会選挙に、イギリスが参加すると想定して世論調査をしたところ、ブレグジット党が27%の支持を集めて、第1位という結果だったそうです。

 第2位は野党の労働等です。こちらも22%の支持を集めたようです。
 現在与党の保守党はなんと3位の15%。

 このブレグジット党はなんと、4月12日に旗揚げしたばかりなのだそうです。
参照:英で「ブレグジット党」旗揚げ EU早期離脱目指す (写真=AP) :日本経済新聞

 この記事を書いていますのが4月18日ですから、1週間足らずでイギリス世論を集めたのです。
 イギリス国民の不満の高さを、表すような世論調査です。

世論調査の結果は何を表すのか?

 ブレグジットの国民投票は、2016年でした。すでに3年弱前の話です。
 3年弱も経っているのに、いまだにイギリス政府は離脱案をまとめられず、延期に次ぐ延期を重ねています。

 イギリスの経済状況は、破綻的ではありません。2016年比で失業率は5%→4%に改善、名目GDPも劇的ではありませんが、約3%/年ほど伸び続けています。
参照:
イギリスのGDPの推移 – 世界経済のネタ帳
イギリスの人口・就業者・失業率の推移 – 世界経済のネタ帳

 世論調査の結果は、当然ながら与党である保守党政権への批判と不満でしょう。
 その不満の出処はなにか? 流入する移民に対する不満と言われています。

 ”まだ”日本では想像できないかもしれませんが、イギリスでは2018年時点で8人に1人が外国出身、12人に1人(約8%)が外国籍だそうです。
参照:【統計で見る】イギリスにイギリス人は何人いる?8人に1人が外国出身者 | ウツミチ*ロンドン暮らし

 2018年時点での、日本での外国籍保持者は250万人だそうで、50人に1人(約2%)ですから、イギリスの凄まじさがご理解いただけるでしょう。
※予測では2020年半ばに、370万人になるとのこと。
参照:数字で確認!すでに「移民大国」な日本の現実 | 国内政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

新在留資格による外国人労働者の年約7万人増加、さらに外国人労働者に帯同される家族の増加を考えれば、毎年25万人程度の外国人増加が実現可能性のある近未来といえよう。

参照:数字で確認!すでに「移民大国」な日本の現実 | 国内政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 イギリス国民の不満とはまさに、移民に自国文化があらされていく恐怖なのでしょう。

EU大統領は「夢想家が必要」と述べた

 驚いたことに、EU大統領は英の離脱撤回諦めず=EU大統領「夢想家が必要」:時事ドットコムの報じるところでは、「夢想家が必要」と述べたようです。

  欧州連合(EU)のトゥスク大統領は16日の欧州議会で、英国のEU離脱をめぐり、「少なくとも私は、より良い結束した欧州を夢見ることはやめない」と語り、離脱が英国によって撤回されることへの期待を持ち続ける姿勢を強調した。
 EUは10日の臨時首脳会議で、英国の離脱期限を10月末まで再延期することを決めた。トゥスク氏は、会議中に首脳の一人が「夢想家になってはいけない。離脱は覆され得ると考えるべきではない」と発言したことを紹介。その上で「歴史的に困難な時こそ夢想家や夢が必要だ。われわれは運命論に屈することはできない」と反論した。

※マーカー筆者編集

 EU大統領と首脳のやり取りを要約するとこうです。

大統領「イギリスが離脱、辞めてくれないかなという夢を見る」
首脳の1人「現実見てください。離脱する可能性は極めて高いですから」
大統領「困難なときこそ、夢を見なければならない! 運命には屈しない!」

 どうやらトゥクス大統領の、運命に屈しないこと、とは夢を見ることだそうです。
 一般的には現実逃避、ないし認知不協和と呼ぶ現象です。

 だとすると、イギリス国民と世論は、――移民拡大でのイギリス文化破壊という――現実を見ているということになるでしょう。

民主主義は欧州で機能しているか?

 フランスは燃えているか? ではありませんが、欧州で民主主義は機能しているのか? と唸ってしまいます。

 EUは欧州統合を理念として作られました。民族、国家の異なる統合は民族主義や、そしてナショナリズム(国家主義、共同体主義)を抑制しなければなりません。

 民族主義やナショナリズムを抑制すると、地球市民主義的な博愛主義に陥ります。
 2015年の難民受け入れ、移民の拡大はEUの必然だったように思います。

 移民拡大が進みますと、今までその国の国民が感じていた国家とは、異質なものへと変貌していく、ないしその恐怖が存在します。
 また、慣習や習俗、常識、文化の違いは、そうやすやすと克服できるものではありません

 端的にいえば、欧州は国家主権という”既得権益”を、EUという改革によって手放したのです。
 この”既得権益”の中には、当然ながら民主主義も含まれます。
 現に、民主的に決定されたブレグジットは、いまだに達成ができません

 グレグジットがグローバリズムに対する、民主主義の反乱となるやいなや。
 読者の皆様はどう思われますか?

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