令和の政策ピボットとは-反緊縮・反グローバリズム・反構造改革運動

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令和の政策ピボットとはなにか?

 先日、令和の政策ピボット | 平成政治からの決別を!というサイトがオープンしました。藤井聡京大教授、三橋貴明さん、佐藤健志さん、伊藤貫さんなど、そうそうたる呼びかけ人が集い、平成の緊縮財政、グローバリズム、構造改革の転換(ピボット)を提案するサイトです。

 賛同者の数も200人/日ペース以上で増え続けています。新元号令和が始まる頃には、賛同者が数万人以上になっているかもしれません。
※賛同者は名前と都道府県を入れるだけで、賛同できます。

 本日はいくつか、反緊縮や積極財政がどうして可能か? ということについて解説したいと思います。

1000兆円の政府負債は「問題ない」という事実

 もはや積極財政派、反緊縮派では常識となりつつあることですが、国債残高1000兆円という数字は、事実として実際には一切問題がありません。
 むしろ「1000兆円の国の借金が!」などと主張しようものなら、「え? 頭大丈夫?」といわれるレベルです。

 なぜ1000兆円の国債残高が問題ないのか? 平易に解説してみます。

 まず第1に、近代資本主義国家とは政府の負債を増やし続けて、経済成長を達成しているという”事実”があります。1900年~現在で日米ともに3000倍以上、日本は明治維新~現在で5000万倍だそうです。

上記三橋さんの動画で、明治~現在の負債残高の推移が最初の方に説明されます。

 第2に、日本の国債は全て自国通貨建てで発行されているという”事実”です。通貨発行権は政府が所有しますので、国債がいくら増えても理論的には一瞬で返済可能なのです。
 もっとも――一瞬で返済したとしたら、とんでもない混乱が起きるかもしれませんが。

 金融緩和で日銀が国債引受をしたので、政府が保有する負債は半分程度にまで減少しているのです。


実際に2012年末からの金融緩和によって、政府の実質的な負債は減少している

 このような図を見るとすぐに、「日銀が破綻する!」という人がいますが、日銀は何を発行している機関でしたでしょうか? そう紙幣です。円建て国債なのですから、紙幣を発行する日銀に引き受け限界があるはずがありません。

 上記のような事実から、円建ての内債は理論上はいくらでも発行できるのです。ただし、インフレが行き過ぎると国民経済が混乱しますので、過度のインフレにならなければ、という制限は存在します。

プライマリーバランスとは、国民経済の収奪行為

 近代資本主義において「誰かの負債=誰かの資産」「誰かの支出=誰かの所得」は、事実です。
 政府がプライマリーバランス黒字化を目指すとは、「政府の負債(発行額)減少=民間の資産も減少」ということになります。

 円という通貨を流通させる場合、政府は「(民間の)誰かから円を借りて使う」ことはできません。むしろ逆であって、「政府が円で支出して、最後に税として回収する」ことで通貨が市場に流通するのです。

 考えてみてください。新しい国家が誕生したとして、自国通貨「クーポン」を設定したとしましょう。最初はその国家の国民は、誰もクーポンを持っていません。
 このクーポン通貨を流通させるには、政府が最初に支出しないといけないのです。
 100万クーポンを政府が支出したとして、徴税が100万クーポンだと、またも市場には通貨がゼロになってしまいます。
 近代資本主義においては上記の事実から、政府支出>税収が正常な状態であり、つまり政府赤字は資本主義において正常、というのもまた”事実”なのです。

 したがって、プライマリーバランスなどというのは「近代資本主義の否定」であり、通貨を使用する国民経済への収奪行為とすらいえます。

グローバリズムのトリニティ©三橋貴明さんと令和ピボット政策

 グローバリズムのトリニティとは、「緊縮財政、規制緩和(構造改革)、自由貿易」は一体となって進む、という三橋貴明さんのロジックです。

 非常に簡単に説明しますと、緊縮財政を実行すると規制をいじること以外、やることがなくなるので規制緩和になります。規制緩和には当然ながら国境も入りますので、必然的に自由貿易にもなるというわけ。

 大まかにいえば、令和の政策ピボット | 平成政治からの決別を!という運動は、グローバリズムのトリニティからの転換(ピボット)といえます。

大阪都構想も構造改革の一種

 4月7日に投開票の大阪クロスダブル選と、地方統一選挙ですが、この選挙でもし大阪維新の会が勝利すれば、大阪都構想はほとんど決定してしまうと見て良いでしょう。

 ご存知の通り、大阪都構想は大阪市解体構想であり、構造改革の一種なのです。
 日本全体の規制緩和や構造改革を止めるには、まず大阪から! ということになりましょう。

世界中で高まる反グローバリズムの機運

 現代貨幣理論(MMT)はアメリカから飛び火し、日本や欧州でも議論されるようになったそうです。報道では「積極財政のための貨幣・金融理論」と紹介されており、当たらずといえども遠からずです。

 現代貨幣理論(MMT)は、当初は非常にマイナーな議論でした。もちろん、主流派経済学からは今も異端視されています。曰くブードゥー教だとかなんだとか。
 上記のような批判しかできない主流派経済学は、本当に学問なのだろうか? と思ってしまいます。

 今や欧州でも黄色いベスト運動、反グローバリズムの国政政党の出現、ブレグジット等々が取り沙汰されますし、アメリカではハチャメチャではありますがトランプ大統領の出現がありました。

 新元号になる2019年、日本でも反グローバリズムの運動を、左右関係なく盛り上げていきたいところです。

P.S 左派、右派という対立の無意味さ

 もはや左派、右派というカテゴライズは、グローバル化が過激に進んだ世界では意味をなしません。
 グローバリズムvs国民、グローバル企業やグローバル金融資本vs国民という図式なのです。現実は。

 左右対立も国家、国民あってこそ初めて可能なものであり、国家を薄める、小さくするグローバリズムには、左右ともに立ち向かわないといけないわけです。

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1 Comment
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elephus-elephus
5 年 前

>ご存知の通り、大阪都構想は大阪市解体構想であり、構造改革の一種なのです。
 日本全体の規制緩和や構造改革を止めるには、まず大阪から! ということになりましょう。

まさにその通りです。大阪で構造改革をストップさせねばなりせん。大阪人が維新の会をストップさせることができるかどうか、それが日本を救えるかどうかにつながります。