財政破綻ビジネス批判を書くことになったきっかけ
本日は今まであまり扱ってこなかった、財政破綻ビジネスとエセ保守ビジネスについて、私個人の体験談も踏まえつつ議論してみたいと思います。
この稿を描くきっかけになりましたのは、自営業のスタッフとブログの話をしている時に、以下のような会話があったからです。
「最近、大阪都構想関係の検索流入数、すごい多いねん」
「うわっ! ほんまやん。でもこれ、大阪ダブル選が終わって反維新が勝ったら、すくなるなるんちゃいますの?」
当ブログではアフィリエイトもモチベーションとして、PVアップを目指しているので、確かにスタッフの言ったことは、アフィリエイト”だけ”を考えると正しいのです。
この事も踏まえ、どのようなスタンスを心がけるべきか? についても書きたいと思います。
財政破綻論とはなんだろうか?
いまだに日本では、財政破綻論者が「俺達こそ主流だ」と幅を利かせています。先日検証記事を書きました田中信一郎さんから、ツイッターで絡まれたりもしました。
多くの有識者や著作家が、家計簿感覚で政府財政を見て「クニノシャッキンガー! ザイセイハタンガー! ハイパーインフレーションガー!」とやるわけです。
※意図的に、かもしれませんが。
理論的には財政破綻論というのは、論じたいが破綻しておりまして、財政破綻論破綻というおかしな状態になっています(笑)破綻しているのは、財政ではなく頭の中身や理論ではなかろうか? と皮肉の一つも言いたくなるものです。
財政破綻論はどのように破綻しているか?
端的にまとめます。
- 近代資本主義において、国家財政は赤字を拡大し続けるのが正常
- 世界の先進国はおおよそ、1900年から現在で国債残高が3000倍以上になっている
- そもそも自国通貨建てで、財政破綻は経済の論理的にはありえない(政治的理由でのデフォルトはあり得る)
- 日本国債は100%自国通貨建てであり、政治的な暴挙でもない限り、破綻のしようがない
- 長期金利は日銀がコントロール可能だし、そもそもいまはマイナス金利
- 日銀破綻論なる珍妙な説も出ていますが、国債発行と通貨の関係を知らない珍説
- ハイパーインフレーションは、日本が焼け野原にでもならない限り起こらない
現代貨幣理論でも「税収<政府支出(政府の赤字)」が正常と論じておりますし、そもそも歴史的事実からも、近代資本主義において政府はつねに、財政赤字を拡大してきたのです。
プライマリーバランス目標などというのは、近代資本主義の否定とすら言えるでしょう。
財政破綻論ビジネスの美味しいマッチポンプ
財政破綻本はよく売られています。基本的に、私の認識としてはノストラダムスの大予言と同じ種類です。――ノストラダムスの大予言は、1999年と明言していたので、まだ良質です。
財政破綻本は2003年に破綻する! 2010年に破綻する! 2020年に破綻する! と延期を繰り返しておりますから、ノストラダムスの大予言より悪質と言えるでしょう。
上述一点の延期においても詐欺としか言いようがないのですが、じつはこの延期こそが財政破綻本ビジネスが美味しい、という要素でもあるのです。
なぜか?
こない危機を永遠に煽れるからです。
冒頭のスタッフとの会話を思い出してください。大阪都構想が終わってしまうと、アクセスが減るのでは? という会話です。
財政破綻本は延々と、同じレトリックをテンプレートのように使用するだけで、延々と売り続けられるのです。
しかもこれで緊縮財政を進めて、日本が貧国になって外債にでも手を出し、財政破綻(デフォルト)したとしたら、「ほれみろ! 言ったじゃないか!」と言えるわけですね。
――まあ、来るとしても100年後くらいかもしれませんが。
エセ保守ビジネスも非常に美味しいコンテンツ?
2000年代後半から、エセ保守ビジネスも盛んになっているようです。いわゆる嫌中、嫌韓や戦前回帰のノスタルジー的主張の本です。
こちらは財政破綻ビジネスとはやや構造が異なり、ネトウヨ系まとめサイトが主軸のようです。
財政破綻ビジネスは基本、財務省や政府押しです。
財政破綻ビジネスがトップダウン型だとしたら、エセ保守ビジネスはボトムアップ型と表現できます。
ネトウヨ系まとめサイトの管理人は、結構ノンポリ
右派系まとめサイトの管理人に「目的」を直撃してみた(ブロゴス)などでも報じられている通り、ネトウヨ系まとめサイトの管理人って、基本ビジネスなんですね。政治信条とかはあまりないんじゃ? と思います。
受ける=PVが稼げる=アフィリエイトで儲けが出る、という感覚でして、自分の政治信条で何かをまとめている、というわけではない人が大半でしょう。
なぜネトウヨ系まとめサイトが広まったのか? 単に稼げるからでしょう。ちなみに嫌韓、嫌中本やエセ保守的な本も、これを書いときゃリピーターが買う的なことなんだそうです。
休刊になりました新潮45が、ネトウヨ系有識者を前面に押し出したのも、当然ながらビジネスのためというわけ。
ではなぜボトムアップ的に、ネトウヨ的な認識が広まったのか? 1つは「現実を見たくない、悪い現実を誰かのせいにしたい」からでしょう。
ようするに、自分たちは悪くないと思い込みたい人の心理が、流行った原因と私は診断します。
財政破綻ビジネス、エセ保守ビジネスは人々の不安につけ込んだ商法
最後にこの2つの、財政破綻ビジネスとエセ保守ビジネスの、依存関係について議論してみます。
非常に簡単な話なのですが、財政破綻論で人々は不安になり、緊縮財政の政府を打ち立ててきました。国会議員に積極財政派が少ないのは、単に国民の間に積極財政の支持、投票ニーズがないからです。
こうして失われた20年という日本の低迷、凋落が発生しました。凋落と不安にさらされた国民がどうするのか? 現実逃避をするために一定の人々が、エセ保守、ネトウヨ、自称愛国者となったのではないか? というのが、私の診断です。
財政破綻ビジネスが不安を生み、凋落を生み出し、エセ保守ビジネスが現実逃避を促したというわけです。
政経ブロガーへの戒めとスタンスと志
冒頭の会話を思い出してください。「大阪維新が負けると、大阪都構想関連の検索流入数が低くなるのでは?」というスタッフの言葉です。
アフィリエイトをしている政経ブロガーなら、ここで2つの選択肢が発生します。志に従うか、財政破綻論ビジネスのように、政経芸人として稼ぐかです。
私は自営業ですので商売人でもあります。本来はビジネスサイドの人間です。
しかし――なぜ自営業をし始めたのか? と自身に問うたときに、それは私は自由でありたい、自分の生きたい世界で生きたいから、という根源を忘れたことはありません。
同様に、なぜ政経論をブログで書き始めたのか? その初心はなんだったのか? 微力ながらわずかでも、日本の衰退や凋落をとどめたい、可能なのならば復活してほしいと願ったからにほかなりません。
反緊縮・積極財政運動拡大に必要なインフルエンサーブロガー-三橋貴明に続け – 高橋聡オフィシャルブログBacchus(バッカス)-反グローバリズム&LIFEでも書きましたように、現在は私自身をインフルエンサーに育成中です。それが終われば、希望する方を無料ないし、成果報酬(格安)でインフルエンサーに育てたいという夢があります。
※積極財政派であれば、政治や経済のスタンスの違いは問わないです。
自ブログのアフィリエイトと、方向性の話になったときに、初心と志を忘れるべからずと、私自身に言い聞かせ、書いております。
>財政破綻ビジネスが不安を生み、凋落を生み出し、エセ保守ビジネスが現実逃避を促したというわけです。
なるほど、財政破綻ビジネスとエセ保守ビジネスはこのようにつながるのですね。納得させられます。
佐藤健志さんではないですが、案外関係なく思えて、関係性があるものなんですね~。
霞を食べて生きているわけではないですから、本やブログ、公演などをビジネスにするのは良いのですが、同じビジネスなら胸を張れるビジネスでありたいものです。
話題=商品だと考えると
何時までも売れ続ける商品なんてそう多くはないので
都構想以降アクセスが減るというなら、そっからは別に新商品つくりまっせ!でいいようにも思います
美味しい商売か?はどうかとして、どの立場に居ようと、とりあえず種には事欠かない界隈ですし
(ヤンさんなら、話題優先になるとどうのな~んて話を、今更しないといけない方でもないでしょう)
おっしゃる通りで。じっくり腰を落ち着けて書いてれば、OKですね~。
最近は様々なコメントや情報提供をいただけますので、記事のネタも助かってます(笑)
※毎日毎日書いていると、ネタ切れ気味になってくるのです(汗)
自公300議席超確定みたいないやーな雰囲気ですね・・・