負債は貨幣の母-現代貨幣論と三橋貴明ないし、進撃の庶民の翻訳名文

三橋貴明さんの記事で、MMT(現代貨幣論)が取り上げられました

 現代金融理論(MMT) | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Amebaにて三橋貴明さんが、はじめてMMT(現代貨幣論)を取り上げられました。
 先日はロイターでも焦点:財政拡大理論「MMT」、理想の地は日本か | ロイターのように取り上げられており、三橋貴明さんブログのコメントでは立憲民主党もTwitterでMMTを取り上げた、との情報もあります。
※真偽は確認してません。

 早くから進撃の庶民では、中野剛志さんの「富国と強兵」で取り上げられた現代貨幣論を、望月夜さんが丁寧に解説し、様々な議論を生んできました。現在ではsorata31さんがMMT(現代貨幣論)を取り上げられておりまして、その中でも最高の記事と評するに値するものが以下です。
【翻訳記事】政府が無限のお金を持っているという過激な理論【MMT入門向け】 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

 特にsorata31さんの記事は、「これを読んでおかないと」と言えるほどに、一読に値する記事だと私は断言します
 sorata31さん、翻訳本当にお疲れ様でした。

 今日はMMT(現代貨幣論)そのものに言及するのではなく、なぜ積極財政派がMMTを取り上げるのか? について考察してみたいと思います。

積極財政派がMMT(現代貨幣論)を取り上げるのはなぜか?

 MMT(現代貨幣論)は「貨幣=負債」と定義する理論です。構成としては租税貨幣論や、信用創造、信用ヒエラルキーなどが存在します。
 今日はMMTの解説はしません。解説がご覧になりたい方は以下の記事からどうぞ。
現代貨幣論(MMT)批判に、再反論するQ&A-議論形式で理解を深める – 高橋聡オフィシャルブログBacchus(バッカス)-反グローバリズム&LIFE
初心者も分かる通貨=負債の概念を理解する-現代貨幣論(MMT)の基本 – 高橋聡オフィシャルブログBacchus(バッカス)-反グローバリズム&LIFE

検索: MMT – 高橋聡オフィシャルブログBacchus(バッカス)-反グローバリズム&LIFE

 積極財政派の唱えるところは、「国債は負債だけども、インフレ制約以外で拘束のない負債だから、いくらでも――過剰なインフレ以外では――発行できる」ので「現在はデフレだから、国債を発行して積極財政だ」というものです。

 しかし上記の理屈、微妙に1つだけ抜け落ちているものがあります。国債を発行しても、国債は一般的な商取引では使用できないものである、という点。
 細かいことを言うのでしたら「政府小切手が発行されて……」ですが、国債発行は同時に、政府が民間と商取引するために貨幣創造(信用創造)が必要です。

 では「円という法定流通貨幣(通貨)」とは何か? どのような性質なの? という問題にも行き着くのですが、貨幣を積極財政派と同じような理論で組み立てたのがMMT(現代貨幣論)というわけです。
 親和性がないはずがありません。

 国債という負債はインフレ制約のみで、いくらでも発行できる。この理屈が通貨にも通用するとしたのがMMT(現代貨幣論)だったのです。
 ちなみに上記の理屈から、機能的財政論を唱えたアバ・ラーナーはMMT(現代貨幣論)の元祖という主張もあります。私もアバ・ラーナーが元祖だと言われても、異論はありません。
参照:安倍政権は「社会主義2.0」のパイオニア – アゴラ

負債はお金の母という名コメント

  現代金融理論(MMT) | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Amebaにて「借金はお金のお母さん」という名コメント(上記記事※2)がありました。
 私、思わず感心しまして「それ、使わしていただいて良いでしょうか?」と尋ねましたらOKとのことでしたので、使っちゃいます。
 多少変えて「負債は貨幣(お金)の母」として。

 必要は発明の母ですが、負債は貨幣の母なのです。

 このコメント、非常に示唆に富んでいます。

 資本主義とはそもそも、負債を増やして経済成長する経済形態と定義できます。
※それに見合った生産力が必要とされる。生産力が見合わないと、過剰なインフレになる。

 そして、世界の先進国はおおよそ1900年から現在まで負債を、3000倍以上に増やして豊かになってきたのです。アメリカや日本も同様です。
 3000倍に増えた! 財政破綻だー! と心配する財政破綻論者、緊縮財政論者はいますか? 皆無でしょう。そんな事を言ったら、資本主義そのものの否定ですから。

 つまり上述コメント、「借金はお金のお母さん」は資本主義そのものを示唆した、非常に秀逸なコメントというわけです。
 需要があると見通せる→じゃあ生産して商売しよう→資金が必要だ、借りよう→信用創造で貨幣が生まれる、のです。じつは需要から貨幣は創造されるのですね。
 政府の需要創出も同様です。民間の防災減災需要があるぞ→民間に仕事を発注しよう→資金が必要だ、借りよう→信用創造で貨幣が生まれる。ほら、一緒でしょ。

 一方で貨幣循環論――銀行が貸出をするために、他の銀行などから資金を引っ張ってくるだとか、一定量の通貨で経済は回っているとする論――は実態にそぐいません。
 それは資本主義が負債を拡大しながら、成長してきたことの否定――つまり現実の否認――であり、むしろ解釈としては脱成長主義とすら言えます。

 マクロでみると借金はお金のお母さん、なのです。
 資本主義とは常に、負債を拡大し続けながら”しか”経済成長しない、という”事実”をしっかりと認識してほしいと思います。

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阿吽

 ど素人レベルの人間の、印象論レベルの話ではあるのですが・・、負債は債務なんですよね・・?
 負債とかかれた箇所を、債務と読み替えて読むと、なんとなく内容がわかりやすいような気がしました。
 (やっぱり、負債だと負の文字が付くので、私のような理解が浅い人間だと、どうしてもマイナスイメージがついてしまって、それに理解が引っ張られてしまうような印象です(ヤンさんとか、かなり理解されてる方だと、なんの違和感もないのだと思いますが))

,
 三橋さんの記事や、sorata31さんの記事を読んで思ったのですが・・・、
 現時点でこのようなことを考えるのは、夢物語のようなものかとは思いますが・・・、
 もし、世界各国で、積極財政的な政策が取り入れられたら・・、世界はどうなりますかね・・・?

 第三次産業革命(第四次産業革命)が起こりますかね・・?
 積極財政が成功すれば、自国通貨建ての国債を発行している国は、本当にさまざまな成長産業並びに研究分野に多額の投資をするでしょう。その上で、さらには、国内の整備開発発展にも・・。(それこそ日本みたいなデフレの国は、なんだってできる気がします)

 そうなれば、ここ30年余り停滞していたと言ってもいい世界の科学分野関係に爆発的な進歩を生みだしますかね・・?
 宇宙開発競争も含めて、人類の発展がいっきに進むかもしれません。
 
 ・・・しかして、自国通貨建ての国債を発行できない国は・・・?
 それらの国と、それら以外の国では、さらなる経済的開きが生まれてしまうのでしょうか・・・?
  
 まあ、積極財政的政策がもし世界各国で採用されはじめたら・・、それこそ、産業革命なみのインパクトを、人類に与えるかもしれませんね。

阿吽

『「負債」は会計上のバランスシートの数字、という感じでしょうか。』と、ありますが・・、負債とは、下記のように意味が2つあるものと見ても良いのでしょうか?

↓  ↓  ↓

デジタル大辞泉の解説

ふ‐さい【負債】

1 他から金銭や物品を借りて、返済の義務を負うこと。また、その借りたもの。借金。債務。「負債を抱える」

2 企業会計で、支払手形・買掛金・借入金のような法律上の債務と、期間損益計算上の費用配分の要請から計上される賞与引当金・退職給与引当金のような負債性引当金などを合計したもので、企業の総資本から自己資本を除いた部分。

(あっちでは深い議論をしてるのに、こっちはこれです・・。すみません(汗))

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>EUはもう知りません!(笑)

EUは、各国の経済状況を見て、欧州中央銀行がユーロ債うまいこと発行すれば、なんとかなりますかね・・?(なりませんかね・・?)

まあ、仮にできたとしても、そんなまどろっこしいことをしないで・・、自国通貨をあらたに使えばすんじゃう話ですが・・。

,
>私はドラえもんとガンダムをみるまで、死んでも死にきれません(笑)

もしかして我々は、人類のあらたなステージへの革新を見ることになる稀有な世代になるのかもしれませんね。(財政出動を各国がうまくやれればの話しではありますが)

場合によっては、生きているうちに世界共通の暦が、西暦から宇宙世紀に切り替わるさまを見れるかもしれませんww

まあ、しかし、そうなると、SFではないですが、今度は宇宙で戦争する時代になるんですかねー。

阿吽

>負債(数字)が債務(返済義務)になるのは、法律関係(統治)の問題だったりします。
>借金(国債)は返さなくてはいけない、も実質的に国債は債務(返済義務)がないですから、間違っているわけです。家庭と国家の違いですね~。

と、なりますと・・、デジタル大辞泉の①、②の解説ですと解説不足という認識でよろしいのでしょうか?

つまりは、上に引用させて頂きましたヤンさんの解説を、本来でしたら、①、②に続いて、③として記載するのが、デジタル大辞泉では本来だけど、少なくとも、現在のデジタル大辞泉ではまだ、それがなされていない片手落ち状態・・、という認識でよろしいでしょうか?
,

>本気で書いてみましょうか……(笑)ガンダムファンは掴めると思うのですが(笑)

世界初の二足歩行ロボット・アシモの開発も、アトムを作りたいという技術者の欲求ですし、意外といけるかも・・・?ww

柾木

コメントさせていただきます。
触発されて負債やら税やらいろいろ考えているのですが、負債と債務を分ける考えを読ませてもらいました。
ただこの考えを敷衍させていくと危くなるような気がします。

貸し借りに借用証書がある場合がわかりやすいのですが、返済をするとはお金を返して証書を回収すると言い換えることができます。そして通貨は借用証書と表現していますよね。
となると「通貨は返済する必要のない負債」を言い換えると「政府は通貨を(税で)回収する必要がない」となります。
デフレの『今だけ』で考えたら一見正しいように思えますがもしインフレ、しかも高めのインフレの時はどうなるか。
それは「政府は税で需要を抑える必要がない」にならないでしょうか? 税の需給の調整の否定になりませんか。
インフレを抑えないとはバブルを招き、さらには現状寝言でしかないはずのハイパーインフレさえも容認すると思います。インフレの時は通貨は返す必要がある債務に変化するというのならわかるのですが。

ひるがえって税の需給調整を否定するとはデフレの時にもいえるかと。
国家や政府が半永久的な存在だとしたら経済成長を伴って税で通貨を回収し続けるとは税収を増やし続ける事(誤解を招きやすい表現ですが…)となります。
もし政府当局者の立場で「通貨は返済する必要のない負債」と考えると、
デフレ時に増税→税収減→問題なし→なぜなら政府は通貨を回収する必要がないから→さらに増税へ
というループに。

負債は法律に記載がないから返す必要がないのではなくて、記載がなくても返す義務を負うという考えが税の需給の調整機能の裏付けになるのではないでしょうか。
先の例えを使いかつ税収を増やすという前提を置くと、
デフレ時に増税→税収減→デフレの時の増税は間違っているのでは?
インフレ時に減税→税収減→インフレ時の減税は間違っているのでは?
という解釈になると思います。