大阪都構想のメリット・デメリットと構造-大阪都構想に反対するわけ

大阪維新の喧伝する、大阪都構想のメリットの怪しさ

 本日は大阪都構想がどのようなもので、どのような観点から議論するべきなのか? について書いていきます。最初に申し上げておきますが、大阪都構想は空っぽの構想であり、大阪市民からすればメリットなどないに等しいと解釈できます。

 大阪都構想の構造とは、大阪市を解体し特別区に再編することです。2015年に住民投票で否決されたのは5つの区割りなので、大阪維新は区割りを4つないし6つで再度住民投票にかけようとしています。大阪維新によると大阪都構想は、いくつかのメリットが”あること”になっています。

  1. 大阪都構想で副首都化?
  2. 大阪都構想で二重行政が解消され、財政効果が生まれる?
  3. 二重行政の解消で、行政がスピーディーに回る?

 おおよそ、上記の3点が大阪維新が主張する大阪都構想のメリットとなります。――しかし、じつは二重行政の解消での財政効果は殆どない、というのが2015年の市議会の試算で明白になっています。

 大阪都構想を実現した場合、その財政効果額は試算にもよるのですが、年間わずか10億円~100億円ほどだそうです。中には赤字になるのでは? という試算すらありました。

 現在は大阪維新は10年で1.1兆円の”経済”効果がある! と謳っていますが、じつはこれもかなり怪しいと言わざるをえません。なぜ財政効果でなく、経済効果と言い直したのか? もちろんながら財政効果は極めて低いということが判明したので、経済効果とごまかしたわけです。

 この10年間で1.1兆円の経済効果は東京都の嘉悦学園が発表したのですが、これについて京大教授の藤井聡さんを始めとする、研究者の間では疑問の声が上がっています。

 「大阪都構想の経済効果1兆円」の妥当性について学術的検証を行いました(藤井聡さんFacebook 2018.9.26)によればこうです。

大阪府の歳出が今よ り年間 2100 億円増え【資料1の左部分】、10 年間では 2 兆円以上に上ることになり、嘉悦報告書が述べ る、特別区における歳出減を上回るだろう。

「都構想」=大阪市廃止・特別区設置の経済効果についての、ファクトチェック(研究会全体の要約)

 なお2.の大阪都構想で副首都化は無理、と申し上げます。京都市は文化庁の招致に成功しましたが、京都市もまた京都府、京都市という政令指定都市という”二重行政”です。一方で大阪は、中小企業庁の招致に失敗しました。これが「大阪都構想をしただけで、副首都化する」とどうして言えるのでしょう?

 3.の二重行政解消によるって行政がスピーディーになる、というのは確かにありえるかも知れません。しかし――それは大阪市を解体して大阪市民に自治権がなくなるから、ということでもあるのです。なにせ政令指定都市という地方自治体最大のものから、特別区という村以下の半人前の自治体に転落するのですから。

大阪都構想のデメリットはいくらでもある

 一方で大阪都構想のデメリットは何でしょうか? こちらも箇条書きにします。

  1. 大阪市が解体され、大阪市民から自治権がなくなる
  2. 政令指定都市という大きか権限を持つ自治体から、特別区という半人前の自治体に転落する
  3. 財政効果や経済効果は殆どと言ってよいほどない
  4. 大阪市都市計画局も分割され、大阪市域の都市開発が混乱する
  5. 本来大阪市が使っていた予算が、大阪府に取り上げられることで、大阪市域は凋落していく

 ちなみに大阪市を特別区に再編することで、数年程度は混乱をきたすことでしょう。それで2025年の万博が間に合うのか? 非常に疑問です。大阪維新は「大阪万博だから大阪都構想!」などと嘯いておりますが、むしろ大阪万博を成功させようとするのならば、大阪都構想はしてはいけないのです。

 4.について少し解説をしておきますと、大阪市都市計画局は大阪市の開発を担っています。大阪市は地権が大変ややこしく、大阪市都市計画局のノウハウがなければ開発が遅れることでしょう。

 そして――この大阪市都市計画局は特別区+大阪府に分割されることになります。これで開発が進むと思うほうが、どうにかしているでしょう。

大阪維新が大阪都構想を進めたいわけ

 ではこのようなデメリットしかないものを、なぜ大阪維新は進めたがるのでしょうか? 答えは簡単で「自分たちの実績作り」のためだけに、大阪市を解体しようとしているのです。大変おぞましい話です。

 有り体に言えば大阪都構想とは、大阪維新のパフォーマンスなのです。自分たちの政治力や党の拡大という私欲のために、大阪市は解体されようとしているとしか、解釈は不可能です。まさに日本におけるポスト・トゥルースの象徴と言えましょう。

 現在、大阪維新は公明党に「住民投票の実施時期の確約文書を書け」と迫っており、公明党はこれを渋っているようです。当然でしょう。公明党は地方統一選の情勢を見てから、住民投票をするかどうか? を判断したいわけですから。

 この確約文書に公明党が応じなければ、大阪維新は知事・市長のダブル選を決断することをちらつかせています。しかし報道によれば、大阪市議会の公明党市議の反対が大きく情勢は不透明なようです。

 大阪市民は大阪市を愛するのであれば……ぜひともダブル選になれば大阪市長を、大阪維新以外から選出せねばなりません。地方統一選でも大阪維新以外に投票するべきです。

 何度も申し上げておりますけども、「大阪都構想には反対だが、大阪維新には票を入れる」という行動は、実質的には大阪都構想への賛成にほかならないのです。つまりその一票は大阪市解体を承認したことになるのです。

 ぜひとも! 地方統一選とダブル選(未定ですが)が実施された際には、大阪維新以外に投票をお願いする次第です。

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阿吽

しかしまあ・・、大衆というのは、橋下徹的手法と言うのを好むと言うことが良くわかります。

しかし、大衆と言うのには・・、ああいうのが魅力的に映るのでしょう・・。

このあいだのチャンネル桜に対するツイートの発言とか、なんともおっかない感じではないですか・・(^^;)

(正直、「うわあ(怖えなおい・・)」・・って感じでした・・)

でも、大衆的には・・「そんな橋下さん、素敵・・(´∀`)」・・ってなるんですかね・・?????

まあ、結果的には、いくぶんかはやはり、そうなるから・・、今でもそこそこ支持をされているんでしょうけど・・・。

(余談ですが、チャンネル桜の水島社長が橋下徹氏に対し討論を呼びかけていましたが、あれは間違いなく、間違いだったと思います。)(理由は・・・、藤井さんや中野さんが橋下徹氏との公開討論に、絶対に応じなかったことを考えれば・・・、やはりそれが、道理なのではないかと思います。)(きっと、彼との議論は議論にはならないと思いますので・・)

 ふわっとした、それなのに破滅願望というものとの戦いというのは、なかなかもって絶望的な戦いかとは思いますが・・、ヤンさんを支持します。

(あと・・、これはほんとに余談中の余談ですので、本当に大変恐縮なのですが・・・、ランキングクリックのURLが、前のブログほどにもう少し目立つしようだったらなあ・・、と、思います。申し訳ありません・・。しかし、アメブロとの仕様の違いで、今のようなかたちにクリックバナーが落ち着いているんですよということでしたら・・、ヤンさん、すみません・・。m(__)m)